報道発表資料

2018年10月15日

平成29年度沖縄島北部地域におけるマングース防除事業の実施結果及び30年度計画について (お知らせ)

環境省と沖縄県は、連携協力して沖縄島北部地域において外来生物法で特定外来生物に指定されているマングースの防除事業を行っています。
平成29年度は28頭のマングースを捕獲しました。平成28年度に比べて、マングースの捕獲数、捕獲される地域ともに半減したことから、マングースの生息数、分布域は順調に減少していると考えられます。また、マングース防除を開始した平成12年度以降、初めて国頭村におけるマングースの捕獲がありませんでした。
平成30年度は第3期計画の2年目として、平成38年度までのSFライン以北からの完全排除に向け、引き続き捕獲圧をかけられるよう同様の体制で作業を実施しています。

1.背景

フイリマングース(以下、「マングース」とする)は1910年に沖縄島の那覇市郊外に持ち込まれた外来種です。沖縄島南部に定着し、次第に分布域を拡大して、1990年代には塩屋湾(大宜味村)と福地ダム(東村)を結ぶ線(SFライン)より北へ侵入したと考えられています。マングースの分布域拡大に伴って、ヤンバルクイナなどの希少野生動物の分布域の縮小や生息数の減少が明らかになりました。

このため、平成12年度から沖縄県が、平成13年度から環境省がマングースの防除事業を開始しました。平成17年度には、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づいてマングースが特定外来生物に指定され、SFラインより北の地域からマングースを根絶することを目標として防除実施計画を立て、この計画に沿って環境省と沖縄県が連携して防除事業を実施してきました。これまでの対策により、マングースの生息数は大きく減少し、ヤンバルクイナなどの希少種をはじめとする在来種の回復傾向が見られています。また、マングースの捕獲に関する各種データの蓄積も進み、マングースの完全排除に向けた方策を検討できる状況になってきました。

平成28年度には、これまでの成果を踏まえて防除実施計画の見直しを行い、新たに平成29年度から平成38年度までの10年間でSFライン以北のマングースを完全排除することを目標とした「第3期沖縄島北部地域におけるマングース防除実施計画(以下「第3期計画」という。)」を作成しました。平成29年度からこの計画に基づいて事業を実施しました。

平成30年度は第3期防除実施計画の2年目として、昨年度と同様の作業体制で事業を実施しています。

2.平成29年度防除事業の結果 (SFライン以北)

(1)実施期間

環境省 平成29年4月1日から平成30年3月31日まで

沖縄県 平成29年4月3日から平成30年3月30日まで

(2)事業実施区域

環境省 SFライン以北の国頭村、大宜味村、東村

沖縄県 SFライン周辺の大宜味村、東村

 

(3)実施体制

平成29年度は環境省26名、沖縄県15名の計41名のやんばるマングースバスターズで捕獲作業等を実施しました。また、これとは別に北部訓練場では米海兵隊による事業も実施されました。

(4)捕獲結果

①全体概要

1,277,095わな日の捕獲作業を行い、24頭のマングースを捕獲しました(表1)。なお、捕獲作業には、従来使用してきたカゴわなに加えて、平成20年度から導入した捕殺式筒わなを在来種の分布状況に配慮しながら使用しました。また、探索犬とハンドラーの連携によるわなによらない捕獲(非わな捕獲)で4頭が捕獲されました(表2)。平成29年度の捕獲総数は28頭となり、マングースの防除を開始した平成12年度以降、最も捕獲数が少なくなりました。平成28年度の捕獲数(78頭)から約65%減少、最も捕獲数の多かった平成19年度(619頭)と比べると22分の1程度となりました。CPUE(1,000わな日あたりの捕獲数)も0.019となり、前年度(0.033)から減少しました。また、平成29年度は防除開始以降、初めて国頭村での捕獲がないなど、マングースが捕獲されるメッシュ数も大幅に減少しました。

