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▽集落の特性
まとまりの強い集落


 やんばるの集落の多くは、少ない平坦地を求めて海に近く、小河川が刻んだ谷沿いに立地します。長い間集落ごとに独立した生業が営まれてきたため、集落単位でのまとまりが強い傾向があります。それぞれの集落が独自性とまとまりを持ちながら地域社会を形成してきたことがやんばる地域の大きな特徴といえます。
  やんばるの集落は、脊梁山地から流れ出る水脈の一つ一つに立地していて、分水界から浜までの短冊状の範囲がそのまま字界になっています。

 このような地理的条件以外に、海の向こうの原郷、「ニライカナイ」の信仰と祖先崇拝とが大きな影響を与えていて、家「イエ」、集落「シマ」の空間構成は、海からの神や海の幸を迎え入れるように方格地割されています。
 集落の観念的な中心は草分け家(ニーヤー「根屋」)や神女(ノロ)殿内で、その西と南に家が配置されています。ニーヤーの近くが集落の中央部となります。ここが共同店など集落生活の中心になっています。
 信仰の対象となる御獄や拝井泉などを大きく包み込む集落の後背林は、腰宛の森(クサテヌムイ)として良く保存され、集落を包む森を構成しています。

 また、集落を中心とした同心円状に以下のような段階的な土地利用が行われていました。

・耕地: 集落周辺の平地や斜面を利用
・猪垣: 石や珊瑚等で作られた耕地を猪から守るための柵
・薪炭材利用区域: 集落に近い森で薪炭材を採集する地域
・建築材利用区域: 薪炭材利用区域の更に奥地で建築材を択伐する地域
・源流域: 集落から遠距離にあり林業が不可能である地域.脊梁部周辺

 

やんばる型土地利用図

(出典:名護市史本編11 わがまち・わがむら 名護市史編纂委員会編 昭和63年 名護市役所)