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沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2017年02月01日
  • その他

(お知らせ)ネコによるアマミノクロウサギの捕食について(徳之島)

 アマミノクロウサギをはじめとする希少野生動物の生息域をモニタリングするために実施している自動撮影カメラ調査において、ネコがアマミノクロウサギを捕食している場面が撮影されました。
 ネコによるアマミノクロウサギの捕食場面が徳之島で撮影されたのは今回が初めてになります。不適正な飼養や遺棄により、ネコは、野生動物を捕食するようになり、今回のような重大な事態をもたらす結果となってしまいます。
 ネコを飼育されている方々は、ペットのためにも、野生動物のためにも、ネコを自己の管理下におき、最後まで責任を持って飼養していただきますようよろしくお願いします。

平成29年1月18日20:28 徳之島町手々において自動撮影

 ネコによるアマミノクロウサギの捕食場面が徳之島で撮影されたのは今回が初めてですが、ネコの糞内容物分析結果等から、捕食の実態はこれまでに確認されています。

※奄美大島では、平成20年6月に同様の写真が自動撮影されている。

 

1.徳之島におけるネコ対策

 世界自然遺産候補地の一地域である徳之島には、大陸と陸続きだった頃から生き残ってきたアマミノクロウサギなどの希少野生動物が数多く生息しています。アマミノクロウサギの生息数は少なく(徳之島個体数は推定200頭前後)、その生息地と人の住む集落の距離が近いこと等から、ネコの影響が深刻な状況です。平成26年から環境省や徳之島3町などが協力してネコに係る対策が始まりました。アマミノクロウサギをはじめとする希少動物の生息域からネコを捕獲・搬出し、避妊去勢手術や健康状況の検査を行った後、飼養施設で馴化・譲渡しています。また、集落周辺のネコは、避妊去勢手術が進められているほか、飼い猫の適正飼養条例も制定されています。

2.今後の対応

○モニタリング及び捕獲の継続

 環境省では、引き続き、生態系の保護上重要な地域等においてネコのモニタリング・捕獲を継続します。また、関係自治体等と連携・協力しながら、捕獲されたネコの馴化・譲渡も推進します。

 当該写真が記録された地点には、現在カゴ罠を設置し、捕獲を試みているところです。

 

○普及啓発による適正飼養の推進

 奄美大島・徳之島の希少野生生物の保護とネコやイヌなどのペットの適正飼養を図る観点から、鹿児島県や地元市町村等と連携・協力して、マイクロチップ普及のモデル事業や普及啓発活動を実施し、所有明示措置の推進や終生飼養の徹底などペットの適正飼養に関する取組を推進していきます。
 ネコやイヌを飼育されている方々は、ペットのためにも野生動物のためにも、マイクロチップの装着等によって身元を明らかにし、家族の一員として最後まで責任を持って面倒を見ていただくよう、くれぐれもよろしくお願いします。

 

 今回添付した自動撮影調査によるデジタル写真のファイル提供を希望される者は、デジタルファイルの受信希望アドレスから、以下のアドレスにメールを送信して下さい。

RO-AMAMI@env.go.jp

 なお、写真を利用される際には、「環境省那覇自然環境事務所 提供」等のクレジットを入れて下さい。

環境省 那覇自然環境事務所

所長 西村 学

担当 徳之島自然保護官事務所

自然保護官 渡邊 春隆

電話:0997-85-2919