那覇自然環境事務所自然環境の保全整備ようこそやんばるへ>環境省やんばる調査



 

 やんばる地域では森林を利用してきた一方で、脊梁山地周辺には良好なまとまったイタジイを優占種とする亜熱帯林が残り、希少な野生生物の生息・生育場所となっている事が明らかになっており、将来にわたってこの貴重な自然と共生してゆくことが重要な課題となっています。

 環境省では、やんばる地域の自然の適正な保全と活用を計るため、地域住民主体の活動による地域活性化の方策を検討することなどにより、自然保護と地域振興との両立を図りつつ、世界的な価値を有するやんばる地域における自然との共生を実現するための具体的手法について検討する事を目的とした調査を実施しました。

 
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◇ 平成8〜9年度の調査概要
◇ 平成10年度の調査概要
◇ 平成11年度の調査概要
◇ 平成12年度の調査概要
◇ 平成13年度の調査概要
◇ 平成14年度の調査概要
◇ 平成15年度の調査概要
◇ 平成16年度の調査概要
 

 


◇ 平成8〜9年度調査

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 環境庁(当時)では、北部訓練場返還後の跡地を将来的に国立公園に指定することを視野におき、平成8年度に『やんばる地域自然環境概況調査』を実施しました。
 この調査ではやんばる地域の自然景観・動植物・自然保護に係わる経緯・伝統的な自然との関わり、土地所有・産業概要・森林施業・開発計画・観光・歴史・文化・生活等についての基礎情報を収集・整理するとともに、3村役場で公園制度の説明会を行いました。
 平成9年度には『やんばる地域保全活用方策検討調査』を実施し、現地ヒアリング等を通じて平成8年度に収集・整理した情報に関する詳細調査を行い、やんばる地域の土地利用変遷、社会現況、利活用資源や地域人材に関してとりまとめました。 


◇ 平成10年度調査(『やんばる地域自然環境保全活用基本計画検討調査』) top

 平成8・9年度の調査を基に「やんばる」の範囲や概念の変遷、やんばる地域の自然環境が持つ価値等について整理するとともに、地域が抱える課題を抽出しました。
 また、この課題を解決するための方策を関係行政機関や専門家からなる検討会で検討し、全国、全世界から注目を受けているやんばる地域の特異な自然、あるいは地域の自然と住民との関わりの結果として生まれた文化や集落景観を保全・再生すること、そしてこれらの文化や集落景観を活用して観光客や県民をやんばる地域に引き寄せ、発展を目指すための方策を採っていくこととして、合意を得ることが出来ました。
 さらに検討会を通じた検討に基づき、貴重な自然を最大限活用しつつ保全を図るために地域を3ゾーン程度に区分するゾーニングの考え方、新しい自然の利用形態としてのやんばる型エコツアーの導入と必要となる施設の整備構想を提案しました。
 



◇ 平成11年度調査(『やんばる地域基本整備構想策定調査』)

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 平成11年度の調査では、平成10年度の検討において計画の基本的方向性として示した「やんばる地域の個性化」について、世界的にも 貴重なやんばる地域の自然を保全、活用すると共に、独特の地域文化も受け継ぎながら地域づくりを進め、国頭、大宜味、東の3村が一体となった「やんばる」としての新しい個性を創出し、那覇や恩納村と並ぶ沖縄を代表する第3の観光拠点として形成することと位置づけました。
 また、沖縄観光の現状と動向及び、やんばる地域における観光の現状と動向を分析すると共に、今後望ましい「やんばる型観光」のあり方と、その象徴としてのエコツーリズムのあり方、及びこれらを 実践するために必要となる施設整備や地域住民主体の運営・普及啓発等について提案・検討しました。
 
   

◇ 平成12年度調査(『やんばる地域基本整備構想策定調査』)

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平成12年度は、検討会の中で課題として挙げられた「観光による地域への経済効果」について、沖縄県を訪れた観光客、 やんばる地域を訪れた観光客に対してアンケート調査を行い、それを基に将来のやんばる地域への観光入り込み者数と地域への 経済効果の算出を行いました。
 その結果、今後もやんばる地域においてはエコツアーをはじめとした自然体験型利用の観光客の増加が期待できるが、やんばるの観光を取り巻く地域内の経済構造は、地域外に収益が流出していく構造となっており、それが変化しない限り村民 一人一人の所得に直接結びつきにくいことがわかりました。この結果や歴史的経緯を交えながら検討を深め、やんばる型観光の展開方針と展開例を提案しました。
 また、適切なコントロールが無く、やんばるの貴重な自然資源が無制限に観光に利用されることは、自然資源の保全の観点から 好ましくないとも言えます。そのため、やんばる地域の自然環境を保全しつつ利用を進めるためのゾーン区分とゾーン別の保全活用の基本的考え方を検討しました。
 さらに、やんばる地域の自然環境保全度の評価を試みました。
 




