2017年6月 9日
2件の記事があります。
2017年06月09日舟志の森自然観察会、交通安全キャンペーン(対馬市上対馬町舟志)
対馬 沼倉 真帆
こんにちは!アクティブレンジャーの沼倉です。
今回は、ツシマヤマネコ応援団事務局として
6月3日(土)に行われました、「舟志の森の自然観察会」のご報告です。
この観察会は舟志の森づくり推進委員会主催で行われ、地元と企業が協力して行った間伐・植樹などの森づくり活動や、湿地の環境改良などの取り組みを紹介しながら、現在その周りにはどのような植物や動物が生息しているのかを、参加者自らの目で観察してもらいました。
※舟志の森づくり推進委員会は、舟志区、対馬市、住友大阪セメント株式会社、ツシマヤマネコ応援団の4団体からなり、対馬の野生動物の保全を図り、人と自然が共生するモデル森を育てることを目的として活動しています。
まず植樹地の周辺散策をしながら「~舟志の森deビンゴ~」しました。
当日は天気にもめぐまれ、木陰を歩くのがとても気持ちよかったです。
チョウセンヤマアカガエル、ツシマテンの糞やヌスビトハギなどを見つけほとんどの子たちがビンゴ!になっていました(^^)
今回の観察会では残念ながら時間がなく訪れることはできませんでしたが住友大阪セメントさん所有の土地の中には、シカの影響を防ぐための柵やネットを設置している場所があります。その中では植物が順調に育っています。
(平成26年度の観察会の様子)
対馬ではツシマジカやイノシシの影響で植物の減少が深刻です。
植物が減少すると、例えばそこに棲む昆虫類が減少するなど、生物多様性の低下につながります。
何でもなさそうな「雑草」に支えられて多くの生物が生きていること、これらの生物がみんなで生態系を支えていることを、今回の観察会で実感していただけたと思います。
散策の後には湿地へ行って、生き物調査を行う予定でしたが、対馬は最近雨が降っておらず、湿地が干上がってしまっています。そこで、5月31日に湿地周辺に設置した自動撮影カメラに写った動物のチェック&痕跡調査を行いました!
今回設置した自動撮影カメラにはシカとイノシシ、ツシマテンしか写っていませんでしたが...。
参加者と一緒に歩いたルートにはヤマネコが撮影されていました!
↓2016年5月、6月撮影
以前設置していた自動撮影カメラで撮影された水鳥を捕ったヤマネコ、道路に出ているヤマネコ、繁殖期中に仲良く2匹で歩いているヤマネコといった動画や写真を紹介し、湿地に生息している小さな生物たちが鳥類やヤマネコの生息できる環境をつくっていることを感じてもらいました。
参加者のみなさんの協力により、とても充実した観察会となりました!
自然観観察の楽しみや身近な自然の大切さを伝えられるイベントが、今後もできたらいいなと思います。
自然観察会に参加してくださったみなさま、ありがとうございました!
自然観察会の後には毎月ヤマネコが確認されている上対馬町舟志にて、住友大阪セメントさんの社員さんも参加して頂き、応援団の団員さんと対馬野生生物保護センターの職員でヤマネコの交通事故防止キャンペーンを行いました!
本年に入って5月17日に峰町志多賀、志越トンネル内にて交通事故が起きてしまいましたが
これ以上少しでも交通事故が起きないよう応援団の皆さんと一緒にできることからコツコツと頑張っていきたいと思います。
沖縄地方はただいま「梅雨」ですが、
こちら石垣島(八重山)は前線が過ぎてしまったのかすでに夏模様です。
「夏」といえば昨年の夏、
八重山ではサンゴの大規模白化という事件が起きてしまいました。
大規模白化後、海の中とサンゴたちは一体どうなっているでしょう?
先日、石垣島名蔵湾へ現地調査に行ってきましたのでご報告です。
名蔵湾冨崎北の海中景観
遠目で見ると、サンゴがたくさん残っているように見えますが・・。
近づいてみるとサンゴに藻が生えているのが分かります。
未だに白化しているイソギンチャク&威嚇するハマクマノミ
しかし、すべてのサンゴが死んでしまった訳ではありません。
懸命に生きるミドリイシ属
これからが期待の稚サンゴ
海に暮らす生き物や、私たち人間にとって、
サンゴから受けている恩恵は大きなものです。
今年も夏がやってきますが、海に入る際にはぜひサンゴの様子も気にとめてみて下さい。
【本日の一枚】
~名蔵湾の巨大コモンシコロサンゴ~