報道発表資料
【お知らせ】平成22年度第2回屋久島世界遺産地域科学委員会及びヤクシカ・ワーキンググループの開催について
2010.12.20 九州地方環境事務所
世界自然遺産に登録されている屋久島において、科学的な知見を踏まえたより適切な保全管理を実現するため、平成21年6月、九州地方環境事務所、九州森林管理局、鹿児島県、鹿児島県教育委員会及び屋久島町は共同で、屋久島世界遺産地域科学委員会を設置しました。この度、12月23日(木)に宝山ホール(鹿児島県文化センター)において平成22年度第2回の科学委員会(通算第4回)を開催します。
また、前日の22日(水)には、同ホールにおいて、屋久島世界遺産地域科学委員会の下に設置されたヤクシカ・ワーキンググループ(第2回)を開催します。
1 経緯
平成5年12月に世界遺産に登録された屋久島の保全管理にあたっては、屋久島世界遺産地域連絡会議(九州地方環境事務所、九州森林管理局、鹿児島県、鹿児島県教育委員会、屋久島町で構成)を設置するとともに、屋久島世界遺産地域管理計画を策定し、緊密な連携・協力のもと、巡視の励行、適正な利用の誘導、情報提供・環境教育活動、調査研究・モニタリングなどに努めてきた。
現在、屋久島においては、利用者の増加による生態系への影響、ヤクシカによる植生被害、関係機関や研究者等がそれぞれ実施している自然環境に関する調査研究・モニタリングの調整などが課題となっている。
また、平成24年のユネスコ世界遺産委員会では、屋久島を含む我が国の世界遺産の保全状況について定期報告が行われる予定である。定期報告においては、世界遺産としての価値を改めて確認することが求められるとともに、十分な保全管理体制が取られているかについても確認が行われることになっている。
このため、平成21年6月、九州地方環境事務所、九州森林管理局、鹿児島県、鹿児島県教育委員会及び屋久島町は、屋久島の世界遺産としての価値を将来にわたって確実に保全するため、学識者で構成する「屋久島世界遺産地域科学委員会」(以下、「科学委員会」という。)を設置した。これまで、世界遺産としての屋久島の価値、管理の基本方針等について議論を行った。今回は、世界遺産条約の履行に関する顕著な普遍的価値の遡及的陳述や管理の方策等について議論を行うこととしている。
また、ヤクシカによる植生への著しい影響が見られる世界遺産地域において、科学的知見を踏まえたヤクシカ被害対策を推進するために、平成22年7月、科学委員会の下にヤクシカ・ワーキンググループ(以下「ヤクシカ・WG」という。)を設置した。前回は、ヤクシカによる森林植生等への被害及び生息状況等の確認やヤクシカ被害対策の現状などについて議論を行った。今回は、関係者から意見聴取を行うほか、ヤクシカの頭数管理等について議論を行うこととしている。
(1)科学委員会委員(50音順、敬称略)
- 荒田 洋一
- (樹木医)
- 井村 隆介
- (鹿児島大学大学院理工学研究科准教授)
- 大山 勇作
- (屋久島野生植物研究所主宰)
- 小野寺 浩
- (鹿児島大学学長補佐)
- 吉良今朝芳
- (鹿児島国際大学国際文化研究科教授(非常勤))
- 下川 悦郎
- (鹿児島大学農学部教授)
- 柴崎 茂光
- (国立歴史民俗博物館研究部准教授)
- 鈴木 英治
- (鹿児島大学大学院理工学研究科教授)
- 立澤 史郎
- (北海道大学大学院文学研究科助教)
- 日下田紀三
- (写真家)
- 牧野 俊一
- (森林総合研究所森林昆虫研究領域長)
- 松田 裕之
- (横浜国立大学環境情報研究院教授)
- 矢原 徹一
- (九州大学大学院理学研究院教授)
- 吉田茂二郎
- (九州大学大学院農学研究院教授)
(2)ヤクシカ・ワーキンググループ委員(50音順、敬称略)
- (科学委員会委員)
-
- 荒田 洋一
- (樹木医)
- 吉良今朝芳
- (鹿児島国際大学国際文化研究科教授(非常勤))
- 立澤 史郎
- (北海道大学大学院文学研究科助教)
- 松田 裕之
- (横浜国立大学環境情報研究院教授)
- 矢原 徹一
- (九州大学大学院理学研究院教授)
- (特別委員)
-
- 杉浦 秀樹
- (京都大学野生動物センター准教授)
- 手塚 賢至
- (ヤクタネゴヨウ調査隊代表)
- 羽澄 俊裕
- ((株)野生動物保護管理事務所代表取締役)
- 矢部 恒昌
- (森林総合研究所九州支所森林動物研究グループ長)
2 日程等
(1) 平成22年度第2回屋久島世界遺産地域科学委員会
- 日時:
- 平成22年12月23日(木)9:00~11:30
- 場所:
- 宝山ホール(鹿児島県文化センター)〔鹿児島市山下町5番3号〕
- 主な議題:
-
- [1]
- 世界遺産条約の履行に関する顕著な普遍的価値の陳述
- [2]
- 管理計画の基本方針
- [3]
- 管理計画の管理の方策
- [4]
- ヤクシカ・ワーキンググループの検討状況
- [5]
- 屋久島町エコツーリズム推進全体構想
- [6]
- その他
(2) 屋久島世界遺産地域科学委員会第2回ヤクシカ・ワーキンググループ
- 日時:
- 平成22年12月22日(水)13:00~16:00
- 場所:
- 宝山ホール(鹿児島県文化センター)〔鹿児島市山下町5番3号〕
- 主な議題:
-
- [1]
- 第1回ヤクシカ・ワーキンググループにおける主な意見等(確認)
- [2]
- 関係者からの意見聴取・質疑
- [3]
- ヤクシカの頭数管理等
- [4]
- 屋久島生態系維持回復事業計画(案)
- [5]
- その他
3 その他
(科学委員会及びヤクシカ・WGの取材・傍聴等の取扱い)
科学委員会及びヤクシカ・WGは、公開で行います。会場の都合上、取材及び傍聴を希望される場合は、12月21日(火)までに下記までご連絡下さい。取材・撮影等については、会議進行の妨げとならないよう配慮願います。
<取材に関する問い合わせ先(事務局)> |