報道発表資料
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根絶確認及び防除完了に向けた奄美大島におけるフイリマングース防除実施計画の策定について(お知らせ)
環境省沖縄奄美自然環境事務所は、平成12年度からマングースの駆除事業を実施しており、平成17年度からは外来生物法に基づくマングース防除事業(以下「防除事業」という。)を実施しています。現行の「第2期奄美大島におけるフイリマングース防除実施計画(平成25(2013)~令和4(2022)年度)」を2年短縮して令和2(2020)年度までで終了とし、令和3(2021)年度からは、新たな防除実施計画「根絶確認及び防除完了に向けた奄美大島におけるフイリマングース防除実施計画」に移行することとしましたので、お知らせいたします。
1.マングース捕獲と新防除実施計画検討の経緯
養鶏等への農業被害を背景に、平成5(1993)年度より市町村による有害鳥獣捕獲が実施されてきたが、環境省は奄美大島に生息するアマミノクロウサギやアマミヤマシギ等の在来種を含む奄美大島固有の生態系を保全することを目的に、奄美野生生物保護センターを拠点として、平成12(2000)年度に奄美大島においてマングース駆除事業を開始した。平成17(2005)年度からは外来生物法に基づく防除事業として「奄美マングースバスターズ」を結成するなど、防除の強化を図ってきた。平成25(2013)年度には「第2期奄美大島におけるフイリマングース防除実施計画」を策定し、令和4(2022)年度までの10年間で奄美大島からのマングースの根絶を目標とする計画に基づいて防除作業を進めてきた。環境省事業では、これまで2万頭を超えるマングースを捕獲してきたが、平成30(2018)年4月に1頭の捕獲があって以降、約3年にわたり捕獲のない状態が続いていることから、根絶の可能性が高くなっている。
マングース検討会において平成30(2018)年度以降、根絶の評価手法についての検討を進めてきたが、令和2(2020)年度の防除事業において事務局と検討会委員では3回のワーキンググループ(7月、10月、12月)と1回の検討会(2月)を踏まえて、第2期防除実施計画の取扱いと新たな防除実施計画の内容について検討を重ねてきた。第2期防除実施計画で目標としていた、全域をモニタリング区域にするという目標は2年早く達成されたこと、令和2(2020)年度についても捕獲がない状態が継続していることから、当初、令和4(2022)年までとしていた第2期防除実施計画を令和2(2020)年度までで終了とし、別紙のとおり、新年度から「根絶確認及び防除完了に向けた奄美大島におけるフイリマングース防除実施計画」に移行することとした。
新計画では令和7(2025)年度末までに奄美大島からのマングースの根絶を確認することを目標とし、併せて防除資材の撤去、マングースの再侵入の防止体制の構築、マングースによる在来生態系への影響が抑えられている「防除完了」状態を根絶確認後も維持することを目標とする。
2.新防除実施計画の概要
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対 象:フイリマングース
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区 域:鹿児島県奄美大島
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期 間:令和3(2021)年4月1日~令和8(2026)年3月31日(5年間)
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モニタリング体制:奄美マングースバスターズ
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目 標:
マングースの根絶を慎重に確認するために、わな等によるモニタリングを継続的に実施するとともに、根絶確率算出モデルによる科学的評価を行う。その上で、有識者等による評価を受け、令和7(2025)年度末までに奄美大島からのマングースの根絶を確認することを本計画の目標とする。
また、すべての防除資材を撤去するとともに、マングースの再侵入の防止体制の構築に取り組み、マングースによる在来生態系への影響が抑えられている「防除完了」状態を根絶確認後も維持することを本計画の目標とする。
3.根絶確認及び防除完了に向けた奄美大島におけるフイリマングース防除実施計画
- ■ 問い合わせ先
- 環境省 沖縄奄美自然環境事務所
所長 東岡 礼治
担 当:奄美群島国立公園管理事務所
(奄美野生生物保護センター)
所長 阿部 愼太郎
電 話:0997-55-8620