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183件の記事があります。

2012年11月27日動物園で飼育しているツシマヤマネコの移動について

ツシマヤマネコニュース 西野

環境省では、ツシマヤマネコの保護を図るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づく保護増殖事業計画(平成7年7月17日環境庁及び農林水産省告示)を策定し、生息状況の把握、生息環境の維持・改善、飼育下での繁殖等の取組を進めています。
同計画に基づく飼育下繁殖事業については、(社)日本動物園水族館協会の協力を得て福岡市動物園、井の頭自然文化園、よこはま動物園ズーラシア、富山市ファミリーパーク、九十九島動植物園、沖縄こどもの国、京都市動物園、名古屋市東山動物園、盛岡市動物園の計9施設において実施しているところです。
この度、今年度の飼育下繁殖事業の一環として、11月29日(木)に井の頭自然文化園からNO.41(5才・♂)を九十九島動植物園へ、九十九島動植物園からNO.50(3才・♂)を井の頭自然文化園へと移動する予定です。
移動日は予定であり、ツシマヤマネコの状態等により変更する場合もあります。


今回移動する個体(No.50)

今回移動する個体(No.41)

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2012年11月27日ツシマヤマネコの死亡個体収容について

ツシマヤマネコニュース 西野

平成24年11月19日(月)、対馬市峰町志越の県道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センターが収容しました。

1 死体が収容された経緯
  平成24年11月19日(月)午前8時頃、住民より対馬市職員経由でセンターに死体発見の連絡があり、その後、連絡を受けたセンター職員が死体を回収し、正午頃センターに収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 成獣
(3)体重 2,860g
(4)個体の状況 栄養状態は良好であった。
(5)死因 道路上で発見されたこと、頭蓋骨が割れており、横隔膜破裂及び胸腔内臓器の損傷が確認されたことから死因は交通事故によるものと考えられる。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動の実験の実施等)
4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で65件(58頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成24年10月4日であり、交通事故ゼロ記録は45日間でした。今年度は、今回の交通事故で5件目であり、例年以上に事故のペースが早く、特に秋から冬にかけては、例年事故が多発しています。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路では、スピードの出しすぎに注意して下さい。雨が降った後は、多くのカエルなどが道路上に出てきます。それらのカエルを食べに、ヤマネコも道路上に上がることがあります。また、秋から冬にかけては、仔ヤマネコが親から離れ独り立ちする時期です。特に朝方や夕方は、ヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行してください。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター(0920-84-5577)等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いいたします。

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2012年11月20日ツシマヤマネコの保護収容について

ツシマヤマネコニュース 西野

平成24年11月11日(日)、対馬市上県町佐護において、鶏小屋に侵入したツシマヤマネコがいるとの連絡があり、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)に保護・収容しました。

1 保護された経緯
  11月11日(日)午後8時頃、対馬市上県町佐護において、地域住民からセンターに対し、鶏小屋に侵入したツシマヤマネコがいるとの連絡があり、その後、午後8時30分頃にセンター職員が保護し、センターに収容しました。
  当該個体は、平成22年6月、上県町佐護において錯誤捕獲により保護された個体で、センターにて治療を行った後、同年7月に放獣しました。
  その後、同年8月に再び錯誤捕獲により保護され、同年9月に再放獣しています。

2 個体の情報
(1)性別 オス
(2)年齢 成獣
(3)体重 3,960g
(4)個体の状態 栄養状態は良く、血液検査等の結果でも異常値は確認されていない。
(5)FIV、FeLV検査 簡易検査の結果、陰性であった。
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の予定
  健康状態に問題は無いことから、近日中に放獣する予定。




今回保護された個体

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2012年10月17日ツシマヤマネコの死体収容について

ツシマヤマネコニュース 西野

平成24年10月4日(木)、対馬市上県町佐護の国道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  平成24年10月4日(木)午後7時頃、住民が国道上にて死亡しているツシマヤマネコを発見しました。その後、連絡を受けたセンター職員が死体を回収し、午前8時頃センターに収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,680g
(4)個体の状況 栄養状態は良好。体重や生殖器の発達具合から今年生まれた個体と考えられる。
(5)死因 道路上で発見されたこと、横隔膜破裂及び胸腔内臓器の損傷が確認されたことから死因は交通事故によるものと考えられる。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動の実験の実施等)
4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で64件(57頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成24年9月17日であり、交通事故ゼロ記録は16日間でした。今年度は、今回の交通事故で4件目であり、例年以上に事故のペースが早く、秋から冬にかけて事故が心配されます。
国道382号線の佐護~佐須奈間においては、今回を含めこれまでに、10件の事故が確認されており、また、目撃情報も多い区間であることから、特に注意が必要な箇所の一つです。


