那覇自然環境事務所

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報道発表資料

那覇自然環境事務所報道発表資料>2010年度

【お知らせ】ヤンバルクイナの交通事故について(過去最多となる24件目)

2010.07.20 那覇自然環境事務所

 7月16日(金)の18時10分頃に24件目となるヤンバルクイナの交通事故死個体が確認されました。過去最多であった平成19年の23件を超え、記録のある平成7年以降で最多となってしまいました。
 去る6月3日に、交通事故の多発を受けて非常事態宣言を出したところですが、その後も10件の交通事故が発生しています。平成19年には、7月以降に11件もの事故が発生しており、今後も予断を許さない状況となっています。
 沖縄島北部のヤンバルクイナ生息域では、周囲に十分注意して自動車のスピードを十分落としていただきますようお願いします。
 事故に遭遇したり、ケガをした個体を目撃した場合は、迅速な情報提供をお願いいたします。
 (やんばる野生生物保護センター:0980-50-1025)

 ヤンバルクイナの発見時の状況は、下記の通りです。

1.発見日時

 平成22年7月16日(金)18時10分頃

2.発見場所

 国道58号線18kmポスト付近(国頭村辺野喜)、南下車線路側帯上

3.発見時の状況

 18時10分頃に国頭村辺野喜において、轢かれたばかりのヤンバルクイナが死亡しているとの連絡がやんばる野生生物保護センターにありました。事故の衝撃で鼻や口から出血があり頭蓋骨が骨折していました。なお、7月1日にも18時40分頃にほぼ同じ場所で死亡事故が発生しています。

4.本年(7月20日現在)のヤンバルクイナの発生件数

 1月1件 4月7件 5月6件 6月6件 7月4件  計24件

5.ヤンバルクイナの交通事故の発生状況(別紙資料参照)

 今年に入ってから24件の交通事故が確認され、過去最多であった平成19年の23件を超えました。
 7、8月はヤンバルクイナのヒナの成長期にあたり、注意力の低い個体が道路へ飛び出す可能性が高くなります。交通事故を防ぐには車のスピードを落とすことが最も有効です。今後ともやんばる地域(特に国頭村内)での車両の走行時には、十分周囲に注意して急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるくらいまでスピードを落として運転していただきますようお願いします。

6.交通事故を防ぐためのさまざまな取り組み

 北部3村では、交通事故の実態を知ってもらうため、各村の道の駅に事故件数表示看板を設置する予定です(東村は設置済)。また、大宜味村の田嘉里酒造では、事故防止のための取組として、泡盛「山原くいな」に交通事故防止を呼びかけるタグを付けることとしています。
 やんばる国頭の森を守り活かす連絡協議会(CCY)では、交通事故防止を訴えるDVDを作成しました。今後様々な場所での放映に向けて働きかけをしています。また、CCYを中心として、県道2号では道路わきの見通しを良くしヤンバルクイナの飛び出しに気づきやすくするための草刈りが行われています。
 環境省では、交通事故等が発生した場所へ、ドライバーへの注意喚起のための簡易看板(資料写真有り)を設置しています。

7.その他(別添資料参照)

 国頭村奥で交通事故に遭った個体が6月17日に放鳥されました。事故を起こしてしまった方から直接の連絡及び搬送があり、重篤状態であったにもかかわらず無事野生復帰することができた初めての事例です。動物病院への搬送までに2時間程度しかかかっておらず、早急な救護を行えば助かる個体もいることがわかりました。
 やんばる野生生物保護センターではヤンバルクイナの交通事故等の情報を取り寄せておりますので、ヤンバルクイナなどの希少動物の交通事故を起こしてしまった、または事故に遭った個体を目撃した場合は、迅速な情報提供をお願いいたします。(やんばる野生生物保護センター:0980-50-1025)

添付資料

 別添資料 [PDF 1,050KB]