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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2016年1月28日

2件の記事があります。

2016年01月28日いきものリレー⑧『コミミズク』【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田上

寒波の到来で、あまり雪が降らない九州の平地にも雪が降りました。沖縄本島では観測史上初の降雪だとか!・・時を同じくして八重山の島めぐりをしていた私なのですが、出会ったおばぁが「寒すぎて生きていけないよ」と嘆いていました(o;) 初雪を降らす程の寒波だったので、おばぁももちろん初めての寒さだったのでしょう。

もちろん阿蘇山も雪景色ですよー!

 

さて、今回のいきものリレーでは、冬の阿蘇の草原にやってくる猛禽 コミミズクを紹介します。

この寒さをむしろ「暖かい!」と感じて、遠く北の大陸から越冬のために飛来してくるフクロウの仲間で、漢字で書くと『小耳木菟』と書くようです。漢字から想像してみると、小さい耳があるような・・「菟」はウサギを表す字で、木に棲んでいる?・・なんとなく姿が想像できるような、できないような(「木菟」と書いて羽角(耳のように見える部分)を持つミミズクを表すようです)。

実際の姿はコレです↓↓

 撮影:井上欣勇様

あまり目立ちませんが、頭のてっぺんくらいに左右に羽角があるのです。

顔には白い縁取りがあり、顔面がハッキリと見えすぎていてちょっとユニーク♪

 

 撮影:有馬宏幸様

羽を広げると1mにもなり、飛んでいる姿は「丸太をぶった切ったような」とよく表現されます!うん、確かにそう見えるっ!

阿蘇では日が傾く15時頃から飛び始めて、ネズミを狩る様子が見られるようです。

・・・どうしても本物を見たくて、昨年の冬、今冬とチャレンジしていますが・・私はまだ見れていません(+_+)なので写真は、お借りしました。

2月、3月もあるので、まだまだ希望は捨てずにチャレンジしたいと思います!

 

そうそう、阿蘇ではフクロウをモチーフにしたクラフト作りがあるんですよ(^^)しかも、草原のススキやドングリの帽子など阿蘇の素材です。

秋頃に子ども達への草原学習などで、みんなで作ったりします。ふわふわでかわいいでしょ☆

冬の阿蘇だからこそ観察することができるいきものの姿がたくさんあります。特に冬鳥はたくさんいますよ~!暖かい格好で阿蘇へおいで下さい♪

☆観察する時は、近づき過ぎないように。そして、草原の木柵やゲートを越えないようにお願いします。

 

次回のいきものリレーは対馬の山口アクティブレンジャーです♪お楽しみに~☆

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2016年01月28日約50年ぶり!草千里で野焼き復活

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

 先日は九州各地で積雪となり、凍結などで水道管破裂による断水などで、生活に支障が出ているようですが一日も早く復旧されるように願っています。阿蘇では降雪はそれほどなかったのですが、朝方は氷点下10℃は越えたようで、日中の気温も上がらず寒い日が続きました。道路なども普通に見えても凍っていたりするので車の運転等も気をつけてくださいね。

 

 

 阿蘇山の草千里ヶ浜にて、1968年以来約50年ぶりに野焼きが再開されることになり、『草千里草原再生開始式』が平成28年1月23日(土)草原保全活動センター内草原学習館にて執り行われました。

野焼き再開については、熊本県や阿蘇市、牧野組合、(公財)阿蘇グリーンストックなどで作る草千里野焼き実行委員会が主催。式典にて、蒲島知事や実行委員長の阿蘇市の佐藤市長、牧野を代表して黒川牧野の西岡組合長から草原再生に向けて熱い意気込みが語られました。

 

 

開始式の様子

 

 

集合写真

 

 

 阿蘇での野焼き再開としては4例目となりますが、草千里は阿蘇を代表する観光地のひとつで、草原に入って楽しめる貴重な場所(※)でもあります。道向かいには阿蘇火山博物館やレストハウスなどが建ち並んでおり、多くの観光客が訪れます。(※他の草原は地元の方が管理しており、無断で入ることはできません)

 

★著名な方も草千里を訪れています★

 烏帽子岳の裾野にある草千里は、約2万7千年前に噴火した場所で、2つある水たまりの西側が最初の噴火の火口跡で、東側がその後溶岩ドームを吹き飛ばした時の火口跡になります。山頂から見下ろすと「人の顔」のようにも見え、芸術家の岡本太郎氏が「太陽の塔」を制作する時のモチーフにしたという話しも聞かれます。

 

 また、平成26年5月、宇宙ステーションから帰還された若田光一さんが、九州上空を飛行された時に「阿蘇の草千里のそよ風がとても恋しく感じられます。」とのコメントも残されています。

 

 余談ですが、私も幼い頃、学校の遠足やピクニックに行き、草原を駆け回ったりボール遊びをして転んで泣いた思い出があります( ̄∇ ̄)。

 草千里の情景はいろいろな方の記憶に残っているんですね。

 

 

顔に見える?(撮影20138月)

 

 


草千里西側の草原(撮影2013年5月)

 

 

 草千里は、複数の牧野で管理されており、牧野間の理解と協力が必要となります。ひとつの牧野が野焼きをやめたら他の牧野もできなくなるのです。近年、高齢化や担い手不足により、野焼きを続けることが難しい、または止めてしまった牧野が増えてきました。そこで、人手不足を補おうと県や市町村、野焼きボランティアなどの多くの協力を得て再生事業に取り組み、今年度は草千里一帯75ヘクタール中の北側30ヘクタールで、2月中旬頃に野焼きが行われる予定です。野焼きが景観維持にもたらす効果についても調査されるそうなので、とても興味深いです。

 

 人の手が加わることで成り立っている「二次的自然」の阿蘇の草原を私たちの手で再生して、それを後世に伝えていきましょう!♪

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