九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園、奄美群島国立公園があります。
ミヤマキリシマの花の時季が終わり、平日のくじゅうの山は登山者も少なく、生き物たちがのびのびと自然の中で活動しているように感じます。
さて、以前、平治岳(ひいじだけ)のミヤマキリシマ保全計画についてお伝えしましたが、先日、九重・飯田高原観光協会と協力し、被圧木の除伐作業を行いました。
今回は、平治岳の山頂周辺で作業を行いました。
チェーンソー班と手ノコ班に分かれて、ミヤマキリシマを覆っているノリウツギを伐っていきます。
上の下部の写真は、被圧木を伐る前と伐った後の状況です。
散髪した後のようなすっきり感がありますが、覆われていた範囲のミヤマキリシマが枯れていることが分かります。
ここで一枚の写真を見てください。
な、なんと!
以前、被圧木を伐った場所で、一度は枯れたように見えていたミヤマキリシマから新芽が出ていました!
これを見て、ミヤマキリシマの生命力の強さにホッとしましたが、一方で夏前に除伐されたノリウツギを見てみると…
なんという萌芽力でしょうか! ひこ生えがミヤマキリシマを覆い尽くしています。
そして、雑草のような成長力! 驚愕です!!
これではミヤマキリシマを守ろうと除伐しても、ノリウツギの「雑木魂」の返り討ちにあってしまいます。
まさに、継続的かつ効果的な保全が必要ですね。
人間が自然を支配することはとてもできないと実感しました。