2017年5月26日
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2017年05月26日リベンジ!父ヶ岳登山
西海国立公園 五島 竹下洋子
こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。ふれあい事業として毎年実施している父ヶ岳(ててがたけ:標高461m)登山に、今年もスタッフとして参加しました。昨年は午後から下り坂との天気予報で中腹から引き返して山頂まで行けなかったので、今年こそは!とリベンジを誓う参加者が約半数を占めていました。
開催の数日前、登山ルートを確認しながら、参加者が安全に通行できるよう頂上までの登山道で倒木処理を行い、併せて当日参加者へ紹介できるよう自然や生物の事前調査を行いました。旧七嶽神社へ向かう石段から父ヶ岳山頂付近にかけて、花崗岩をよく見かけますが、これはマグマが深いところで固まった岩です。
左)登山道の倒木処理
右)長石(チョウセキ)と石英(セキエイ)の白い粒が目立つ花崗岩(カコウガン)
実施予定日の2日前、五島列島では全国ニュースで伝えられるほどの豪雨となり心配しましたが、前日と当日は天候に恵まれ実施することができました。参加者には豪雨の影響による土砂崩れ等でこれ以上の登山は危険と判断した場合は引き返すことを了解いただき出発しました。
左)七嶽神社での開会式
右)七嶽神社旧社殿へ向かう林道
旧七嶽神社へ向かう石段を上り急峻な登山道を過ぎると、日差しを遮るほどの樹木に囲まれているため、時折吹く風は少し寒いぐらいです。登山道わきには、アリドオシやフイリシハイスミレなど確認できました。
左)蟻を通すほどの細いとげがあることから名付けられたアリドオシ
右)葉の裏が紫で、葉に斑が入ったフイリシハイスミレ
父ヶ岳登山道はいくつかの峰を超えるため、下ったり登ったりを何回か繰り返します。登山道には、ヤマタニシなどの貝類も観察でき、参加者は海の生物と思われる貝類が山に生息していることに驚いていました。
左)参加者へ山に生息する生物を紹介
右)見た目はカタツムリだが、殻口部に蓋があるヤマタニシ
父ヶ岳山頂からは、南西に「玉之浦湾と島山島」、北西に「頓泊・高浜の海水浴場と嵯峨島」という五島列島の代表的な国立公園区域を眼下に見渡すことができます。山頂付近は、雑木の繁茂が著しく、眺望に支障があり、次回の登山では事前に何らかの対策が必要と感じました。
左)玉之浦湾(中央)、島山島(後方)
右)頓泊(左)・高浜(右)の海水浴場と嵯峨島(中央後方)
今回参加者の中には、友人に誘われ初めて登山した人もいて、予定した所要時間を超え急峻な登山道も大変だったと思いますが、全員無事下山することができました。
参加者から「山に個人で登るのは不安だが、こうした機会があり本当に良かった」「疲れたが、天候に恵まれて達成感もあった」等とうれしい言葉をいただきました。皆さんも、イベントを活用して、未知なる山へチャレンジしませんか!
スダジイの前で集合写真
みなさん こんにちは。西表自然保護官事務所の関東です。
5月23日に西表野生生物保護センター近くの古見集落内で特定外来生物のオオヒキガエルが捕獲されました。捕まった個体は、メスの成体で体長は約14cm、体重250gの繁殖可能個体です。
今回、捕獲された個体
オオヒキガエルは中南米原産の大型のカエルで、サトウキビ害虫駆除の目的で日本を含む多くの環太平洋諸国に移入され、定着した各地で生態系に被害を引き起こして問題視されている侵略的外来種です。成体は耳腺(耳のうしろにあるコブ)から強力な毒物を分泌し幼生も毒をもっていることから、カエル類を食物とする様々な在来捕食者への毒による悪影響も懸念されます。オスは「ボボボボボ・・・・」と機械音のような鳴き声です。
西表島で、オオヒキガエルが最後に捕獲されたのは10年前の2007年で以降は確実な目撃情報はありませんでした。環境省では、オオヒキガエルの再侵入に備えて引き続きモニタリングを強化しています。西表島内で個体を見かけた、鳴き声を聞いたというかたは西表野生生物保護センターまで情報をお寄せください。目撃したカエルの写真を撮影していただいくと確認がスムーズになります。
連絡先
環境省西表野生生物保護センター
Tel 0980-85-5581
e-mail RO-IRIOMOTE@env.go.jp
意外とシャイなので正面顔を撮影しようとするとすぐにそっぽを向いてしまいます。