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対馬野生生物保護センター

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第三次生息特別調査の概要

生息数と分布の推移

生息数と分布の推移
生息メッシュ:
確実な生息情報が得られたメッシュ
推定メッシュ:
生息の可能性が十分あるメッシュ(確実な情報が得られなかった地域で、周囲8メッシュのうち3メッシュに生息確認メッシュがある場合)
消失メッシュ:
前年代からこの時までに情報が消失したメッシュ

 今回の調査では、最新の調査技術を過去のデータに応用し、過去の状況についても、より正確な推定個体数を再計算できました。
 過去のデータの補正結果に基づいたヤマネコの生息数と分布の推移を以下に示しました。

1980年代 100〜140頭

 下島でも生息は確認されていますが、分布域は狭く、分散しています。
※1960年代の調査結果では、対馬全島に250〜300頭が分布していたと報告されています。

1990年代 90〜130頭

 下島での生息情報はさらに減少し、まとまって分布が見られるのは南部のみになっています。上島でも豊玉町に生息情報が得られなくなった地域がみられます。

2000年代前半 80〜110頭

 下島では確かな生息情報が得られていません。上島の上県町南部でも生息情報が得られなくなった地域がみられます。

80〜110頭という数

 野生動物の世界では、個体数が100頭を下回ると絶滅の危険性が極度に高くなると言われています。 血縁が濃くなることで遺伝的多様性が失われ、奇形が生まれやすくなったり、 感染症に対する抵抗力が弱まったりと、生息環境の改善では解決できない問題が発生する可能性が高くなります。
 また、個体数の減少とともに生息域が狭まる今、突然の災害などで瞬時に絶滅してしまう可能性もあります。

※今回発表された各年代の推定生息数は、調査技術の向上と調査ルート数の増加により情報量が増えたことで、より正確なものに見直されています。

減少要因

生息環境の悪化

 河川改修や道路整備、大規模伐採などの開発は、直接的にヤマネコの生息地を減少させるだけではありません。 森林や水辺、田畑等の、多様で広大な環境を利用するヤマネコにとっては生息地が分断され、更には交通事故などの引き金になりかねません。
 もちろん人間にとって暮らしやすい環境も重要です。人間とヤマネコが共に暮らす島、対馬ならではの開発のあり方を考えていく必要があります。

交通事故で死亡したヤマネコ

トラバサミにかかり昏睡状態のテン

競合相手となるノネコ

家庭で飼育されている対馬地鶏

トラバサミにかかり片足を切断したヤマネコ

飼育動物とヤマネコの関係

 イヌやネコは本来人間に飼われている動物ですが、捨てられたりきちんと管理されていなかったりすると野生化し、ヤマネコの生息地やエサとなる小動物を奪う競争相手となります。 それだけではなく、イヌがヤマネコをかみ殺した例や、イエネコからヤマネコへ、ネコエイズウイルスが感染したことが確認されています。
 また、鶏を守るために仕掛けられたトラバサミ等のワナに掛かり、重症を負うヤマネコも後を絶ちません。
 イヌやネコの適正飼育、鶏小屋の管理をしっかり行うことで、あなたの飼っている動物もヤマネコも安心して暮らせるようになります。