対馬野生生物保護センター

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2004年3月:第14回自然教室・棹崎公園・春の植物観察会

2004年3月の活動

 3月21日の日曜日、対馬野生生物保護センター近くの自然観察道を利用して、「棹崎公園・春の植物観察会」が開催されました。あいにくの曇り空でしたが、20名を超える参加者が集まり、のんびりと野歩きを楽しむことができました。
 講師は、上対馬町豊(かみつしままち・とよ)小中学校の校長先生でランの専門家の國分英俊先生です。
 この遊歩道は今後も自然観察会のコースとして使用し、1年を通して動植物の観察を行っていく予定です。

レクチャールームにて

 まずはセンターのレクチャールームで、センタースタッフから説明を受けていただきます。
 野外でのイベントを楽しく行うためには、ケガや危険な生き物(スズメバチやツシママムシなど)に対する注意も必要です。

レクチャールームにて

 次に、國分英俊先生から今回の観察会の趣旨を説明していただきました。
 國分先生の観察会はいつも大人気です。

センターへの道で

 屋外に飛び出し、身近な野の花などを観察しています。
「気持ちいいね~」
「デスクワークはもう飽きたぞ~」

棹崎公園にて

 ゲンカイツツジとコバノミツバツツジの違いについて解説中の國分先生です。
「えっ、全部ゲンカイツツジだと思ってた!」

 春は野鳥の渡りの季節です。対馬は渡りの中継地であるため、たくさんの野鳥を観察することができます。
 ヤツガシラやヤマショウビンなど、野鳥愛好家の憧れの野鳥も見れるかも?

 アスファルトの隙間に、春を代表する野草のひとつであるスミレが咲いていました。
「色が濃くて綺麗ですねえ」
「毎年咲くんですが、発見するたびに嬉しくなりますね」

 遊歩道への入り口です。
「よっこらしょー」

 白いスミレを発見。コスミレでしょうか?

 山腹から韓国方向を見つめます。
「おっ、韓国がはっきり見える。すごいねえ」

 参加者の方から植物の方言名や薬効、意外な使い方を聞き、國分先生も興味津々です。
「へえ~、はじめて聞きました」

マムシグサ

 サトイモ科のちょっと妖しい植物を発見。緑色のヘビが鎌首をもたげたような姿をしています。
 その名も「マムシグサ」

ムサシアブミ

 同じサトイモ科のムサシアブミ。

シュンラン

 ちょっと横道にそれて、観察会の前に撮影した植物の紹介など。
 春の代表的な野草のひとつ、シュンラン。

キケマン

 小さなバナナのような花を咲かせます。

ナンバンキブシ

 春の訪れを告げる花のひとつ。ドライブ中にもよく目に付きます。

ダンコウバイ

 道路わきの斜面に黄色い花が咲いていました。アブラチャンだと思ったらダンコウバイのようです。植物の同定は難しいですね。

観察会の後に

 センターに戻り、國分先生にお話を聞きます。
 対馬は大陸と九州の間に位置し、日本では対馬にしか分布しない大陸系植物や、逆に日本本土と対馬に分布するが、朝鮮半島や大陸では見られない日本系の植物が見られるなど、植物の移動・分布を考える上でとても興味深いということです。

「これからの季節は野歩きに最適です。ただ歩くだけでも爽やかで気持ちいいので、野の花に親しみ、自然を存分に楽しみましょう」
「おつかれさまー」
「ありがとうございましたー」

おまけ

 対馬の数ヶ所に自生しているヤエザキクサイチゴです。
「クサイチゴはどこにでも咲いてるけど、八重もあるんやねえ」
「バラみたい」
「実も八重咲きで、ブドウみたいになるのかなあ?」