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沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2022年04月11日
  • その他

徳之島犬田布岳[いぬたぶだけ](伊仙町)におけるアマミノクロウサギの確認について

 2022年1月から2月にかけて、犬田布岳(伊仙町)において、アマミノクロウサギ(国指定特別天然記念物・国内希少野生動植物種)の生息が確認されました。犬田布岳における生息確認記録は約7年ぶり・2回目となります。また、新たに犬田布岳南側斜面でも撮影され、伊仙町におけるアマミノクロウサギの定着の可能性が高まったと考えられます。なお、今回撮影された犬田布岳南側斜面の麓にはネコの姿も撮影されていることから、伊仙町を始めとする徳之島にお住まいの皆さまには、町の飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例に則った飼い猫の適正飼養をお願いいたします。

1.経緯

アマミノクロウサギは2004年に種の保存法における国内希少野生動植物種に指定され、同

年、保護増殖事業計画が策定された。以降、環境省は生息状況調査を行っている。

 徳之島においては、2012年度から本格的に山中に設置した自動撮影カメラによるモニタリング調査を実施している。これまでの調査では、徳之島でのアマミノクロウサギの生息域は、北部の天城岳(標高約533m)と中南部の井之川岳(標高約645m)を中心としたエリアとされてきた。南部の犬田布岳(標高約417m)の山頂付近(伊仙町)では、2015年3月30日にのみ同日、同一個体の画像が計5枚記録されたというもので、伊仙町内で個体の撮影が確認されたのは当時が初めてであった。

しかし、その後もモニタリング調査が行われたものの、以降、犬田布岳における生息は確認できておらず、この度、約7年ぶりに生息が確認されたことになる。

 

2.自動撮影カメラによる撮影情報

 犬田布岳においては、2012年度から犬田布岳周辺に継続的にカメラを4台程度設置するとともに、初めて犬田布岳で撮影が確認された2015年以降に犬田布岳南側斜面に都度5台程度のカメラを設置して調査を行っている。今回は、犬田布岳南側斜面に2022年1月4日から3月3日にかけて計6地点にカメラ設置した。そのうち2地点において、アマミノクロウサギの撮影が確認された。

① 犬田布岳山頂付近(伊仙町)

・総撮影枚数:2枚

・撮 影 日:2022年2月1日、5日

図1:犬田布岳山頂付近における撮影画像(2022年2月1日5時49分)

② 犬田布岳南側斜面(①より約700m離れた地点)(伊仙町)

・総撮影枚数:13枚

・撮 影 日:2022年1月14日、17日、19日、20日、24日、26日、27日、31日

        2月3日、6日、16日

図2:犬田布岳南側斜面における撮影画像(2022年1月262254分)

3. 所見

前回(2015年3月30日)は犬田布岳山頂付近の1日・1箇所のみの撮影であったが、今回は複数日・2箇所で撮影されていた。このうち1箇所は前回の撮影地点と同じ山頂付近の地点であったが、2箇所目は犬田布岳山頂から約700m離れた南側斜面の地点であり、伊仙町におけるアマミノクロウサギの定着の可能性が高まったと考えられる。

4. 地域の皆さまへのお願い

環境省では引き続きモニタリング調査を継続いたしますが、犬田布岳近辺におけるアマミノクロウサギの生息確認情報がございましたら、環境省徳之島管理官事務所までご連絡をお願いいたします。

また、今回撮影が確認された犬田布岳南側斜面から約500m離れた犬田布岳の麓にはネコの姿も撮影されていることから、伊仙町を始めとする徳之島にお住まいの皆さまには、町の飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例に則った飼い猫の適正飼養をお願いいたします。

■ 問い合わせ先
環境省 奄美群島国立公園管理事務所
所 長 阿部 愼太郎
担 当 徳之島管理官事務所国立公園管理官 福井 俊介
電 話:0997-85-2919
FAX:0997-85-2045