対馬野生生物保護センター

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2002年11月6日:ツシマヤマネコの仔猫を保護・その後

2002年11月ヤマネコニュース

仔ヤマネコ保護、それから

2002/11/7(Thu) センター職員の日誌よりセンター岩本

昨日ヤマネコの仔ネコが保護されてきました。今日は、ヤマネコを保護した後、どのようなことをしているのか紹介します。

センターの仕事を終えてから佐須奈にある家畜診療所にヤマネコを運びました。準備が整ったら、早速麻酔をかけます。この時、個体がまだ小さいことを考慮してガス麻酔をかけました。麻酔がきいたら、採血・計測・写真撮影を行います。
採血したらすぐに、FIV(猫免疫不全ウィルス)とFeLV(猫白血病ウィルス)の簡易検査をします。結果はどちらも陰性で、皆ほっとしました。私は計測をしたのですが(左の写真)、なかなか難しく、何度かはかり直しをしました。最後は、ヤマネコの個体識別のために体の各部位を撮影します。野生復帰した個体が、自動撮影に写った時などこの写真をもとにどの個体かを調べることがあります。
これらがすんだら、マイクロチップの挿入と耳に入れ墨をして麻酔をきります。headupを確認したら作業終了です。ここまででだいたい1時間ぐらいかかります。

この仔ヤマネコは、今日は元気にエサを食べている姿が見られました。ちょっと痩せているので、もりもりエサを食べて太って(適度な大きさになって)ほしいです。

ツシマヤマネコの仔ネコの保護について

2002/11/7(Thu) ツシマヤマネコニュースよりセンター山本

 6日14時頃、上県町において仔ネコが保護され、対馬野生生物保護センターに収容しました。今後の扱いについては、ウィルス感染の有無を調べるための血液検査等の結果を見て検討します。

(詳細)
 6日(水)14時頃、上県町井口浜において、土木作業員が、ツシマヤマネコの仔ネコがトビやカラスに威嚇されているところを目撃。その後、逃げるように海に入り、しばらくして海から上がってきたところを作業員が保護。ツシマヤマネコを守る会山村会長を通じて連絡を受けた対馬野生生物保護センター職員がセンターに収容した(14:45)。
 個体は、ずぶぬれにはなっていたものの、行動を見る限り異常は見られない。乾かした後、採血・計測等を行った。念のため血液検査の結果が出るまで保護し、結果に問題がなければ野に戻す予定。結果が出るまでに約1週間を要する。

(参考)個体の情報
1.性別オス
2.年令幼獣(生後約半年程度)
3.体重1250g
4.全長67.7cm
5.頭胴長 47.7cm