報道発表資料
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西表島におけるオオヒキガエルの捕獲について
また、島外から搬入される資材等に紛れて侵入する可能性があるため、資材搬入の際には、オオヒキガエル等がいないか、十分にご確認をお願いいたします。
1.オオヒキガエルについて
オオヒキガエルは中南米原産の大型のカエルで、サトウキビ害虫駆除の目的で日本に移入され、各地で生態系に係る被害を引き起こしている侵略的外来種です。本種は、特定の食物に対する選好性がないため、多くの在来小動物に高い捕食圧を及ぼしていると考えられています。また、耳腺から強力な毒物を分泌し、幼生も毒を有していることから、イリオモテヤマネコをはじめ、カエル類を食物とするさまざまな在来捕食者への毒による悪影響が懸念されます。さらに、繁殖力が強いために在来カエル類を駆逐し生態的に置き換わってしまうおそれも指摘されています。環境省では「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(通称:外来生物法)」に基づく特定外来生物として、本種の飼育、保管、運搬等を禁止しています。
【オオヒキガエルの特徴】
オオヒキガエルは全長が8~15cm 程度と、西表島の在来カエル類より大きく、耳腺が目立ち、背中にある一面のイボイボが特徴です。オスは「ボボボボボ・・・・」と機械音のような鳴き声をし、夜間には街灯等の光に集まる虫を捕食するために明るい場所に出没します。
2.捕獲された個体について
①捕獲日時:令和4年5月7日 20時15分頃
②捕獲場所:西表島船浦地区(下図参照)
③個体情報:成体メス、体長151mm、268g
④捕獲経緯
現地調査員※が道路上でシロアリを捕食しているオオヒキガエルを発見し、その場で捕獲。
※現地調査員:環境省が実施している、「沖縄県八重山地域における外来カエル類拡散防止対策検討業務」における現地調査員
3.西表島におけるオオヒキガエルの捕獲状況
西表島においてオオヒキガエルが最後に確認されたのは、令和2年6月13日に上原港で捕獲されたメスの個体で、それ以来2年ぶりの捕獲となりました。2000年以降の捕獲状況は以下の通りです。
2000年以降のオオヒキガエル捕獲事例
年 | 件数 | 捕獲された地区 |
2000年 | 1件 | 大原 |
2001年 | 1件 | 大原 |
2002年 | 4件 | 大原3件、住吉1件 |
2003年~2005年 | 0件 | - |
2006年 | 1件 | 大原 |
2007年 |
1件 |
大原 |
2008年~2016年 | 0件 | ー |
2017年 | 1件 | 吉見 |
2018年~2019年 | 0件 | ー |
2020年 | 1件 | 上原 |
2021年 | 0件 | ー |
2022年 | 1件 | 船浦 |
4.ご協力のお願い
西表島に侵入・定着のおそれのある、オオヒキガエルやシロアゴガエルの姿を目撃したり、鳴き声を聞いたり、卵を確認した場合には、できるだけ早く西表自然保護官事務所(Tel:0980-84-7130)まで通報をお願いします。また、道路上などで捕獲可能な場合は、手袋やビニール袋、網などを活用して、直接個体に触れない方法での捕獲をお願いいたします。捕獲後は、ビニール袋などに入れて逃げないようにしてください。オオヒキガエルの捕獲にあたっては、目の後ろにあるコブ(耳腺)を強く刺激すると毒液を出す場合がありますので、十分に注意し、直接素手で触れないようにお願いいたします。
※沖縄奄美自然環境事務所HP「オオヒキガエルとシロアゴガエルについて」
http://kyushu.env.go.jp/okinawa/wildlife/mat/m_2_2.html
■捕獲個体写真(撮影:現地調査員 堀井大輝)
※写真データをご希望の方は、西表自然保護官事務所の以下アドレスまでお問い合わせください。使用する場合は、クレジットとして「撮影:堀井大輝」を入れるようお願いいたします。
連絡先:RO-IRIOMOTE@env.go.jp (担当:内野、官野)
■捕獲地点図(国土地理院地図より作成)
- ■ 問い合わせ先
- 環境省沖縄奄美自然環境事務所 所長 宇賀神 知則
担 当:西表自然保護官事務所 自然保護官 内野 祐弥
電 話:0980-84-7130