2017年5月23日
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2017年05月23日縄文杉北側展望デッキオープン!
屋久島国立公園 池田 裕二
2017年4月より屋久島自然保護官事務所アクティブレンジャーに着任いたしました池田と申します。アクティブレンジャーの活動と、屋久島の自然の面白さを発信してまいりますので、よろしくお願いおいたします。
さて、縄文杉発見から50周年を迎えた今年2017年、新しい縄文杉展望デッキが4月1日、ついに完成いたしました!
新しいデッキ「縄文杉北側デッキ」からは今までの南側デッキとは異なる角度の縄文杉を見ることができます。まず目に飛び込んでくるのが南側に張り出した太い枝。圧倒的な迫力です。こちらの枝だけでも、1000年以上の時が経っているのかもしれませんね、
昭和41年に縄文杉が発見された当初は、周囲が鬱蒼とした藪となっており、森の中に生き続けてきた神秘的な姿をしていたそうです。南側デッキからは縄文杉周囲の灌木の樹高が低いために、縄文杉全体像を観察することができます。そして今回オープンした北側デッキからは縄文杉発見当時のように、森に隠れてひっそりと佇む幽玄な世界を感じることができます。森からぬっと伸びる縄文杉の太い枝や、灌木の合間から覗く、岩のような迫力のある幹を観察することができ、私たちの想像力を掻き立ててくれます。
さらに今年は50周年記念特別イベントがいくつも用意されており、屋久島の観光も例年以上に盛り上がることでしょう。
縄文杉に会いに行きたい!とお考えの方は、今年旅行計画を実行に移すチャンスですね。もちろん事前の準備や、十分な筋力、持久力トレーニングもお忘れなく!
屋久島自然保護官事務所が運営する、屋久島世界遺産センターのホームページ上では縄文杉快適登山日カレンダーを公開しております。
http://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/tozan/kaitekic.htm
混雑日をなるべく避け、快適な登山をお楽しみください。
先週の5月13日(土)に沖縄・奄美地方が梅雨入りしました。梅雨の時期は、急な落雷や局地的に激しい雨が降ることもありますので、お出かけ時には十分お気を付けください。
さて今回は、5月18日(木)に約1年ぶりとなるカンムリワシの幼鳥を放鳥しましたのでご紹介したいと思います。放鳥したカンムリワシは、民家の敷地にある農水用のため池で衰弱してプカプカと浮かんでいたところを民家の方が保護してくださいました。保護した際は、体温も低く、痩せていて助かるかどうかわからない状況でしたが、迅速な救護対応と獣医師さんの治療、カンムリワシ・リサーチ(民間団体)のリハビリケアのおかげで、無事に放鳥の日を迎えることができました。
▲カンムリワシが救護された農水用のため池
愛称は『悠々』と決まり、「嵩田の大自然で『悠々』と大空を羽ばたいてほしい」と願いを込めて、救護されたご家族の春花さん(高校生)が命名書を書いてくださり、放鳥日は力強く元気いっぱいに大空へ羽ばたいていきました。
▲命名書『悠々』
今年は交通事故による死亡事故が多発し、昨年から交通事故にあった個体の野生復帰まで至らないケースが増えている状況です。重傷個体が多い背景には、スピードの出し過ぎが考えられます。今年に入って石垣島での救護件数は7件で、その内交通事故による救護が5件、衰弱が2件となっています。これから石垣島は夏本番を迎え、生き物の活動も活発になるほか、観光で訪れる方も多くなります。特に夜間や早朝に自動車やバイクを運転する際は、野生動物が道路上に急に飛び出してくることもありますので、カンムリワシをはじめ、野生動物に気を付けて安全運転を心がけていきましょう!
▲放鳥したカンムリワシの幼鳥『悠々』
放鳥した『悠々』には、右足に緑カラーでMと刻印した足環を装着しています。足環のある個体の撮影に成功した場合は、カンムリワシ・リサーチまでご連絡ください。撮影画像を添付の上、撮影場所、日時をお知らせください。 重要な生存確認情報として記録させていただきます。
連絡先 カンムリワシ・リサーチ
Mail:kresearch526@yahoo.co.jp
<カンムリワシの救護連絡先>
○石垣島
環境省石垣自然保護官事務所 0980-82-4768
石垣市教育委員会文化課 0980-83-7269
○西表島
西表野生生物保護センター 0980-85-5581
カンムリワシの救護情報はカンムリワシ・リサーチHPをご覧ください。
http://kanmuriwasi.web.fc2.com/