管内の外来生物対策事業
行政資料
管内の外来生物対策事業
やんばるマングース防除事業
明治43(1910)年に、中東からインド、インドシナ半島から海南島まで広く分布するマングースがハブ対策として沖縄島那覇市に持ち込まれました。マングースの分布拡大とともに1990年代には大宜味村塩屋以北に侵入し、ヤンバルクイナなどの在来種が減少したり、いなくなったりしていることが明らかになりました。当事務所では、沖縄県と協力して、2000年より多くの希少種が生息するやんばる地域において防除を実施しています。これまでの取り組みによりヤンバルクイナなどの回復がみられています。新たに平成29年度から令和8年度までにマングースの完全排除を目指しています。
→第3期沖縄島北部地域におけるマングース防除実施計画
◆パンフレット
- ずっとやんばる(やんばるのマングース対策)日本語版 [PDF 22MB]
- Mongoose Eradication Project in Yambaru, Okinawa (ずっとやんばる(やんばるのマングース対策)英語版 )[PDF 21MB]
奄美マングース防除事業
昭和54年(1979)年に沖縄で増えていたマングースがハブ対策として持ち込まれました。その後、マングースは森林内に広がり、アマミノクロウサギやアマミヤマシギなど多くの在来種の分布域が縮小しました。2000年より環境省の防除事業として行われている奄美マングースバスターズを中心とした捕獲作業により、マングースの生息密度を大きく低下させることに成功し、令和元年度はついに捕獲0頭になりました。在来種の回復も顕著になっています。現在は、平成25年度から令和4年度までの10年計画(第2期防除実施計画)で、奄美大島全域からのマングースの根絶を目指しています。
→第2期奄美大島におけるフイリマングース防除実施計画
◆パンフレット
- 世界でたったひとつの奄美を守る(日本語).pdf[PDF 5.6MB]
- Conservation of a precious ecosystem in Amami Oshima Island.pdf[PDF 6.3MB]
グリーンアノール対策
グリーンアノールは、米国南東部原産の小型のトカゲ類で昆虫等を活発に捕食することから、生態系に深刻な被害を及ぼすおそれがあります。沖縄島では平成元年頃に東風平町で初めて見つかったとされていますが、平成20年9月に、那覇市内の一部でまとまって生息している情報が得られ、平成25年末には座間味島で定着していることが明らかになったことから、今後の分布拡大、生態系への影響が懸念されます。沖縄島では沖縄県が防除に取り組む一報、沖縄奄美自然環境事務所では座間味島での防除に取り組むとともに、他離島への拡散防止に努めていきます。
◆パンフレット
タイワンスジオ対策
タイワンスジオは八重山に生息するサキシマスジオの台湾産の別亜種で、1970年代末に沖縄島中部で観光施設から逃げ出した個体が増えたものと考えられています。毒はありませんが、2mを超える大きさにもなること、哺乳類、鳥類を中心に多くの獲物を捕食すると考えられていて、島の生態系への影響が危惧されています。現在、沖縄島における本種の生息状況を把握するとともに、今後の対策について検討を行っています。
◆パンフレット
オオヒキガエル防除事業
オオヒキガエルは、中南米原産の大型のカエルで、農業害虫駆除の目的で大東諸島、小笠原諸島に持ち込まれました。昭和53(1978)年に大東諸島から石垣島に持ち込まれ、石垣島では最も普通に見るカエルの1種になっています。毒腺を持っていることからオオヒキガエルを食べるおそれのあるカンムリワシやイリオモテヤマネコへの影響が懸念されています。沖縄島では平成23(2011)年夏にはじめて浦添市で生息していることが明らかになりました。発見以降、700頭を越える未成熟個体が捕獲・排除され、現在は極低密度状態に至ったものと思われますが、一度でも繁殖を許せば再び元の状態に戻ってしまうため、現地踏査や鳴き声のモニタリングなどを継続しています。
