2015年7月29日
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2015年07月29日地元中学生の職場体験(草原学習館との連携) 【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田
早朝に子どもたちがラジオ体操のために集まっています。それを見ると「あ~夏休みだ~!」と実感します。日中は、夏らしい日差しが照りつけるようになりましたが、阿蘇は朝晩涼しいです。そんな「阿蘇」に涼みに来られませんか?
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草原保全活動センター内の草原学習館と連携して、職場体験で阿蘇市内の中学2年生4名を、受け入れました。「自然がスキだから」「環境に興味があるから」と、ここを選んでくれた彼らにスタッフ一同気合いが入りました。
初日、午前中は、草嶋レンジャーから国立公園やレンジャーの仕事、私から阿蘇の草原の基礎知識などについてレクチャーしました。子どもたちからも、「なぜこの仕事を選んだのですか?」「やりがいはありますか?」「きついと思うことはありますか?」など、するどい質問が出ていました。
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期間中はお天気に恵まれたので、草原に出向いて作業を手伝ってもらいました。まずは、翌週に予定している地元小学生の草原学習の下見に行ったり、阿蘇グリーンストックが管理しているトラスト地で昔ながらの大ガマを使った草刈りをしました。
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4日目は環境省の委託事業で出している牧野調査に加わり、「植物の植生調査」、「フィールドサインを見つけよう!」、「地名を確認」など3つの班に分かれて行動。フィールドサイン班は、キツネやテンなどの小動物の糞やシカの足跡、イノシシの食害などが見られました。動物の通り道と思われるところ2ヶ所に定点カメラを設置し、一定期間の撮影を行います。ずーっとカメラが回っているものではなく、センサーのエリア内に入った動物を感知して自動撮影されるもので、カメラや装置に興味津々。取り付け作業は、率先して手伝っていました。
草原は夏の花の「ユウスゲ、アカショウマ、オカトラノオなど」が花盛り。それらに飛んでくるチョウチョや昆虫も多く見られました。チョウチョの名前には「○○シジミ」が多くついていることに驚いたり、すばしっこい「ハンミョウ」を捕まえては、鮮やかな色合いに驚いたりと発見の連続だったようです。
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最終日の5日目は、ジェットシューター(野焼きの時に延焼を防ぐために使う背負い式放水器具)を使って、ウッドデッキの掃除のはずがいつのまにか・・・、服がビチョビチョに・・。
「いっっちばん楽しかった」と満面の笑みで話す子どもたち。そうでしょうね~~( ̄∇ ̄)。デッキはきれいになったからいいかな・・・。
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さて、最終日には「館内案内のテストをする!」という課題を出していたのですが、少しの時間でも館内スタッフに指導を受けながら練習していたようです。役割分担をして丁寧に楽しく案内してくれました!返事も元気がよくて、よく動いてくれる子どもたちでした。
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後日、お礼の手紙が届きました。「何気なくそこにあるものだと思っていた草原が、実は危ないと知りました。」「草原を守りたいという気持ちで一生懸命作業されてる姿が印象的でした。」「草やあか牛を使うことで草原を守ることができることを知り、ぼくにもできることを探してできるだけ多くの草原を守っていきたいと思います。」などの感想をくれました。 中には「ここに就職したい!」という子も・・・、いつでも待ってるよ!!
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彼らの中には、小学生の時にススキを使った卒業証書つくりなどの草原環境学習で学んだ子もいて、出前講座に出向いて伝えてきた成果!?草原や環境に興味を持ってくれたきっかけ作りに貢献できてるかも?と思うと、やりがいもひとしお!こうして続いていくといいな~~!
毎年環境省主催で行っている、スノーケルを使った海の観察会、海の自然教室in真栄里と題して、7月18日(土)に開催しました!
当日参加者は13名(親子4組、中学生4名、一般1名)となりました。
今年は午前中に室内学習、午後から班に分かれて、スノーケルの観察を行いました。
始める前に、ちょっとしたゲームを行い、緊張している心と体をほぐしてから学習開始。
まずは生き物クイズ!
今回こんなクイズを出題してみました(^^)
みなさんはどれくらい答えられますか?
▲生き物クイズ
ヒントがないと分からない!ということで環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターの中にヒントを隠し、参加者に探し出してもらいました。
子どもも大人もセンター内を探し回り、「ヒントはどこだ~」と必死に探していました。
クイズの後、海に入る際の注意事項を説明してから、お昼休憩。
休憩中には、生き物をどれだけ見つけられるか、耐水性のビンゴを作成し、ビンゴの枠の中に見たい生き物を描いてもらいました。
▲生き物ビンゴ
作成したビンゴシートを持って、いよいよ海へ!
▲参加者とユビエダハマサンゴの群落
ビンゴに描いた生き物を見つけようと、参加者もスタッフも一生懸命探しました。
すると、班のリーダーをお任せしていたパークボランティアの方が、クモガイの仲間を見つけました。
このクモガイ、なんと手の上に乗せるとピョンっと跳ねて、海の中に帰っていったそうです。生き物にはいつも驚かされるばかりです...。
▲クモガイの仲間
そして閉会式。ビンゴの結果を参加者に尋ねると、なんと全員ビンゴ!
中には全部ビンゴしたという参加者もいたほどで、みなさん景品を手に満足そうにして帰って行きました。
真栄里海岸は街にとても近い海です。しかしこれだけ多くのサンゴや生き物たちも生活しています。
私たちの暮らしているすぐ近くに豊かな自然が存在していること、そしてその自然に興味を持ち、好きになってもらうことから自然保護は始まると思います。
スノーケルが初めてだった参加者も、そうでない参加者も、今回の観察会を通じて、海との距離を縮めるきっかけとなってくれれば幸いです。
夏休みもまだ始まったばかり。
みなさまも是非夏休みの思い出作りに、海に足を運んでみてください。
※海に入る際は、必ずルールを守り安全に楽しみましょう。