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沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2015年04月10日
  • その他

飼育下におけるヤンバルクイナのヒナ誕生について(お知らせ)

 環境省ヤンバルクイナ保護増殖事業において、飼育中のヤンバルクイナ2ペアの自然繁殖(注)に成功し、ヒナ計7羽の誕生が確認されましたのでお知らせします。このうち1ペアは雄雌とも飼育下で生まれた個体であり、そのヒナ3羽は飼育下で誕生した第2世代となります。ヤンバルクイナの飼育下での第2世代の誕生は初めての事例となります。

1.平成26年-平成27年繁殖シーズンの繁殖状況

 平成26年-平成27年繁殖シーズンは、環境省ヤンバルクイナ保護増殖事業の一環で、環境省ヤンバルクイナ飼育・繁殖施設及びNPO法人どうぶつたちの病院沖縄が所有する施設(いずれも場所は国頭村安田)において、現在までに5ペア(つがい)の繁殖を試みています。そのうち3ペアで産卵が確認されました。3ペアのうち、2ペアでヒナが計7羽が誕生しています。また、残りの1ペアは産卵が見られたものの親鳥による破卵行為が見られたため、卵を救護し、現在人工孵化を試みています。

2.繁殖成功ペアの詳細

(1)オス:2012/5/17生まれ(個体番号SB100、飼育下繁殖個体)

メス:2012/3/18生まれ(個体番号SB84、飼育下繁殖個体)

ヒナ:3羽

場所:ヤンバルクイナ救命救急センター(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄所有)

概要:このペアはともに飼育下(自然繁殖)で生まれた個体同士のペアで、初めて飼育下のヤンバルクイナで第2世代が誕生したことになります。

(2)オス:2007/5/8生まれ(個体番号SB26、ヒナ救護)

   メス:2007/10/5生まれ(個体番号SB35、捕獲個体)

ヒナ:4羽

場所:やんばる野生動物救護センター(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄所有)

   概要:このペアは、ともに野生下生まれのペアです。(図1)

(3)オス:20060422生まれ(個体番号SB8、人工孵化)

   メス:20060723生まれ(個体番号SB16、ヒナ救護)

卵:1卵(残り3卵は親鳥による破卵行動により死亡)

場所:環境省ヤンバルクイナ飼育・繁殖施設

   概要:人工孵化に移行。4月1日に孵卵器内で胚発生を確認。

図1.やんばる野生動物救護センターで誕生したヒナ(写真左から2羽)と親鳥(右)

図1.やんばる野生動物救護センターで誕生したヒナ(写真左から2羽)と親鳥(右)

3.ヒナの動画の公開

 今回誕生したヒナの動画をYouTube環境省動画チャンネルで4月10日12時より公開します。以下のアドレスでご覧いただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=zpLjMF62CaIこの動画はクレジットを明記していただくことで、テレビ放映等へ使用可能です。

 なお、上記の各施設は感染症対策等のため原則非公開となっております。写真提供が必要な場合は、やんばる野生生物保護センターへご連絡をお願いします。

(注)自然繁殖:飼育繁殖施設内で遺伝的多様性や相性に配慮した雌雄ペアをケージ内で同居させ、自然状態で繁殖させることを言います。抱卵、孵化、育雛等も人の手を一切加えることなく、親鳥にゆだねています。