5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路では、スピードの出しすぎに注意して下さい。雨が降った後は、多くのカエルなどが道路上に出てきます。それらのカエルを食べに、ヤマネコも道路上に上がることがあります。また、これから秋から冬にかけては、仔ヤマネコが親から離れ独り立ちする時期です。特に朝方や夕方は、ヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行してください。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター(0920-84-5577)等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いいたします。

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2012年09月25日ツシマヤマネコの死体収容について

ツシマヤマネコニュース 西野

平成24年9月17日(月)、対馬市上県町佐護の国道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  平成24年9月17日(月)午前7時頃、住民が国道上にて死亡しているツシマヤマネコを発見しました。その後、連絡を受けたセンター職員が死体を受け取り、午前8時40分頃センターに収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 オス
(2)年齢 亜成獣
(3)体重 1,300g
(4)個体の状況 栄養状態は良好。目立った外傷は見られなかった。犬歯が乳歯から永久歯に生え変わる途中であったため、今年生まれた個体と考えられる。
(5)死因 道路上で発見され、出血が確認されたことから交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動の実験の実施等)


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で63件(56頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成24年8月22日であり、交通事故ゼロ記録は25日間でした。今年度は、今回の交通事故で3件目であり、例年以上に事故のペースが早く、秋から冬にかけて事故が心配されます。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路では、スピードの出しすぎに注意して下さい。雨が降った後は、多くのカエルなどが道路上に出てきます。それらのカエルを食べに、ヤマネコも道路上に上がることがあります。また、これから秋から冬にかけては、仔ヤマネコが親から離れ独り立ちする時期です。特に朝方や夕方は、ヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行してください。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター(0920-84-5577)等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いいたします。

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2012年09月24日ツシマヤマネコの対馬の下島における生息情報の確認について

ツシマヤマネコニュース 西野

今般、環境省から長崎県に委託し実施している調査の中で、平成24年5月および7月に下島北部で採取された糞についてDNA分析を行った結果、ツシマヤマネコ(オス)のものであることが確認されたのでお知らせします。

1 確認の経緯
環境省及び長崎県は、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種であるツシマヤマネコの生息状況を把握するための調査を実施している。なお、ツシマヤマネコの生息数は対馬全体で80~110頭と推定され(※)、特に、対馬の下島においては、近年、確実な生息情報は非常に限られたものとなっている。
対馬の下島における調査については、近年わずかに生息の可能性を示す情報がある下島南部の厳原町内山周辺を中心として、平成18年度以降、痕跡調査、自動撮影調査を行ってきたところである。また、平成21年12月に同町小浦周辺で、ツシマヤマネコの亜成獣が保護され、平成22年9月に美津島町黒瀬(城山)においてツシマヤマネコのオスの糞が採取されたことから、それまでの調査範囲を下島北部へ拡げてきたところである。
今回、平成24年5月10日に美津島町久須保、7月27日に同町黒瀬(城山)において採取した糞について、ツシマヤマネコの可能性があったため、長崎県環境保健研究センターにDNA分析を依頼したところ、ツシマヤマネコのオスの糞であることが9月6日に確認された。
なお、これらの糞については、今後、北海道大学の増田教授にさらに詳細なDNA分析を依頼する予定である。
※平成12~14年度にかけて実施された生息状況調査の結果によるもの。生息数は定住している成獣個体の数を推定したもの。また、この調査においては下島での確実な生息情報は得られなかった。


2 結果の評価
 平成22年9月に初めてツシマヤマネコの生息が確認された美津島町黒瀬において、2年間で合計5件の確実な生息情報が得られたことにより、美津島町黒瀬を中心とした下島北部ではツシマヤマネコが生息していける環境が残されていることが考えられる。
また、万関瀬戸と大船越瀬戸で分断されている美津島町久須保において糞が発見されたことにより、ツシマヤマネコが両瀬戸のいずれかを渡っている可能性が考えられる。今後、詳細なDNA分析の結果を踏まえ、関係行政機関、専門家等と協議し、追加の調査等について検討していく予定。




