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沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2011年11月01日
  • その他

お知らせ:ヤンバルクイナ及びケナガネズミの交通事故について

那覇自然環境事務所

 10月29日(土)に国頭村与那の与那林道の路上でヤンバルクイナの交通事故死亡個体が確認され今年の確認件数が34件にとなり、過去最多であった昨年の33件を上回りました。
 さらにケナガネズミも、22件の交通事故が確認されており、過去最多であった昨年(平成22年)の17件を上回っています。
 沖縄島北部のヤンバルクイナ及びケナガネズミ生息域では、日夜問わず道路周囲に十分気を配り自動車のスピードを十分落としていただきますようお願いします。

ヤンバルクイナ、ケナガネズミ、及び保護固体の治療の様子についての画像を希望される場合は、やんばる野生生物保護センターまでご連絡下さい。

1.2011年(11月1日現在)のヤンバルクイナの交通事故確認件数

 1月0件 2月1件 3月2件 4月4件 5月6件 6月6件 7月3件
 8月6件 9月2件 10月4件 計34件

2.2011年(11月1日現在)のケナガネズミの交通事故確認件数

 1月0件 2月3件 3月1件 4月1件 5月5件 6月4件 7月6件
 8月0件 9月2件 10月0件 計22件

3.ヤンバルクイナ及びケナガネズミの交通事故の発生状況(別紙参照 [PDF 900KB])

■ヤンバルクイナ

(1)過去最多の交通事故
現在34件の交通事故が確認されており、記録の残る平成7年以降最多であった昨年(平成22年)の33件を上回りました。
(2)土日の交通事故の増加 [JPG 31KB]
34件の事故のうち土曜日及び日曜日の交通事故確認が16件と全体の半分近くを占めています。
(3)救護個体の大幅な増加
今年は8個体の救護があり5羽が野生復帰しています。4個体以上の救護は初めてであり野生復帰についても過去最多であった2羽を大きく上回りました。

■ケナガネズミ

(1)過去最多の交通事故
現在22件の交通事故が確認されており、記録の残る平成17年以降最多であった昨年(平成22年)の17件を上回りました。
(2)交通事故地点の集中
交通事故が確認された地点が県道2号線の与那から大国林道始点入口までの区間に集中しています。ケナガネズミが道路へ出現する区間として通行の際には特に注意が必要です。

4.交通事故を防ぐための「ストップ!ロードキル」運動の取組み

 平成23年度からやんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議*のメンバーが中心となり、重点区間を設け集中的な交通事故対策を行う「ストップ!ロードキル」運動を展開しました。

(1)重点区間の設置 [JPG 256KB]

 交通事故が多発していた県道70号9.0-10.0キロポスト(楚洲)に重点区間を設けました。看板の設置などで注意を促し、昨年(平成22年)にこの区間で4件確認された事故件数が今年は2件に減っています。

(2)側溝清掃の実施 [JPG 157KB]

 ヤンバルクイナの餌となるミミズなどの小動物の発生を防ぐため側溝にたまった腐葉土等の除去を行う側溝清掃を2回実施しました。ロードキル連絡会議の構成機関を中心とし地元の方々の協力を得て行いました。

(3)普及啓発の実施

 ロードキル発生防止のためのリーフレットを作成し一般の方々に積極的に配布するなど広く普及啓発を行いました。

5.環境省那覇自然環境事務所からのお願い

 沖縄島北部地域を自動車で走行する場合には、制限速度以下で特に慎重な運転をお願いします。

 急なヤンバルクイナの飛び出しを避けるためには十分速度を落とし、周囲に注意を払って運転することが重要です。また、夜間においてもケナガネズミが路上へ出てくるため注意が必要です。

 ヤンバルクイナ等の事故を起こしてしまった場合や、傷ついている個体を発見した場合には、至急の通報をお願いします。

 迅速な救護により野生復帰の可能性がとても高くなります。

 また、交通事故の場所や時間を調べ、対策に役立てています。万が一、事故の当事者となってしまっても、故意でない限り罪に問われることはありませんので、情報をお寄せ下さいますようお願いいたします。

連絡先

 0980-50-1025、090-6862-9170(環境省やんばる野生生物保護センター)
 090-6857-8917(クイナダイヤル、NPO法人どうぶつたちの病院)

*やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議

 近年、ヤンバルクイナ等、希少野生動物の道路周辺における死亡事故(ロードキル)が多発していることを受け、関係機関が連携して対策に取り組むことを目的に、平成16年6月に発足。自然保護、道路管理及び道路利用に関連する行政ならびに関係する機関、計25機関(下記参照)によって構成。事務局は那覇自然環境事務所。

構成機関

 沖縄総合事務局開発建設部北部国道事務所、沖縄総合事務局北部ダム事務所、沖縄総合事務局北部ダム統合管理事務所、林野庁九州森林管理局沖縄森林管理署、沖縄県環境生活部自然保護課、沖縄県土木建築部道路街路課、沖縄県土木建築部道路管理課、沖縄県農林水産部農村整備課、沖縄県農林水産部森林緑地課、沖縄県文化観光スポーツ部観光振興課、沖縄県北部土木事務所、沖縄県教育庁文化財課、沖縄県北部農林水産振興センター森林整備保全課、沖縄県警察本部交通企画課、沖縄県名護警察署、国頭村、国頭村教育委員会、大宜味村、大宜味村教育委員会、東村、東村教育委員会、社団法人沖縄県獣医師会、NPO法人どうぶつたちの病院、やんばる国頭の森を守り活かす連絡協議会、環境省那覇自然環境事務所

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