対馬野生生物保護センター

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2005年12月:センターの活動日誌・木村

2005年12月の活動

棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:10 No.870

今月のお散歩観察会は「棹崎の赤道を歩く」でしたが、生憎の天候のため中止となりました。
しかし、せっかくなので観察会の下見に行った時の様子をお伝えしたいと思います。

まず「赤道」とは何か、「せきどう」ではありません。
ご年配の方なら普通に会話の中で使われるかもしれませんが、私は最近まで知りませんでした。

「赤道(あかみち)」とは、道路法の中で取り扱われない小さな路地やあぜ道、山道などのことです。公的な地図上では赤色で示すことが義務付けられていたため、赤線(あかせん)、赤道(あかみち)などと呼ばれることになりました。

←こんな道です。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:14 No.871

今回はセンターを出発し、この地図上の点線部分(尾根上)の道を歩いてゴールの磯まで向かいました。
なぜゴールをここにしたかと言うと、以前から
「センターより南へ下った場所に舟でしか行けない(本当はそんなこと無いですが)平地があり、昔はそこに人が住んでいた」
という情報を聞き、一度行ってみたいと思っていたのです。

ちなみに後から、「この地図に載っている道なら、『赤道』ではないのではないか?」と気付きましたが、道というものは人が使うから道なのであって、この地図が示す点線も、既に道が在って無いようなものでした・・・。本物の赤道はおそらくもう殆ど残っていないのではないでしょうか。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:16 No.872

途中、尾根の天辺に人が暮らしていた跡のようなものがありました。
そんな「人工物」を見ると、昔は本当に道だったんだろうなーと感じます。

さらに進むと、目的地の平野が見えてきました。
「平野」と言うからには小鳥やタカの仲間など、野鳥がたくさんいるのではないかと野鳥愛好家としては期待に胸膨らませていたのですが、双眼鏡で平野を見下ろすと何やら一面黄色く見えます・・・。
一抹の不安が頭を過ぎります。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:19 No.873

気を取り直して進んでいったのですが、途中で道を外れたらしく、もともと在って無いような道が、岩肌急斜面の登場で本当に無くなってしまいました。もう平野も間近なところだったので、仕方なく斜面を滑り降り谷筋から入ることに。

谷から平野に出たところには、昔家が建っていたであろう、キレイに整地された空間がいくつか見られました。

しかし、ここからが大変!育ちに育ったメダケ群落(一面黄色の正体)が全てを飲み込み、海岸へ出るまでにネコが通れる隙間もありません。仕方なく山際に沿って海岸まで進むのですが、今度はイノシシの糞だらけ!中にはホカホカのものや、乾燥しきっていない尿の跡まで・・・あまりの多さに少し怖くなって、歌を歌いながら歩きました。これがまた、歩くなんて生やさしいものでもなく、道なき道を密な木の枝を掻い潜りながら、イノシシの糞をよけながらの道のりでした。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:22 No.874

やっと海岸へ到着! ありました! 既に朽ち果てた家が!

本当にこんなところに人が住んでいたんですね〜。

手前に詰れた石は風除けの石垣です。
本当に風の強いところでした。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:25 No.875

海岸植生はこの通り、みな北西から吹きつける海風に流されています。

そしてこんな密な状態で木が生えているので、既に自分がどこから出てきたのかもわかりません。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:28 No.877

帰りは海沿いに帰ろうと思っていたのですが、断崖に阻まれそれも適わず・・・。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:32 No.878

帰り道を探して砂利浜を数往復。

すると、沖から舟が近づいてきます。

咄嗟に身を隠す私。
(なぜなら以前密航者に間違われたことがあったので)

舟はそのまま通り過ぎていきました。

気を取り直して、少し南下したところにある沢から再び森の中へ入り込み、尾根沿いに帰路へとつきました。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:34 No.879

途中疲れたので尾根上で大の字になって寝ていると

「カサッ カサッ カサッ」

何かが近づいてきます。

休憩していた周辺もイノシシの痕跡が多数あったので、慌てて起き上がると目の前にはツシマテンが。
向こうもびっくりした様子で、咄嗟に四本足でリスのように近くの木の幹にしがみついていました。
テンは振り返り、肩越しにこちらの様子を伺っていましたが、写真を撮ろうとすると木から下りて去っていきました。

Re: 棹崎の赤道を歩く

投稿者:木村 投稿日:2005/12/26(月曜) 21:38 No.880

そこからしばらく歩くと、道らしい道へ到着。
往路で見た海には、既に夕日が射し始めていました。


色々と大変な思いもしましたが、その分思いがけない発見や出会いも多い1日でした。
林道でも遊歩道でも登山道でもない「赤道」。とっても魅力的な道でした。

喰うか喰われるか・・・!!

投稿者:木村 投稿日:2005/12/05(月曜) 18:37 No.853

先ほど、棹崎公園を歩いてきたのですが、途中森の中からものすごい声が聞こえてきました。

「コーッ!     コーッ!    コーッ    コー・・・    コ・・・     コ・・    コ      」

このニワトリのような声はおそらくコウライキジ。
腹の底から絞り出すような・・・断末魔でした。

すぐに声のした方向へ行ってみたのですが、痕跡すら見つかりませんでした。
かわりに、食べられた鳥の残骸がいくつか見つかりました。
きっとヤマネコのエサ場になっているのでしょう。

もしツシマヤマネコがトラほども大きかったら、「次は自分の番」なんてホラー映画さながらの恐怖だったのでしょうが。
ツシマヤマネコ、小さくてよかった。

今日の棹崎の海は、そんな荒々しい自然の摂理を表しているかのようでした。