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報道発表資料

那覇自然環境事務所報道発表資料>2010年度

【お知らせ】イリオモテヤマネコの交通事故発生について

2010.09.10 那覇自然環境事務所

 9月9日夜、西表島の県道由珍橋付近で交通事故に遭ったイリオモテヤマネコ幼獣の死亡個体が発見されました。
 イリオモテヤマネコの交通事故は、1978年以降の32年間で52件目(事故目撃を入れると53件目)となり、2010年は5件の死亡事故と1件の事故目撃が確認されています。今回の死亡事故は過去最多であった平成13年の記録(5件)に並ぶものであり、事故発生のペースとしては過去最悪の状況となっています。
 西表島で車を運転する際には、法定速度を守ってスピードを控えるとともに、野生動物の飛び出しに十分注意して下さい。

1.事故の概要

[1]事故発見日時

 平成22年9月9日(木) 19時25分

[2]発生場所

 西表島 県道由珍橋付近路上

[3]死亡個体の状況

 体重584g、全長45.3cm、生後2〜3ヶ月令、離乳済み個体であり、前日まで頻繁に路上に現れていたことが確認されている。現場付近の状況から路上の昆虫等小動物を食べ歩いていた際に事故に遭ったと推定される。

2.事故発生時の状況

 ヤマネコ幼獣の路上出現が最近頻発していたため、西表野生生物保護センター職員が、県道白浜南風見線において、交通事故防止パトロールをしていたところ、9月9日19時25分、由珍橋付近の路上で死亡している幼獣を発見しました。
 ただちにセンターに搬入し、NPO法人どうぶつたちの病院の協力を得て、計測、一次検査等を行った後、専門家による健全性把握、病理検査及び寄生虫検査等のため、鹿児島大学農学部獣医学科に送付しました。

 死亡していた幼獣は、9月7、8日の両日、同じ路上で頻繁に目撃されており、交通事故の危険性が強く懸念されたため、8、9日はセンター職員らによって移動式看板やのぼりを設置して注意喚起しつつ、9日は一番出てくる時間帯に出没しそうな範囲で徐行パトロールを実施していたところでした。事故は職員らが現場の反対側でパトロールをしている数分の間に発生しました。
 幼獣は西表野生生物保護センターが実施しているセンサーカメラによるモニタリングで確認している定住メスの仔である可能性が高く、現場付近にはまだもう1頭幼獣がいることも考えられます。

3.イリオモテヤマネコの交通事故防止にかかる留意事項

 現在は親が目を離した隙に仔ネコが事故にあいやすい季節です。西表島で自動車を運転される際は、法定速度を守り、スピードは控えめにし、路上の野生動物に十分注意して下さい。特に夜間はヤマネコの活動が活発になるため、より慎重な運転をお願いします。今回のようにイリオモテヤマネコの目撃情報が多い地点には、注意喚起の看板やのぼりを設置しています。これらの設置物を見かけた際には、特に周囲に注意し、慎重な運転を心掛けていただきますようお願いいたします。

 また、イリオモテヤマネコを目撃した、交通事故を起こしてしまった、死体を発見したなどの際には、365日24時間いつでも対応できる体制を取っていますので、西表野生生物保護センター(0980-85-5581)に連絡して下さい。
 特に、事故当事者による通報は、迅速な回収により助けられる可能性が高まります。また、その後の事故対策を考える上でも極めて重要です。事故を起こしてしまった場合でも、故意でない限りは罪に問われることはありませんので、万一の場合はぜひご協力下さいますようお願いいたします。

(参考)

イリオモテヤマネコの交通事故は記録が残っている1978年以降、52件目(うち51件が死亡)
最近のイリオモテヤマネコ交通死亡事故
2008.1.26
オス 成獣(定住)
2008.3.11
オス 成獣(定住)
2008.5.1
メス 成獣(定住)
2009.7.22
オス 幼獣
2010.1.3
オス 幼獣
2010.2.14
オス 亜成獣
2010.4.13
メス 亜成獣
2010.7.12
オス 成獣(放浪)

添付資料

 別紙 [PDF 989KB]

以上