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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2014年9月10日

3件の記事があります。

2014年09月10日盛りだくさん!サンゴの海の自然観察【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

 こんにちは。石垣自然保護官事務所の春口です。アクティブレンジャー日記を書かなければと思いながら、気がつけばもう9月。すっかりご無沙汰してしまいました。
 毎年恒例となっているスノーケリングでの観察会、「海の自然教室」を今年も開催しました。パークボランティアの皆さんのご協力をいただき、7月には22名、8月には14名の方を海へと案内しました。この日記では8月の行事についてご紹介します。

 8月16日(土)に『「海の自然教室(米原)」&「わくわくサンゴ石垣島プロジェクト」共同体験会』を開催しました。「わくわくサンゴ石垣島」は石垣島内の小学生にサンゴ学習を提供するプロジェクトで、これまでも小学校への学習提供や普及啓発イベントで協力をいただいています。(これまでに協力で行った取り組みの一部を過去の日記で紹介しています。ぜひご覧ください。)
 この観察会は二者との共催行事とし、午前と午後の二部構成で行いました。午前の部では共催団体のひとつであり「わくわくサンゴ石垣島」の構成団体、八重山漁業協同組合サンゴ養殖研究班による養殖サンゴの苗作り体験です。まずは大きなサンゴ水槽の中にいる生き物探し、次にサンゴの拡大写真から同じサンゴを探し出すなどゲーム形式でサンゴの注目を高めていきます。その中でサンゴの生態に関する知識を身につけた後、養殖サンゴの苗作りに挑戦しました。切り分けられた枝サンゴを特殊なボンドで土台に固定し、水槽に移し替えます。
 今回作ったサンゴの苗はしばらく水槽で飼育し、それから海で養殖が行われます。自分の作った苗がしっかり成長してほしいと願う子どもたちへ向けて、養殖班のみなさんから「サンゴが育つにはきれいな海が必要。自分たちの植えたサンゴのためにも海を大切にしてください。」とメッセージをいただきました。



左上:サンゴ水槽の生き物探し。大きな水槽の中にいる生き物たちを探します。
右上:拡大写真から同じサンゴを探し出します。特徴をしっかりと捉えないと大人にも難しいかもしれません。
左下:いよいよ苗作り体験。このときばかりは子どもたちも静かになります。
右下:作った苗を水槽へ。これからの成長が楽しみですね。


 午後からは海域公園地区に指定されている米原海岸でのスノーケリング体験「海の自然教室」です。米原海岸にはキャンプ場が整備されており、トイレやシャワー室といった施設があります。海の自然教室は昨年度からキャンプ場を管理する石垣市の施設管理・すぐやる課との共催行事として実施しています。
昼食を摂り、参加者の皆さんが集まったところで午後の部が始まります。午前中のサンゴの苗作りを通して参加者と海の距離がぐっと縮まり、子どもたちはみんな海に入りたくてしょうがないといった様子でした。海に入る前に注意事項を説明したら、ここからはパークボランティアの皆さんの出番です。大まかなルートをあらかじめ決めて、その中で見つけた生き物を観察していきます。午前中の水槽にはいなかった形や色の違うサンゴ、カクレクマノミとイソギンチャク、星砂を作り出す有孔虫など様々な生き物を見つけてはパークボランティアさんからの解説を受けてもらいました。初めてのスノーケル体験に緊張気味だった子もすっかり泳げるようになり、海に入ってからの1時間はあっという間で充実した活動となりました。




左上:この平たい生き物もサンゴの仲間。少しだけ手にとって観察してみました。
左下:シコロサンゴの間を抜けていきます。隙間からスズメダイが顔を出しています。
右上:マイクロアトールで休憩中。何か見つけたようです。そっと覗いてみると・・・
右下:ワニゴチという魚でした。魚なのに、泳ぐのは苦手なようです。