以上のことから、沖縄島北部地域におけるマングースの個体数及び分布域は順調に縮減してきていると考えられます(図2、図3)。

※メッシュ: 基準地域メッシュ(三次メッシュ)と呼ばれるもので、おおよそ1km四方。捕獲結果の集計に用いている。

マングースの他に、在来種に悪影響を及ぼすおそれのある外来種としてクマネズミ393頭、ノネコ8頭も捕獲、排除しました。在来種はオキナワトゲネズミ16頭、ケナガネズミ12頭、ヤンバルクイナ4羽、アカヒゲ97羽などが混獲されました。混獲された在来種の多くは捕獲地点にて放逐しましたが、ケナガネズミ10頭、アカヒゲ10羽はわな点検時にわな内で死亡していました。わな種によるマングースの捕獲の方法及び区域を計画的に調整することにより、引き続き混獲防止に努めていきます。

1.平成29年度までのわなによるマングース捕獲結果

表2.探索犬とハンドラーによる非わな捕獲数

②地域ごとの捕獲結果

第3期計画では、沖縄島北部地域を河川やダム湖などを境に8つの作業区域にわけ、マングースの生息密度の低い北側からマングースを地域的に排除していくこととしています。マングース防除の進捗を詳細に評価するために、沖縄島北部地域を北部(作業区域Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)、中部(作業区域Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ)、南部(作業区域Ⅶ、Ⅷ)の3つの地域に分けて捕獲結果を集計しました(図4、図5)。

・北部(主に国頭村の謝敷-安田以北) : 第3期計画の作業区域Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ

平成14年度以降、少数ながらほぼ毎年、マングースが捕獲されていましたが、平成24年度以降、6年連続でマングースが捕獲されていません。捕獲作業に加えて、マングース探索犬やセンサーカメラ※※などによりモニタリングを行っており、平成29年度もマングースの生息情報は全く得られなかったことから、北部(区域Ⅰ~Ⅲ)ではマングースを排除した状態を維持できていると考えられました。この地域では、マングースが再侵入することがないよう、引き続き捕獲作業やモニタリングを行っていきます。

※マングース探索犬:マングースの臭いや糞などの痕跡をたよりにマングースの生息を確認する犬

※※センサーカメラ:動物の体温に反応して自動で写真を撮影するカメラ

・中部(主に国頭村の与那-安波以南) : 第3期計画の作業区域Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ

平成19年度には、年間のマングース捕獲数は119頭となっていましたが、その後、減少に転じ、平成29年度は初めてマングースの捕獲がありませんでした。モニタリングにより、現在もごく少数ながらマングースが残存していると思われることから、マングースの生息情報に応じて、集中的な捕獲作業を実施していきます。

・南部(主にSFライン以北の大宜味村、東村) : 第3期計画の作業区域Ⅶ、Ⅷ

 平成15年度から平成20年度にかけて毎年500頭程度のマングースが捕獲されるなど、沖縄島北部地域で最もマングースの生息密度が高い地域です。平成21年度以降、減少傾向がみられ、平成29年度のマングース捕獲数は28頭となりました(ピーク時の平成17年度に比べ、18分の1程度に減少)。現在もマングースが残存していることから、引き続き面的に高い捕獲圧を維持し、より一層の低密度化を図ります。

3.平成30年度防除事業計画

第3期計画の2年目として、平成38年度までのSFライン以北からの完全排除に向け、引き続き捕獲圧をかけられるよう同様の体制で作業を実施しています。

(1)実施期間

環境省 平成30年4月1日から平成31年3月31日まで

沖縄県 平成30年4月2日から平成31年3月29日まで

(2)事業実施区域

環境省 SFライン以北の国頭村、大宜味村、東村

沖縄県 SFライン周辺の大宜味村、東村

(3)捕獲作業および実施体制

年間の捕獲努力量目標は120万わな日とし、環境省27名、沖縄県15名の計42名のやんばるマングースバスターズで捕獲作業等を開始しています。

担当:やんばる自然保護官事務所
(やんばる野生生物保護センター)
上席自然保護官 小野 宏治
電話:0980-50-1025
自然保護課 世界自然遺産推進室
主幹 山田 和枝
電話:098-866-2243

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