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▽自然素材を用いた文化●伝統工芸
やんばる地域では、染織、紙づくり、焼き物、木工など、自然の素材を用いた伝統工芸が行われています。
喜如嘉集落が有名な「芭蕉布」は、やんばる地域が沖縄県下で唯一、今でも生産が続けられている地域で、地域を代表する伝統工芸です。また、周辺に陶芸に適した土が産出するため20年前頃から大宜味村に陶芸家が移住してきていて、今では8つの窯元があります。ほかに国頭村の辺土名や奥にも陶芸家が在住しています。
やんばる地域に伝わる主な伝統工芸は、現在は途絶えていても技術の復活が可能なものもあり、地域に産する素材を用いた伝統的な文化としてこれらの伝統工芸を地場産業化し、やんばるの独自性のアピールと地域活性化に結びつけることが期待されます。
やんばる地域の伝統工芸(出典:各村史等) | ||
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分類 | 内容 | 地域 |
染織 | 芭蕉布 | 大宜味村喜如嘉 |
染色(シャリンバイ、モクマオウ、ソウシジュ、フクギ等) | ||
紙 | 芭蕉紙 | 国頭村奥 |
馬糞紙 | ||
焼き物 | かんげん焼き(南蛮焼き) | 国頭村辺土名 |
国頭焼き(くんじゃんやき) | ||
木工 | トートーメー、三味線の箱、火鉢(火箱)、重箱、ビンシー | 東村高江 |
家具 | 大宜味村 | |
その他 | 草履づくり(月桃の繊維で) | 国頭村奥 |
ミノ作り(シュロの繊維で) | 大宜味村 |
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篭・草鞋 |
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芭蕉布
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●自然を使った遊び
やんばるでは、生き物は子供達の絶好の遊び相手でした。男の子は、川でエビやウナギ、カニ、川魚を捕まえたり、ヒヨドリやメジロをワナを仕掛けて捕り、食べて遊びました。女の子も貝殻をおはじきにしたり、シシダマの実を数珠繋ぎにしたり、アダンの葉で風車を作ったりなど、自然の素材で遊んでいました。
これらのおもちゃを作り、自然と格闘して遊んだ「昔の子供達」は今もやんばる地域に健在であり、遊びの掘り起こしも可能です。ともすればコンピューターゲームなどの室内遊びに終始しがちな現代の子供達にとって、やんばる地域の遊びを体験させることは、自然のつながりを再認識する貴重な機会となります。
やんばる地域の昔のおもちゃ、遊び | |
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ムチャギでとりもちづくり(虫を捕る) | アダン葉製の腕輪 |
ユーナーの木で水中眼鏡づくり | アダン葉製の指輪と時計 |
イシナーブー(石でやるお手玉) | アダン葉製の鳥 |
縄をなってブランコ | アダン葉製のキジ |
木の上に小屋を作る | アダン葉製のクジャク |
貝殻のおはじき | アダン葉製のコト |
毛遊び | フィーフィーグヮー(笛) |
シシダマの実で作る数珠 | チーマー、チーマー(摘み合い) |
チャンクルー(1厘銭転がし) | クヮッキーシーメーブ(ままごと) |
虫かご | フクギヌファービービー(フクギの葉の笛) |
風弾(フータン) | デークダキビービー(デーク竹の笛) |
八角凧 | ユシギヌミープップー(イスノキの実の笛) |
バショウの葉製の傘 | ヒンゴーウッチェー(貝殻遊び) |
バショウの葉製の小袋 | ヒニファラセー(舟競争) |
クバの葉柄の三味線 | ミジバー(水鉄砲) |
クバの舟 | ワジク(竹鉄砲) |
ワラ製の騎馬 | ギンギチバージマ(ゲッキツの葉相撲) |
ワラ製のトゥイグヮー、馬 | クサピッケー(草の引き合い) |
ワラ製のツル | ガーイジマ(命懸け相撲) |
ワラ製のハブグヮー | ニックルー(おさえ込み相撲) |
アダン葉製の風車 | ギンギチャオェー(一本足無手相撲) |
アダン葉製の星ころ | ティーウチェー(手の打ち合い) |
アダン葉製の煙草入れ(タバグイリ) | パッターウッチェー(パッターの打ち合い) |
アダン葉製の鶴・亀・子馬 | カンカラマーラセー(独楽廻し) |
クバの船(出典:琉球の玩具とむかし遊び、神泉社) | 星ころ(出典:琉球の玩具とむかし遊び、神泉社) | |
(出典:ふるさと沖縄の民具、沖縄文化社) | (出典:ふるさと沖縄の民具、沖縄文化社) |