九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
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こんにちは。
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。
12月になりましたが、やんばる地域ではまだまだセミが鳴いています。
そのセミの名は「オオシマゼミ」。"ケーン、ケーン"という甲高い声で鳴く秋のセミで、日本で一番最後まで鳴いているセミと言われています。
このオオシマゼミが山中で大合唱する11月に、やんばるの森を外来種から守るべく、駆除イベントが行われました。
国頭村森林組合が主催する駆除イベントは今回が初めてです。やんばる野生生物保護センターウフギー自然館も協力して一緒に取り組みました。
今回駆除をした外来種はタイワンカブトムシとアメリカハマグルマ。
どちらも県内のあちこちで見かける外来種で、やんばるの森でも見かけることがあります。
実は、私たちの身の回りには沢山の外来種がいるのですが、その中でも生命力が強く、繁殖や成長スピードの速いものは、在来生物がすみにくくなったり、私たちの生活に悪影響を及ぼす事があり、駆除の対象になる種類も少なくありません。
そんな外来種について、楽しく学びながら駆除のお手伝いを参加者の皆さんにしていただきました。
▲まずは部屋の中で外来種のお話。
右の荒谷先生からクワガタ・カブトムシを中心に昆虫の楽しい世界をお話してもらいました。その後、私から外来植物について話した後はいよいよ外に出て駆除に向かいます。
▲駆除場所。
真ん中の堆肥にタイワンカブトムシ、その周りをアメリカハマグルマが繁茂しています。
▲まずは周囲のアメリカハマグルマを抜き取ります。
▲その後にタイワンカブトムシの幼虫を掘り起こします。
▲いっぱい出てきました。
出てきたタイワンカブトムシは全部で57匹 !
(一齢幼虫~終齢幼虫、サナギ、成虫の全ての成長ステージがいました。)
▲荒谷先生がタイワンカブトについて詳しく解説(左から、1齢、2齢、終齢)
▲そして抜き取ったアメリカハマグルマは大きなゴミ袋に33袋!
アメリカハマグルマをちぎることなく長―く抜き取れたり、タイワンカブトムシを沢山見つけたトップ3のみんなには、国頭村森林組合から素敵なプレゼントがありました。
▲「いっぱい見つけたよー」
▲プレゼントは、国頭村の木材で作った"ヤンバルクイナの卵"や"ドングリストラップ"でした。
多くの方が参加してくれたおかげで、楽しみながらたくさんの外来種を掘り起こす事が出来ました。
ですが、きっとまだまだ取り残した個体がいるはずです。
外来種を完全に除去するためには、いなくなるまで何度も駆除を続けることが大切です。
今回のイベントは"第1回目"。今後も駆除イベントが行われていくと思いますので、もし皆さんの参加できるイベントがありましたら、ぜひご協力をよろしくお願いします。
そして、普段の生活の中で心がけて欲しい事は、今以上に外来種を増やさないようにする事です。例えば、飼っているペットや育てている植物を野外に逃がしたり、捨てたりしないで最後まで飼うことも1人1人ができる大事な事です。
外来種被害予防三原則 "入れない" "捨てない" "拡げない" の3つを心がけてみてください。
より詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
(環境省HP外来種問題についてhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/)
(パンフレットhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/05_rist_zentai_c.pdf)
今月の一枚「ヤッコソウ」
イタジイの根から栄養をもらっている寄生植物。11月頃の秋~冬にかけて、花の部分だけが地上に出てきます。やんばるの森はイタジイの森。あちこちの林床で可愛いヤッコさんが顔を出していますが、外来植物が森の中まで侵入してしまうとこんな光景も見られなくなってしまうかも知れません。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園、奄美群島国立公園があります。
こんにちは。
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。
12月になりましたが、やんばる地域ではまだまだセミが鳴いています。
そのセミの名は「オオシマゼミ」。"ケーン、ケーン"という甲高い声で鳴く秋のセミで、日本で一番最後まで鳴いているセミと言われています。
このオオシマゼミが山中で大合唱する11月に、やんばるの森を外来種から守るべく、駆除イベントが行われました。
国頭村森林組合が主催する駆除イベントは今回が初めてです。やんばる野生生物保護センターウフギー自然館も協力して一緒に取り組みました。
今回駆除をした外来種はタイワンカブトムシとアメリカハマグルマ。
どちらも県内のあちこちで見かける外来種で、やんばるの森でも見かけることがあります。
実は、私たちの身の回りには沢山の外来種がいるのですが、その中でも生命力が強く、繁殖や成長スピードの速いものは、在来生物がすみにくくなったり、私たちの生活に悪影響を及ぼす事があり、駆除の対象になる種類も少なくありません。
そんな外来種について、楽しく学びながら駆除のお手伝いを参加者の皆さんにしていただきました。
▲まずは部屋の中で外来種のお話。
右の荒谷先生からクワガタ・カブトムシを中心に昆虫の楽しい世界をお話してもらいました。その後、私から外来植物について話した後はいよいよ外に出て駆除に向かいます。
▲駆除場所。
真ん中の堆肥にタイワンカブトムシ、その周りをアメリカハマグルマが繁茂しています。
▲まずは周囲のアメリカハマグルマを抜き取ります。
▲その後にタイワンカブトムシの幼虫を掘り起こします。
▲いっぱい出てきました。
出てきたタイワンカブトムシは全部で57匹 !
(一齢幼虫~終齢幼虫、サナギ、成虫の全ての成長ステージがいました。)
▲荒谷先生がタイワンカブトについて詳しく解説(左から、1齢、2齢、終齢)
▲そして抜き取ったアメリカハマグルマは大きなゴミ袋に33袋!
アメリカハマグルマをちぎることなく長―く抜き取れたり、タイワンカブトムシを沢山見つけたトップ3のみんなには、国頭村森林組合から素敵なプレゼントがありました。
▲「いっぱい見つけたよー」
▲プレゼントは、国頭村の木材で作った"ヤンバルクイナの卵"や"ドングリストラップ"でした。
多くの方が参加してくれたおかげで、楽しみながらたくさんの外来種を掘り起こす事が出来ました。
ですが、きっとまだまだ取り残した個体がいるはずです。
外来種を完全に除去するためには、いなくなるまで何度も駆除を続けることが大切です。
今回のイベントは"第1回目"。今後も駆除イベントが行われていくと思いますので、もし皆さんの参加できるイベントがありましたら、ぜひご協力をよろしくお願いします。
そして、普段の生活の中で心がけて欲しい事は、今以上に外来種を増やさないようにする事です。例えば、飼っているペットや育てている植物を野外に逃がしたり、捨てたりしないで最後まで飼うことも1人1人ができる大事な事です。
外来種被害予防三原則 "入れない" "捨てない" "拡げない" の3つを心がけてみてください。
より詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
(環境省HP外来種問題についてhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/)
(パンフレットhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/05_rist_zentai_c.pdf)
今月の一枚「ヤッコソウ」
イタジイの根から栄養をもらっている寄生植物。11月頃の秋~冬にかけて、花の部分だけが地上に出てきます。やんばるの森はイタジイの森。あちこちの林床で可愛いヤッコさんが顔を出していますが、外来植物が森の中まで侵入してしまうとこんな光景も見られなくなってしまうかも知れません。