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対馬野生生物保護センター

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つしまる

 2003年12月9日、対馬野生生物保護センターで飼育されていたツシマヤマネコが一般公開されました。2000年に保護され、検査でネコ免疫不全ウィルス(=FIV、いわゆるネコエイズウィルス。人間に感染することはない)に感染していることが判明し、野生復帰を見送りセンターで飼育されていたヤマネコです。
 その後、センターの来館者から名前を募集し「つしまる」という名前で親しまれることになりました。

2000年当時のつしまる

つしまる1

 2000年12月20日、上県町佐護友谷の鶏小屋に仕掛けられた箱ワナに一頭のツシマヤマネコがかかり、センターに保護され、その後の検査でFIVに感染していることが判明しました。
 FIVはイエネコから感染した可能性があるとされ、ケンカによる噛み傷などにより感染が拡大するため、感染が確認されたヤマネコはもう自然に戻すことはできません。
 当時は、センターにはヤマネコを飼育する施設がなく、写真のようなケージでずっと飼育されていました。

飼育舎

つしまる2

 2003年11月、上部は金網で覆われ、雨や風が入り、日光が降り注ぐような飼育舎ができました。寝室も設けられ、室内・外を自由に利用することができます。

つしまる3

 雨に打たれて大丈夫だろうか、雨よけも作ったほうがいいのかも・・・。
 そんな職員の心配をよそに、雨の中でさらに活動的になるつしまるの様子に、野生のツシマヤマネコも雨の日にエサを求めて活動的になるのではないかと想像させられます。飼育舎に放たれたつしまるの眼光は鋭くなり、ボサボサだった毛並みは艶やかさを取り戻しました。
 長い間世話をしてきた職員も、これが本来の姿だったのだ、とはじめて気が付きました。

つしまる4

 わずかな期間に貫禄さえ漂わせはじめたつしまるの姿です。
 額から背中まで続く白黒の縦筋模様と、耳の裏側の白い斑点(虎耳状斑=こじじょうはん。野生のネコ属に特有の模様で、イエネコと見分ける際の決定的な決め手になります)がヤマネコの特徴です。

つしまる5

 飼育ケージと通路は、特殊な加工をしたガラスで隔てられ、つしまるからはこちらは見えないようになっています。ただ、気配や音などは敏感に感じ取っていました。

つしまる6

 最近のつしまるには、職員もほれぼれとしてしまいます。  ちなみにつしまるのデータは、  性別:オス、年齢:不明(成獣)、体重:約3.5kg、体長:82cm、尾長:28cmです。

つしまる7

 お気に入りの木の上でポーズ。この木は、ボランティアの方が探してくれました。

つしまる8

 午前中はケージ内を歩きまわったりこちらの気配に興味を示したりすることも多いのですが、午後からはお昼寝タイムです。毛づくろいをして身だしなみも整えます。

つしまる9

 「う〜、眠くてたまらんばい」

 つしまるは、2007年1月30日までセンターで、訪れた人にツシマヤマネコの存在をより身近に感じ、ツシマヤマネコ全体が置かれている厳しい状況に関心を持っていただくために一般公開されました。
 体調を崩して一般公開から引退し、センターで治療を受けて、かなり調子がよくなることもありましたが、2007年6月4日に亡くなりました。
 亡くなった後の検査では、エイズ症状は起こしていなかったと考えられました。

ネコ免疫不全ウイルス(FIV)について

 感染後、数ヶ月から数年間(ウィルスキャリア期)は無症状で過ごし、発症すれば、慢性的な呼吸器疾患、消化器疾患、皮膚疾患など様々な疾患が原因となって死亡するが、発症しないまま寿命を迎える場合もある。FIVは、咬み傷により感染し、交尾や出産等通常の接触で感染する可能性は極めて低いとされている。発症すると現在のところ治療法はなく、感染の予防は主に感染しているネコとの接触を避けることである。