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九州地方環境事務所

ツシマヤマネコニュース

千俵薪山 野焼きについて

2017年03月08日
センター職員日誌

こんにちは!

普及啓発担当の沼倉です。

 

3月5日(日)にセンターがある上県町佐護区で行われる「千俵蒔山(標高287メートル)の野焼き」に参加してきました。

今年は天気にも恵まれ、きれいに野焼きができたのでご報告いたします!

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千俵蒔山の野焼きとは?

かつて佐護地区では農業を営む上で労働力として欠かせなかった牛の飼料を、

千俵蒔山の草原から調達していました。

この草原を維持するために毎年2月から3月頃に千俵蒔山の野焼きを行っていました。

ところが、農業の機械化や農業離れによって牛を飼う必要がなくなり、

千俵蒔山の野焼きも行われなくなりました。

その結果、植生の遷移によって草原は森林へと変化していきました。

ツシマヤマネコとの関係では、草原はヤマネコのエサとなる小動物が多く生息していたと思われ、

千俵蒔山が森林に変化したことは、ツシマヤマネコのエサ場の減少につながったと考えられます。

 

佐護地区では住民が主体となり

「かつての千俵蒔山の草原を再生させたい、

自分たちが子供の頃に見た草原を子供達に継承したい」

と、千俵蒔山草原再生プロジェクトを立ち上げられて、

2008年3月9日に40年ぶりに野焼きが行われました。

以来、毎年3月頃に、千俵蒔山で野焼きが実施されています。

(天候不順時には中止になった年もあります。)

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今年も朝早くから区民のみなさん、消防団、行政など多くの関係者が

約100名集まり、実施しました!

消防団ごとに定位置につき、

点火開始のサイレンの合図で一斉に火をつけます。

火を付ける場所は風向きや地形を考えた上で決定するそうです!

風下に火をつけると一気に燃え広がり、

あっという間に焼け野原になっていきました!

消防団やボランティアの方々は、

野焼きの予定地外に燃え広がらないよう消火を行います。

 

私たちセンター職員は

消火用のツバキの枝で、火を叩いて消すお手伝いをしました!

 

 

 

風が強い年などは予定地すべてで野焼きが実施できない年もありましたが、

今回は予定されたエリアで無事に野焼きを実施することができました。

 

 

 

間もなくやってくる春になると、

野焼きで焼かれた黒い地面が、緑色の草原になります。

その美しい景観を見るのが、今からとっても楽しみです(^^)☆