対馬野生生物保護センター

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とらやまの森第4号

 

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対馬の動物紹介シリーズその4


対馬のカラス

ハシブトガラス/ハシボソガラス 【嘴太鴉/嘴細鴉】 スズメ目カラス科 
学名 Corvus macrorhynchos / Corvus corone

ミヤマガラス/コクマルガラス 【深山鴉/黒丸鴉】
学名 Corvus frugilegus / Corvus dauuricus

 私は子供の頃に、マンガやテレビの影響で「カラスは不吉な鳥だ」と思い込んでいて、カラスが大群で飛んでいるのを見ると逃げるように家に帰っていました(カラスは繁殖期以外は群で生活するのが普通)。そこで、今回は対馬にいるカラスについて少し紹介したいと思います。

 一年中あちこちの電線などにとまって「カァーカァー」と鳴いているくちばしのぶっといカラスは、ハシブトガラスです。雑食性でなんでも食べます。よくトビを追い回しているのを見かけますが、ハシブトガラスはタカ類などを見つけると追う習性があるのだそうです。ハシボソガラスも一年中見ることができますが、これはハシブトガラスよりも少し小さい体をしていて、名前の通りくちばしが細く、「ガーガーガー」としわがれた声で顔を前に突き出して鳴きます。

 そして、11月頃に大陸から渡ってきて3月頃まで対馬で越冬するカラスに、ミヤマガラスとコクマルガラスがいます。よく一緒に群を作っているこの2種の鳥を、対馬では、まとめて「チョウセンガラス」といい、チョウセンガラス達が来ると「冬が来た」という実感が湧いてきます。

 ミヤマガラスは、ハシボソガラスよりもちょっとだけ小さくて、もっとしわがれた声で「ガァー」と一声鳴きます。1羽が飛び立つと群全体が飛び立って「ガァー」と鳴くのでけっこううるさいです。コクマルガラスはというと、他のカラスと比べるとかなり小さく、暗色型と淡色型がいて、暗色型の方は他のカラスのように黒光りしていますが、淡色型の方は少し変わっていて、白と黒でパンダのようなカラーリングをしており、鳴き声も「キュ」とカラスとは思えないような声で鳴きます。

 対馬野生生物保護センターに来る途中の佐獲平野に広い田んぼがあって、そこにも毎年チョウセンガラスが来ています。種類を見分けたり、数を数えたりしてみるのも面白いと思います。

越冬場所(耕作地)別の生息

調査日 町名 場所 ミヤマガラス コクマルガラス
(成鳥)
コクマルガラス
(幼鳥)
合計(羽)
1998.1.11 上対馬 舟志 5 0 0 5
1.11 上県 佐須奈 129 0 0 129
1.11 上県 友谷 142 0 10 152
1.11 上県 井口 737 20 16 773
1.11 上県 仁田ノ内 169 1 0 170
1.10 上県 志多留 217 0 0 217
1.11 上県 瀬田 133 8 2 143
1.11 上県 飼所 116 0 0 116
1.11 田志 20 0 0 20
1.11 中里 64 1 1 66
1.11 大久保 140 5 10 155
1.11 志多賀 32 0 0 32
1.11 佐賀 66 0 0 66
1.10 吉田 12 0 0 12
1.10 豊玉 133 0 0 133
1.10 豊玉 大綱 134 0 0 134
1.10 豊玉 佐保 177 0 1 178
1.10 豊玉 122 0 0 122
1.10 美津島 根緒 137 5 3 145
1.11 美津島 小茂田 143 0 2 145
1.15 厳原 椎根 140 0 0 140
1.15 厳原 豆酘瀬 140 0 0 140
1.15 厳原 豆酘 190 0 0 190
1.15 厳原 豆酘内院 110 0 2 112
合計(羽) 3,408 40 47 3,495

厳原町立大調小学校(97年度当時) 教諭 馬田勝義先生調べ


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