報道発表資料

2016年12月07日

イリオモテヤマネコの死体回収について(お知らせ)

 平成28年12月4日(日)21時10分頃、字上原の県道上で交通事故によって死亡した可能性のあるイリオモテヤマネコのオスの幼獣の死体が回収されました。現在死亡原因について調べています。平成28年(2016年)はすでに6件の交通事故が発生しており、年間の事故件数が過去最多と並んでいます。今回の死因が交通事故だった場合、年間事故件数が過去最多の7件目となります。今年死亡した個体の中には妊娠中の個体や幼獣が含まれており、これからの繁殖に影響し、絶滅のおそれが高くなっています。
 現在、環境省と竹富町ではイリオモテヤマネコ交通事故多発警報を発令中です。法定速度を守り、生き物に配慮した安全運転で交通事故は回避できたかもしれません。
 これ以上事故が起きないよう人にも動物にも優しい運転の心がけをお願いいたします。

1.事故の概要

①発見日時 : 平成28年12月4日(日) 午後21時10分頃

②場所 :字上原の県道215号線路上(別紙1.位置図参照)

③個体の状況

体重1,420g、体長396mm、オス 幼獣

2.発見時の状況

 12月4日(日)21時10分頃、字上原の県道路上でイリオモテヤマネコの死体が確認されました。死亡個体はオスの幼獣です。

 死体はセンターにて、計測、一次検査等を行った後、専門家による詳しい死因究明のための病理検査、寄生虫検査等を実施するため、鹿児島大学共同獣医学部獣医学科に搬送する予定です。

 一次検査では、外傷および骨折等は見られませんでしたが、路上での死亡個体が発見されたことから、交通事故よって死亡した可能性があると考えています。

3.イリオモテヤマネコの交通事故の発生状況

 イリオモテヤマネコの交通事故は記録が残っている昭和58年(1978年)以降、75件(うち72件で死亡確認)が確認されています。

・ 近年のイリオモテヤマネコ交通事故件数

 平成28年(2016年)はこれまで6頭の交通事故が発生しており、過去最多件数と並んでいます。今回の死亡が交通事故よる場合は7件目の交通事故となり、過去最多件数の交通事故となります。

4.今後の対策について

 これまでの交通事故の状況から、道路上に出ているヤマネコを素早く見つけられるようヤマネコの隠れ場所の除去およびヤマネコが道路上に出ないような措置が必要と考えられるため、今年度中に下記の事業を実施したいと考えています。

・道路沿いの草刈り

 道路際の草にヤマネコが隠れていて、急に飛び出したため事故に遭遇したケースがありました。道路際までヤマネコが出てきていることがドライバーに認識されやすいよう、隠れ場所となる草刈りを実施計画中です。

・ネコボックス(アンダーパス)の清掃

 道路の下にトンネルを設置し、ヤマネコが路上を通過しなくても道路を横断できる施設があります。このトンネルをアンダーパス(通称:ネコボックス)と呼びますが、出入り口に植物が繁茂するなどし、ヤマネコが利用しにくい環境になっていると思われます。ネコボックスが利用されなければ必然的に路上に出てきてしまいますので、出入口の植物を除去・清掃することで、ネコボックスへ誘導したいと考えています。

5.交通事故防止に向けたお願い

 これ以上の事故を起こさないために、西表島で運転する際には法定速度を守り、より一層生き物に配慮した安全運転をお願いいたします。

 推定個体数が約100頭しかいないヤマネコにとって、年間で7頭の命が交通事故で失われたことは非常に憂慮すべき事態です。交通事故で健康な個体の命が一瞬で失われることは絶滅危惧種であるイリオモテヤマネコにとって大きな脅威となっており、絶滅のおそれが高まっています。

 西表島では全島的にイリオモテヤマネコの目撃情報がありますので、特に夜間は十分周囲に注意して急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるくらいまでスピードを落として運転していただきますようお願いします。特にイリオモテヤマネコの目撃情報が多い箇所には移動式の注意看板を設置していますので、特にこの付近での運転はご注意ください。

6.イリオモテヤマネコ交通事故多発警報について

 今年のイリオモテヤマネコの交通事故発生ペースが上半期で6件と頻度があまりにも高かったため、環境省及び竹富町ではイリオモテヤマネコ交通事故多発警報を発令しておりましたが、その中でも事故が再度発生してしまい、今後さらなる対策が必要と考えております。

 現在、西表島内を運転する方には下記の4つの呼びかけを行っています。

 1.場所に注意!

  ヤマネコの目撃情報が多発していたり、交通事故の可能性が高い場所には移動式看板を設置しています。移動式看板の付近では減速をお願いいたします。

 2.時間に注意!

  ヤマネコが活発に行動する夜明けと夕暮れ前後の時間帯は特に注意して運転をお願いします。

 3.速度に注意!

  ヤマネコは突然飛び出します。運転速度は集落内時速30キロ、西表島内時速40キロでお願いします。

 4.事故の連絡

  イリオモテヤマネコを目撃した、衝突してしまった、死体を発見した、などの場合は、365日24時間いつでも対応できる体制を取っていますので、西表野生生物保護センターに至急の通報をお願いします。万が一、交通事故の当事者となってしまっても、故意でない限り罪に問われることはありませんので、より迅速な救護と今後の対策に役立てるためにも情報をお寄せ下さいますようお願いします。

【傷病及び死亡個体発見時の連絡先】

Tel:0980-85-5581(環境省西表野生生物保護センター)24時間連絡可

<沖縄県政記者クラブ、八重山記者クラブ 同時発表>

環境省 那覇自然環境事務所

 所長 西村 学

担当:西表自然保護官事務所

   自然保護官 杉本 正太

電話:0980-84-7130

   (西表野生生物保護センター)

添付資料

  • アクティブレンジャー日記 九州地区(リンク)
  • 環境省Twitter(リンク)
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