生息情報一覧

位置図

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2012年08月27日ツシマヤマネコの死亡個体収容について

ツシマヤマネコニュース 西野

平成24年8月22日(水)、対馬市上県町佐護の市道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  平成24年8月22日(水)午後7時頃、センター職員が上県町佐護の市道にて死亡しているツシマヤマネコを発見し、センターに収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 メス
(2)年齢 成獣
(3)体重 2, 280g
(4)個体の状況 栄養状態は良好。乳頭の状態から今年出産した個体である可能性が高い。頭蓋骨骨折、腹腔内出血が認められる。
(5)死因 道路上で発見された事や個体の損傷状態から交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で62件(55頭死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成24年5月28日であり、交通事故ゼロ記録は85日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。雨が降った後は多くのカエルなどが道路上に出てきます。それらのカエルを食べにヤマネコも道路上に上がることがあります。また、これから秋から冬にかけては仔ヤマネコが親から離れ独り立ちする時期です。特に朝方や夕方はヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行してください。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター(0920-84-5577)等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いたします。

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2012年06月28日ツシマヤマネコの死体収容について

ツシマヤマネコニュース 西野

平成24年6月25(月)に対馬市上県町田ノ浜において白骨化したツシマヤマネコの死体が発見され、6月26日(火)に対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。

1 死体が収容された経緯
  平成24年6月25日(月)午前10時頃、生態調査中の学生がツシマヤマネコの死体を発見し、平成24年6月26日(火)午後2時頃にセンターに収容しました。
  本個体は、琉球大学が生態研究のため追跡調査を行っていた個体で、生態調査では、6月10日(日)午後までは正常に活動していたことが確認されています。

2 死体の個体情報
(1)性別 メス(調査のための捕獲時に確認)
(2)年齢 成獣(同上)
(3)体重 不明
(4)個体の状況 白骨化していた
(5)死因  白骨化しており不明である



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2012年05月31日ツシマヤマネコの死亡個体収容について

ツシマヤマネコニュース 西野

 平成24年5月28日(月)、対馬市豊玉町仁位の市道において交通事故で死亡したと考えられるツシマヤマネコの死体を、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)が収容しました。
 また、5月29日(火)にも、対馬市上県町佐護の水田内でツシマヤマネコの死体をセンターが収容しました。

(1) 5月28日収容個体

1 死体が収容された経緯
  平成24年5月28日(月)午前11時頃、地域住民より、対馬市豊玉町 仁位で死亡しているツシマヤマネコを発見したと対馬市豊玉地域活性化セン ターへ連絡がありました。
  その後、地域活性化センターより連絡を受けたセンター職員が午後2時頃 センターに収容しました。

2 死体の個体情報
(1)性別 メス
(2)年齢 成獣
(3)体重 2,340g
(4)個体の状況 栄養状態は良好。脊椎および頭蓋骨骨折、腹腔内出血、胸腔破裂が認められる。
(5)死因 脊椎および頭蓋骨骨折、腹腔内出血、胸腔破裂により死亡と推測。道路上で発見された事や個体の損傷状態から交通事故によるものと考えられる。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV検査 簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)

3 今後の対応
今後は以下の対策を継続・実施予定です。
○短期的な対策
・交通事故箇所への交通事故防止移動式看板の設置 
・パンフレット・チラシ・キャンペーンの実施等による普及啓発
○中長期的な対策
・カルバートをはじめとする道路・河川構造物への配慮実施に向けた関係機関との協議
・交通事故対策に資する情報の収集(センターの飼育下個体を用いた行動等の実験の実施等)等


4 これまでのツシマヤマネコの交通事故について
  今回の事故により、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で61件(54頭 死亡)となりました。前回のツシマヤマネコの交通事故は平成24年1月3日で あり、交通事故ゼロ記録は145日間でした。

5 普及啓発の内容
交通事故の発生は、ドライバーのスピードに大きく関係しています。見通しの良い道路や幅員の広い道路はスピードの出しすぎに注意して下さい。これから梅雨に入れば、多くのカエルなどが道路上に出てきます。それを餌資源としてヤマネコも道路上に上がることがあります。また、朝方や夕方はヤマネコが活発に活動する時間ですので、運転する際には十分に注意をはらって走行してください。
万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター(0920-84-5577)等までご連絡くださるよう、お願いいたします。特に、当事者による通報は、迅速な保護収容と、その後の事故対策を考える上で極めて重要です。故意でない限り罪に問われることはありませんので、万一の場合はご協力くださいますようお願いたします。