米原海岸は島の人もよく利用する場所です。私自身もよく両親に連れて来てもらっていましたし、石垣市の担当の方もお子さんを連れて泳ぎに来ていたと教えてくれました。これからはご家族でも海へ出かけてもらいたいと投げかけ、無事に行事を終えることができました。
 今回の活動は「わくわくサンゴ石垣島」との共同体験会としたことでこれまでにない取り組みとすることができました。海の中では魚に注目が集まり、見落としがちになってしまうサンゴにしっかりと注目してもらうことが出来、サンゴ礁の海で行う自然観察会としての意義がいつも以上に深まったと実感しています。このような機会や米原という場所を通して、島の大勢の子どもたちと保護者の皆さんに海の豊かさと大切さを感じてもらえればと思います。そして石垣島の自然を大切にする心を持ち、将来にわたって見守ってくれることを願っています。

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2014年09月10日学生実習 交通事故対策【対馬地域】

対馬 アクティブレンジャー 竹澤

先日、対馬野生生物保護センターで学生さんを対象に、野生動物保護の現状を実際の活動を通して学び、次世代の担い手となってもらえるよう、学生実習を行いました。

その中でセンター職員はそれぞれが担当についてレクチャーや、作業などにより、学生さんに業務の紹介を行いました。
私は交通事故対策担当としてレクチャーを行い、ツシマヤマネコの交通事故の現状やその発生要因、センターと関係各所が協力して行っている対策などについて、学生さんに知ってもらいました。




その後、昨年10月に事故の起きた現地に赴きました。
この事故現場はヤマネコの生息が確認されていた湿地の脇で、事故に遭ったのはこの湿地周辺に定着していたと思われる成獣のメスでした。

実際に現場検証を行い、どうして事故が起きたのか、現場では実際にどういう要因が見られたかなど、自分自身で歩き、探して貰いました。
皆さん、ヤマネコの側、運転手の側、それぞれの立場に立って考えてくれました。



その後、湿地脇で道路のすぐ側まで生えていたヤダケや雑草を、地域の方々にお手伝い頂き、ドライバーの視野の確保とヤマネコの飛び出しを防ぐため、1mほど刈り込みを行いました。
1時間半ほどの作業で、みんな汗びっしょりになりながら、頑張ってくれました。



事故の現状やなぜ事故が起きるのかを学び、実際の現場を見て、普段、何気なく生活している中では気がつかない危ない場所があることに、改めて気がついてくれた学生さんも多かったようです。

先日、夜には別の田んぼで今年生まれのヤマネコと思われる若いヤマネコを見かけました。
彼らが独り立ちする秋から冬は交通事故が増える季節です。
250日を越えた無事故記録が更に伸びるよう、対策が求められる季節です。
どうぞ運転の際には、人間以外の小さな命にも思いを馳せて頂ければと思います。

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2014年09月10日「国立公園指定80周年記念写真展」始まりました!【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 田上

空の高さ、空気の澄んだ感じ、ススキの穂・・・阿蘇はすっかり秋を迎えています。



さて、今年は阿蘇くじゅう国立公園指定80周年の記念の年であり、記念事業実行委員会の事業の一つ『阿蘇くじゅう国立公園指定80周年記念写真展~風景から見た時代の歩み~』が菊池市からスタートしました!

80年の節目に阿蘇くじゅう国立公園に関する古い時代(主に昭和初期から昭和50年代)の景観や農耕風景、観光、登山などを中心に写真を集め、写真展を開催しています。
※ご提供して下さった方々、ありがとうございます。



阿蘇地域から20点、くじゅう地域から20点を選出し、全部で40点と限られた枚数ですが、とても興味深い写真が幾つもあり、現在の風景と比較しながら見ていくと、さらに驚きや感動があったりします。
80年の歴史をふり返り、時代とともに変わった風景~変わらぬ自然を感じていただき、国立公園の根本にある自然や景観の保全と活用について、考えるきっかけになれば幸いです。
※感想ノートも置いていますので、感じたことなどいろいろお書き下さい♪

記念写真展は熊本県・大分県と関係する15市町村を以下の日程で巡回展示します。


(画像をクリックすると拡大できます。)

観光案内所はもちろんですが、公民館や温泉施設、役場など、阿蘇くじゅうの地元の方々も足を運びやすい施設での展示もありますので、是非お立ち寄り下さい♪

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