2019年6月26日
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2019年06月26日屋我地のアジサシたち2019【やんばる地域】
やんばる アクティブレンジャー上開地
こんにちは。
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。
全国的に梅雨の時期に入ってきましたね。
うちなーぐちでは梅雨のことを"すーまんぼーすー"と言うそうです。
沖縄の梅雨明けはもうすぐなのですが、6月後半になって大雨が続いています。
この雨が終わったらいよいよ梅雨明けでしょうか...?
さて、やんばるの梅雨入りは、毎年必ず紹介している"アジサシ"の時期でもあります。
今年の屋我地島(国指定鳥獣保護区)での初確認は、エリグロアジサシが5月9日、ベニアジサシが5月19日でした。
沖縄の梅雨入りが5月16日という発表がありましたので、アジサシ達が梅雨入りと共にやって来るというのが良くわかりますね。
今年もアジサシたちの子育てを守るべく、飛来状況を調査したり、ひるぎ学園の5年生と一緒に看板設置をしたりと活動が始まっています。
昨年のような悲しい結果にならないように、多くの人にアジサシについて知ってもらいたいと思います。
(詳しくは2018年08月17日の日記をご覧下さい)
今年の活動と6月のアジサシたちの様子を紹介します。
5月23日、ひるぎ学園5年生の教室で屋我地島のアジサシについてお話した後、
干潟を歩いてアジサシが繁殖しそうな岩礁へ看板設置を行いました。
▲教室でアジサシについてお話した後、子供達は取材を受けながら看板設置を行いました。
▲今年も気持ちのこもったイラストで力作揃いです。
そして、6月10日は調査員さんたちと一緒に、船からのアジサシの飛来状況調査を行いました。
▲青いフラグを付けたエリグロアジサシ
青いフラグは過去に沖縄でバンディングされた証です。
これまでのバンディング調査で17年前から屋我地島に飛来している個体も確認されています。
▲ベニアジサシたちは、梅雨明け頃に産卵を始めることが多く、この日はほとんどの個体が海上で採餌をしていました。
▲エリグロアジサシは産卵が始まっています。
昨年エリグロアジサシが繁殖していた岩礁に今年も来ていました。昨年は失敗におわってしまったので今年は成功して欲しいです!
▲昨年、釣り人が登ってしまいベニアジサシが繁殖失敗してしまった岩礁。
今年はエリグロアジサシが営巣していたので、ここにも上陸注意の看板を設置しました。
▲釣り人が多い岩礁で、巣の側に釣り糸が捨てられていました。
▲鳥獣保護区の起点になるオトフ岩。
ここでもエリグロアジサシが営巣していたので看板を設置しました。
上陸してみると、釣り人が残したお弁当ゴミ、ビール缶、釣り糸がたくさん落ちていました。
マナーを守って釣りをする人はたくさんいらっしゃると思うのですが、ごく一部の人がゴミを捨ててしまったり、たった1人がアジサシの繁殖岩礁に登ってしまうだけで、全てが台無しになってしまいます。
今年はどんな結果になるのか...。
心配ばかりが膨らみますが、多くの人にご協力いただきながら今年も活動していきたいと思います。
1人1人の心がけで、「昔も今も沖縄は綺麗だねー。」と言えるようにがんばりましょう。
アジサシたちの繁殖が成功しますように...。
アジサシについてもっと知りたい方は、
ウフギー自然館HPに掲載していますパンフレットを是非ごらんください。
○ウフギー自然館HP 各種資料
・沖縄のアジサシ ・アジサシが繁殖に来ています
こんにちは。
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。
今日は梅雨入りさなかの6月の観察会の様子の紹介です。
▲チラシ作成時の私の予想では、今頃は梅雨明けだったのですが外れました...。
▲梅雨明けの予想は外れましたが、清々しい良いお天気でした!
▲長尾橋から双眼鏡でイタジイの樹幹を眺めると来年熟す予定の若いシイノミが膨らみ始めていました。
▲多分、ヒメニシキキマワリモドキ?
一見真っ黒に見えますが光を当てると背中が七色に光ってキレイです。
この日の観察会では、幼虫をたくさん見つけることが出来ました。
▲ジャコウアゲハの幼虫(食草リュウキュウウマノスズクサ。毒草です。)
▲ホリシャシャチホコの幼虫(食草エゴノキ)
初めて見る幼虫で調べるのが大変でした!鮮やかな黄緑色が美しいですね。
そして一番面白い顔と模様をしていたのがこの子です。
▲アオバセセリの幼虫(食草ヤンバルアワブキ)
黄色と黒の縞々に水色の玉模様。そしてなにより、赤い顔が可愛らしいですね。
この赤い顔は、テントウムシに擬態していると言われているんだそうです。
そう言われてみると、ナナホシテントウに見えてくるような...。
このアオバセセリの幼虫、図鑑で初めて見た時からずっと会いたかった幼虫でした。
観察会の後、仕事が終わってから友人と別の道を散策したのですが、道沿いのヤンバルアワブキにもついてないかなーと思いながら歩いていると...。
▲ヤンバルアワブキの幼木の葉が巻かれています。
なんだかあやしい...。
中を覗いてみましょう。
▲いました!赤い顔の幼虫が!
▲よーく探すと大中小、さまざまなサイズの巣があって中に幼虫たちが入っていました。
今までもヤンバルアワブキは何度も見てきたのに気がつかなかったとは...。
今年が当たり年なのかも知れませんが、今まで気がつかなかったのはチョット悔しいです。
何気なく見ている景色の中にも、常に新しい発見があるんだなと改めて感じた観察会でした。
みなさんも一緒にお散歩に行きませんか?
観察会のお申し込みなど詳細はウフギー自然館HPをご覧下さい。
http://www.ufugi-yambaru.com/news/event31.html#event190714