報道発表資料
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報道発表:奄美・琉球の諸島別外来種パンフレットの作成について(島別外来種の分布情報収集にご協力下さい)
那覇自然環境事務所
環境省那覇自然環境事務所では、奄美・琉球における外来種についての啓発と情報収集を目的として奄美諸島、沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島の4つの諸島について、外来種パンフレットを作成しましたのでお知らせいたします。
パンフレットでは諸島ごとに生態系への影響が危惧される外来種を選択し、それぞれについて、既に定着している外来種、定着のおそれがある外来種について紹介しています。
今回、取り上げた種は4つの諸島を合わせて44種になりますが、島ごとの生息状況が明らかになっていない種も少なくありません。そこで、本事務所では、地域にお住まいの方々の協力を得て、外来種の侵入状況を明らかにすると共に、将来、対策を優先すべき外来種を判断する上での一助にしたいと考えています。外来種の分布情報の収集にご協力をお願いします。
1.諸島別パンフレットの概要
奄美諸島、沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島の4諸島について、それぞれの地域の成り立ちや代表的な固有種を紹介したうえで、生物多様性や外来種について解説しています。その上でそれぞれの地域で定着(注1)している外来種の中から、専門家らからの助言を受けて(注2)、地域の皆さんに感心をもっていただきたい種を選別して、既に定着している外来種、まだ定着は確認されていないものの、将来侵入の恐れがある外来種(例えばセアカゴケグモ,注3)について紹介しています。掲載種は紙面の制約などから諸島によって取り上げられていない種もありますが4諸島を合わせて44種になります(別紙 [PDF 36KB])。
パンフレットはA4版カラーで沖縄諸島が16ページ、その他の諸島については12ページからなります。入手希望の方は那覇自然環境事務所までお問い合わせ下さい。また、これらのパンフレットは那覇自然環境事務所HPからもダウンロードできます。
https://kyushu.env.go.jp/naha/wildlife/pamph.html#gairai2
2.島ごとの分布情報を集めます
それぞれの島での分布状況の概要が把握できている種もあれば、把握できていない種も多くあります。那覇自然環境事務所では、別紙に掲載した44種の外来種について、島ごとの生息状況を把握していきたいと考えています。島ごとの外来種の侵入状況を明らかにすると共に、将来、対策を優先すべき外来種を判断する上での一助にしたいと考えています。なお、宮古諸島においては宮古島市総合博物館の協力を得ています。
これまで定着が知られていなかったり、近年、新たに侵入してしまったような種もあると考えられます。また前述のイグアナのように定着しているか、定着していないかの判断が必要なので、種によっては目撃の状況や情報量によって判断する必要があります。
ついては、地域にお住まいの方々に目撃情報をお寄せいただきたいと考えています。情報提供者のお名前、連絡先と共に、以下のようなことについて、目撃や観察の情報をそれぞれの拠点(下表)にお寄せ下さい。
- ①お名前、連絡先:
- 後で状況を詳しく伺いたいときに連絡を取らせていただくことがあります。(なお、上記の目的以外にご連絡先の情報を使用することはありません)
- ②外来種名:
- 種の判断のためにも、できれば写真をお撮りください。
- ③目撃場所:
- 地図にできる範囲で位置を示してください(もし可能ならGPS情報)。
- ④目撃日時:
- 年月日、およその時刻。
- ⑤その他 :
- 何をしていたかなど、分かる範囲で何かあれば。
奄美諸島 |
奄美野生生物保護センター |
〒894-3104 鹿児島県大島郡大和村思勝字腰ノ畑551 |
沖縄諸島、大東諸島 (やんばる以外) |
那覇自然環境事務所 |
〒900-0027 沖縄県那覇市山下町5-21 沖縄通関社ビル4F |
やんばる地域 |
やんばる野生生物保護センター
|
〒905-1413 沖縄県国頭郡国頭村字比地263-1 |
宮古諸島 |
宮古島市総合博物館 |
〒906-0011 沖縄県宮古島市平良東仲宗根添1166-287 |
八重山諸島
|
国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター |
〒907-0011 沖縄県石垣市八島町2-27 |
西表島 |
西表野生生物保護センター
|
〒907-1432 沖縄県八重山郡竹富町字古見 |
※どこに送ったらいいか分からない時は、那覇自然環境事務所へお願いします
- (注1)
- 例えば、沖縄島では時折、グリーンイグアナの目撃情報が新聞に載ることがあります。野外で生息していることは間違いありませんが、イグアナが沖縄島で繁殖しているかどうかは明らかではありません。このように一時的に野生状態で生息している種は、繁殖して野外で増えている種とは違って定着していないと判断しています。一方で石垣島ではイグアナが繁殖していることが明らかなので定着していると判断します。
- (注2)
- 本パンフレット作成に当たっては奄美・琉球諸島における外来生物レビュー専門家会合の以下の委員の方々にご協力いただきました。伊澤雅子(琉球大学理学部教授)、太田英利(兵庫県立大学自然・環境科学研究所教授)、小高信彦(森林総合研究所九州支所)、佐々木健志(琉球大学風樹館)、立原一憲(琉球大学理学部准教授)、横田昌嗣(琉球大学理学部教授)。
- (注3)
- 奄美・琉球のいずれの島にも定着が確認されていないものの、本土での定着が確認されているセアカゴケグモや、台湾での定着が明らかでいつでも侵入、定着の恐れのあるヒアリやブラウンアノールなどの種も紹介して注意を呼びかけています。それぞれの地域で環境学習や外来種の現状を知っていただくために活用していただきたく思います。
- (注4)
- なお、農業害虫などの外来種について、今回は取り上げていません。