(2)5月29日収容個体

1 収容された経緯
5月29日(火)午前10時半頃、上県町佐護在住の原 一生氏から、水田内でツシマヤマネコの死体を発見したとの連絡がセンターにありました。
センター職員が現場に向かい、死体を回収し、午前11時に収容しました。

2 個体の情報
(1)性別 オス
(2)年齢 成獣
(3)体重 2,470g
(4)個体の状況   栄養状態は良好。
(5)死因  現在のところ不明。詳細については、山口大学に病理解剖を依頼し調査中。
(6)FIV、FeLV簡易検査  簡易検査で陰性
   (FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)





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2012年05月24日下島におけるツシマヤマネコの生息情報について

ツシマヤマネコニュース 西野

今般、環境省から長崎県に委託し実施している調査の中で、平成23年12月から平成24年1月に下島北部で採取されツシマヤマネコのものと判定された3個の糞について、詳細なDNA分析を行った結果、3個の糞が全て同一個体の糞である可能性が高いことが確認されたのでお知らせします。
 また、平成24年2月29日に厳原町久和で採取された糞のDNA分析の結果、ツシマヤマネコのものが確認されたのでお知らせします。

1 確認の経緯
 環境省及び長崎県は、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種であるツシマヤマネコの生息状況を把握するための調査を実施している。ツシマヤマネコの生息数は、対馬全体で80~110頭と推定され、特に、対馬の下島においては、近年、確実な生息情報は非常に限られたものとなっている。
 対馬の下島における調査については、近年わずかに生息の可能性を示す情報がある下島南部の厳原町内山周辺を中心として、平成18年度以降、痕跡調査、自動撮影調査を行ってきたところであるが、平成21年12月に同町小浦周辺で、ツシマヤマネコの亜成獣が保護され、平成22年9月に美津島町黒瀬(城山)においてツシマヤマネコのオスの糞が採取されたことから、それまでの調査範囲を拡げてきたところである。
 平成24年1月24日に記者発表したとおり、平成23年12月から平成24年1月にかけて、下島北部の美津島町黒瀬(城山)において糞2個とビデオ撮影1回、同町今里において糞1個の確実なツシマヤマネコ生息情報が得られた。
 これら3個の糞について北海道大学の増田准教授に詳細なDNA分析を依頼した結果、全て同一個体である可能性が高いことが平成24年4月26日に確認された。
 また、平成24年2月29日に厳原町久和において採取した糞について、ツシマヤマネコの可能性があったため、長崎県環境保健研究センターにDNA分析を依頼したところ、ツシマヤマネコの糞であることが平成24年5月17日に確認された。
 なお、厳原町久和で採取されツシマヤマネコの反応があった糞については、今後、北海道大学にさらに詳細なDNA分析を依頼する予定である。

2 これまでの下島における調査の成果
 下島においては、ヤマネコのものと思われる糞等の痕跡は、1990年代まで確認されていたが、平成17年度公表の生息状況調査では、確実な生息情報を得ることができなかった。平成19年3月に下島において自動撮影カメラ調査によって昭和59年以来23年ぶりに確実な生息が確認されてからの確実なヤマネコの生息情報は以下のとおりとなっている。
 今回、詳細なDNA分析の結果、平成23年12月13日美津島町黒瀬(城山)、平成23年12月31日同町今里、平成24年1月10日同町黒瀬(城山)で採取された糞が同一個体である可能性が高いと判定された。

3 結果の評価
 今回の結果により、下島北部に生息するツシマヤマネコが美津島町黒瀬から同町今里までを行動範囲としていることが分かった。2地域は浅茅湾に面した半島部である地形的条件等を勘案するとツシマヤマネコの移動距離としては10数km離れており、この個体はこれまで知られているオスの行動範囲よりも広く移動している可能性がある。
 一方、厳原町久和における糞の発見により、平成20年7月以降はツシマヤマネコの生息が確認されていなかった下島南部で改めてツシマヤマネコの生息が確認された。今後、詳細なDNA分析の結果を踏まえ、関係行政機関、専門家等と協議し、追加の調査等について検討していく予定。



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