九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
1件の記事があります。
ページ先頭へ↑
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園、奄美群島国立公園があります。
訓練施設「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」を建設し、
野生復帰訓練の準備を進めています!
日本での人工繁殖によって生まれた個体の野生復帰は、
トキやコウノトリが前例としてあります。
しかし、哺乳類では前例がなく、
ツシマヤマネコが日本では初めての取り組みとなります。
現在、ツシマヤマネコ野生順化ステーションでは、
広く柵で囲われたケージが建てられ、その中に対馬の自然を再現し、
ヤマネコの餌となるネズミや昆虫など多くの生き物を呼び込むための
「造りこみ」を始めたところです。
この「造りこみ」の作業を地元の対馬市立豆酘(つつ)中学校の
生徒のみなさんと行いました。
当日、A班・B班、2つの班に分かれ作業を行いました。
A班は、ケージ内に対馬の草原を再現するために、
在来植物の移植作業を行いました。
また、在来植物を掘り出した草原で、昆虫をつかまえて
対馬の草原にはたくさんの生き物が生息していることを
実感してもらいました。
B班は、ヤマネコがネズミを狩る練習をするための場所となる
「ハンティングボックス」の造りこみを行いました。
ヤマネコが自然の中で狩りをする姿を想像し、
ヤマネコやネズミの視点に立って、
どのような訓練をすればヤマネコが自然の中でも
狩りをできるようになるのかを考えながら、造ってくれました。
対馬の自然を再現することの大変さを、
身をもって体験した豆酘中学校のみなさん。
力仕事も多く、一日がかりの大変な作業でしたが、
「今日はここに泊まって作業を続ける!」、「明日も来ていい?」
という声があがるほど楽しんで作業してくれました。
感想を発表してもらうと私たちが伝えたかったことが、
しっかりと伝わっていることがわかりました。
楽しみながら、学べるって素敵なことですよね!
子供たちは元気いっぱいでキラキラしていて、
私たちもたくさんの元気をもらいました。
次回、豆酘中学校のみなさんが、
ツシマヤマネコ野生順化ステーションを訪れるのは、9月です。
それまでに、どれくらいの植物が増え、生き物がやってきているのか楽しみです。