対馬野生生物保護センター

ホーム >> 報告書・資料・パンフレット >> 過去のセンター活動 >> センターの活動報告(2007年) >> 2007年8月のヤマネコニュース

2007年8月:ツシマヤマネコの対馬の下島における調査状況

ツシマヤマネコの対馬の下島における調査状況

投稿者:環境省・長崎県 投稿日:2007/08/23(Thu) 15:13 No.153

 長崎県対馬の下島において、平成19年3月2日にツシマヤマネコが昭和59年以来23年ぶりに確認されたことを受け、引き続き長崎県が実施していた調査で、8月7日にツシマヤマネコが撮影されましたので、お知らせします。

1.調査方法
 平成19年3月2日に対馬市厳原(いづはら)町の内山(うちやま)周辺でツシマヤマネコが確認されたことを受け、引き続き長崎県が同一箇所(3地点)で自動撮影カメラを設置し、カメラの前を通過する生物の撮影を行った。なお、カメラの設置は平成19年1月17日から開始し、現在も継続している。

2.調査結果
 撮影場所:対馬市厳原町の内山周辺
 撮 影 日:平成19年8月7日
 写真枚数:2枚(ツシマヤマネコが撮影されていた枚数。3地点に設置したカメラのうち、2地点のカメラで撮影された。)

3.結果の評価
 今回撮影された個体は、体の模様から、3月2日に撮影された個体と同一である可能性が高い。撮影された個体の状況から、3月に撮影された時点から引き続き、栄養状態は良好と推測される。約5ヶ月ぶりの確認となるが、当該個体は、撮影された地点の周辺になわばりを持ち、定住している個体であることが推測される。今後、関係行政機関、専門家、地域住民等の協力を得て、更に調査を継続していく予定。

4.その他の調査の状況
 対馬の下島において痕跡調査を実施している。平成19年5月15日から現在までにツシマヤマネコの糞の可能性があるものとして回収した51個の糞について、長崎県環境保健研究センターにおいてDNA分析による種の判別を実施した。その結果、平成19年5月23日に自動撮影カメラの近辺で回収した1個の糞で、ツシマヤマネコとツシマテンの両方の反応があった。
 この両方の反応があった糞は、ツシマテンと判別された糞と極めて近い場所に落ちていたことが確認されているため、ツシマテンの糞が自然の状態で混ざり、分析されたものと推測される。