◇ 平成13年度調査(『やんばる地域基本整備構想策定調査』) top

 学識経験者・国頭村森林組合長・関連行政機関からなる検討委員会と住民参加によるワークショップを開催しました。
 検討委員会では、平成10年度から12年度までの調査結果の概要報告、平成13年度から15年度にかけて実施する『やんばる地域保全整備計画策定調査』の年度別調査事項の審議・検討、ワーキンググループの設置及びワークショップの開催についての提案等を行いました。
 ワークショップは住民参加によって行い、環境省がこれまでやんばる地域で実施してきた一連の調査の背景および目的についての説明、平成10年度から12年度までの調査結果の概要報告、ワーキンググループ設置の提案とワークショップテーマ案の提示、参加者に対するアンケート調査、やんばるミニコミ誌 (やんばるだより)発行についての提案、ゾーニングの考え方と保全・活用の基本方針についての提案、国立公園制度の概要についての説明、質疑応答等を行いました。 


◇ 平成14年度調査(『やんばる地域基本整備構想策定調査』) top

 平成13年度調査よりさらに具体的な検討を進めるため、国頭村、大宜味村、東村の3村担当課、沖縄県自然保護課、国頭村森林組合、地元エコツーリズム関連団体、自然保護団体等からなるワーキンググループコアメンバー会議を開催し、海外の国立公園におけるゾーニングと管理内容の事例紹介、自然環境保全度と社会状況の重ね合わせによる評価の考え方の検討、エコツアーサイト等における利用影響のケーススタディーの実施及び報告、エコツアーサイトの保全・復元・管理を考えるワークショップの提案・検討を行いました。
 また、やんばる地域の自然環境、動植物、生活文化、社会状況等の紹介や、環境省が平成10年度から平成12年度にかけて行った『やんばる地域基本整備構想策定調査』の概要、平成13年度調査にて実施した「やんばる地域住民ワークショップ」の概要を報告する当ホームページ「ようこそやんばるへ」を作成しました。
 更に、やんばる地域の自然環境の保全と利用において重要な課題になると考えられる「移入種の取扱」及び「観光利用の保全との両立」について課題解決に向けた展望、取組を整理、検討しました。
 


◇ 平成15年度調査(『やんばる地域基本整備構想策定調査』)

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 平成10年度から3カ年で進めてきた『やんばる地域基本整備構想』等を活用し、「やんばる」と呼ばれる地域の範囲の概念や、自然・人文の特徴を整理し、これらを元に、やんばる地域で目指すべき保全・利用地域の方向性を整理しました。
 そして、多様な生態系を持つやんばる地域を保全し、地域振興に資するよう適切に活用もするため、国立公園として想定される区域と、その中で保全を優先する地域と利用を促進する地域のゾーニング案や、やんばる地域の利活用方策の考え方、配慮事項、利活用拠点の配置イメージ、拠点毎の利用イメージを整理しました。
 また、やんばる地域において自然環境保全上の問題を引き起こしていると考えられる主な課題を整理して、課題毎やゾーン毎に考えられる保全方策を整理しました。
 更に、専門家や関係機関からなるコアメンバー会議を2回実施し、近年やんばる地域で問題が指摘されているエコツーリズム等における自然の利用と管理について、当面の対策、国立公園制度等による対応策を具体的に検討しました。 



◇ 平成16年度調査(『やんばる地域国立公園指定計画策定調査』) top

 平成8年度から実施している調査をとりまとめ、これまでの成果と公園指定に向けて不足している情報を整理しました。
 過去の調査をもとに、既存調査結果から分かる自然環境の資質やその評価結果を踏まえて、やんばる地域を国立公園に指定するにあたっての環境評価図案を作成しました。
 また、関係各村、地域住民に対して国立公園制度の説明を行い、やんばる地域の国立公園指定に向けた取組について広報を行うとともに、国立公園指定に対する関係各村、地域住民の意見を整理しました。 

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