また、八重山諸島の他の離島への侵入阻止を目指して、監視調査を実施する
とともに、普及啓発に取り組んでいます。
→沖縄八重山地域におけるオオヒキガエル防除実施計画[PDF 174KB]
◆パンフレット
シロアゴガエル対策
シロアゴガエルは、東南アジア原産のアオガエル科の1種で、50年ほど前(昭和39年)に沖縄本島に持ち込まれて拡散し、沖縄諸島や宮古諸島の多くの島では手が付けられないほど蔓延してしまっています。八重山諸島では平成19(2007)年夏季に石垣島で初めて確認以降、島南部を中心に広がり、防除の努力にも関わらず平成26(2014)年度には島北部にも分布が拡大しました。西表島では監視員を配置し、オオヒキガエル等の外来カエルの侵入早期発見に備えていたところ、平成27 (2015)年8月27 日の上原地区での調査でシロアゴガエルと推測される鳴き声が確認され、以後、防除に取り組んでいます。また、慶良間諸島では、平成26(2014)年に阿嘉島、平成28(2016)年に渡嘉敷島、座間味島でシロアゴガエルの生息が確認されたこと
から、防除に取り組んでいます。
→オオヒキガエルとシロアゴガエルについて
インドクジャク対策
インドクジャクは、1960年代に新城島(上地島)に観賞用として持ち込まれて以来、近隣の島(小浜島・石垣島・黒島・与那国島・宮古島・伊良部島)にも持ち込まれ、台風時の飼育施設の破損などにより逃げ出したものが野外に定着して、生態系や農林水産業に悪影響を与えています。
当事務所では、平成15(2003)年から生息実態調査、生態系への影響調査、捕獲方法の検証等を実施するとともに、平成18(2006)年度からは、新城島(上地島)において防除事業を実施しています。
→インドクジャクについて[本省]
ツルヒヨドリ等、侵略的外来植物種対策
管内では特定外来生物であるツルヒヨドリやボタンウキクサ、緊急対策外来種であるアメリカハマグルマ等の侵略的外来植物種が生育しており、地域住民とともに防除活動に取り組むとともに、初期防除・早期発見のための普及啓発を進めています。
ツルヒヨドリは、北アメリカと南アメリカの熱帯地域を原産としたつる性植物で、日本では昭和59(1984)年に沖縄県うるま市で発見され、近年では、沖縄本島中部一帯で繁茂しているほか、沖縄北部のやんばる地域や南部の南城市・豊見城市でも確認され、宮古島や西表島、奄美大島などでも見られ、短期間のうちに分布を拡大しています。本種はつるで絡みつき、厚い藪を形成しながら林冠を覆うよう繁茂するため、今後の分布拡大によって在来の生態系や、果樹・サトウキビ等の農作物にも大きな被害を及ぼす可能性があります。平成28(2016)年に特定外来生物に指定され、やんばるや奄美大島等で防除を進めています。
ボタンウキクサは別名ウォーターレタスといい、アフリカ原産のサトイモ科の水草です。爆発的に繁殖し、水面を覆いつくしてしまうことで、他の植物の光合成を妨げ、生育できなくしてしまいます。水がめや池などで知らずに育っている場合があることから、管内を巡視して管理者に防除の指導を行ったりしています。
◆パンフレット
- 特定外来生物 ボタンウキクサ_パンフレット[PDF 3MB]
- 特定外来生物 ボタンウキクサ チラシ [PDF 4MB]
- 特定外来生物 ツルヒヨドリ パンフレット [PDF 5MB]
- 特定外来生物 ツルヒヨドリ チラシ [PDF 7MB]
- 緊急対策外来種 アメリカハマグルマ パンフレット [PDF 3MB]
- 緊急対策外来種 アメリカハマグルマ チラシ [PDF 5MB]
外来生物法に違反した場合には最高で個人の場合3年以下もしくは300万円以下の罰金またはその両方、法人の場合は1億円以下の罰金が科せられます。防除の実施が必要となった場合においては、原因者責任も問われますので、特定外来生物を飼養・栽培したり、保管、運搬、販売、野外に放つこと等は絶対にやめてください。