報道発表資料
【通知】奄美大島におけるジャワマングース防除事業平成19年度事業の実施結果等について(内容の訂正)
2008.6.6 那覇自然環境事務所
環境省那覇自然環境事務所では、標記について平成20 年5 月23 日に(金)にお知らせしたところですが、暫定値としていた捕獲努力量が確定しましたのでお知らせします。また、捕獲個体数に誤りがありましたので、以下のとおり訂正するとともにお詫びいたします。
併せて、前回の発表では未報告だったマングース生息の存否モニタリング調査の結果についてお知らせします。
<平成19 年度防除事業の実施結果等について>
(1)防除事業による捕獲結果
- 【1】捕獲努力量(わな日: のべわな日数=わなの数×日数)
- 平成19 年度: 1,379,410 わな日(確定値) ← 1,372,369 わな日(暫定値)
- 平成18 年度: 1,051,026 わな日
- 平成17 年度: 630,822 わな日
- 平成16 年度: 318,715 わな日
- 【2】捕獲個体数
- 平成19 年度: 783 頭(確定値) ← 780 頭(前回発表値)
- 平成18 年度: 2,713 頭
- 平成17 年度: 2,591 頭
- 平成16 年度: 2,524 頭
表1 月別のマングース捕獲状況
捕獲数 | オス | メス | 性別不明 | わな日 | CPUE | |
---|---|---|---|---|---|---|
4月 | 10 | 0 | 8 | 2 | 13,745 | 0.07 |
5月 | 3 | 0 | 1 | 2 | 10,910 | 0.03 |
6月 | 12 | 1 | 3 | 8 | 52,745 | 0.02 |
7月 | 34 | 2 | 2 | 30 | 154,840 | 0.02 |
8月 | 59 | 3 | 1 | 55 | 151,940 | 0.04 |
9月 | 46 | 2 | 0 | 44 | 122,534 | 0.04 |
10月 | 82 | 2 | 1 | 79 | 142,083 | 0.06 |
11月 | 113 | 5 | 10 | 98 | 139,221 | 0.08 |
12月 | 139 | 4 | 1 | 134 | 150,199 | 0.09 |
1月 | 148 | 4 | 1 | 143 | 126,375 | 0.12 |
2月 | 88 | 4 | 1 | 83 | 155,329 | 0.06 |
3月 | 49 | 4 | 1 | 44 | 159,464 | 0.03 |
合計 | 783 | 31 | 30 | 722 | 1,379,410 | 0.06 |
CPUE(捕獲効率)とは、100 わな日あたりのマングース捕獲数
表2 市町村別のマングース捕獲状況
捕獲数 | オス | メス | 性別不明 | わな日 | CPUE | |
---|---|---|---|---|---|---|
奄美市名瀬 | 452 | 15 | 15 | 422 | 600,613 | 0.08 |
奄美市住用 | 69 | 3 | 5 | 61 | 107,058 | 0.07 |
龍郷町 | 139 | 2 | 0 | 137 | 296,894 | 0.05 |
大和村 | 122 | 10 | 10 | 102 | 357,001 | 0.03 |
宇検村 | 1 | 1 | 0 | 0 | 17,844 | 0.01 |
合計 | 783 | 31 | 30 | 722 | 1,379,410 | 0.06 |
表1、2とも下線部分が修正箇所
今回の捕獲個体数の誤りは、捕獲作業結果と平成20 年3 月下旬に実施したモニタリング調査結果のデータを別々に集計した際に生じたものでした。今後同様の誤りがないよう細心の注意を払っていきます。また、以下にモニタリング調査の概要をお知らせします。
(2)マングース生息の存否モニタリング調査の結果
今後の防除事業の正確な評価のために、年度末時点でのマングース生息の存否を確認し、生息密度を把握することを目的に、マングース捕獲作業実施地域において、以下のようなモニタリング調査を実施した。
- 【1】捕獲による生息モニタリング
- 奄美大島内のマングース分布域において、平成20 年3 月15 日〜22 日の7 日間、モニタリングラインを20 ルート設定し、各ルートに生け捕り式のはこわな50 個を設置して(1 日あたり1,000 わなを稼働)、マングースの捕獲状況を調査した。7,000 わな日の努力量投入の結果、合計3 頭のマングース(奄美市、龍郷町、大和村で各オス1 頭)が捕獲された。
- 【2】ヘアトラップによる生息モニタリング
- 捕獲による生息モニタリングと同時期同地域において、20 ルートのモニタリングラインのうち10 ルートに、動物の体毛のみを採取するヘアトラップを50 個ずつ設置した。連続7 日間の調査の結果、合計3 ルートで9 回のマングース体毛が採取された。うち2 ルートは、わなによる捕獲がなかったルートにおける生息の確認であった。
- 【3】モニタリング調査に関する考察
- 従来から実施してきた捕獲による調査では3 頭、新たに開発したヘアトラップではのべ9 回の体毛が採取され、それぞれ低密度ながら捕獲作業実施後もマングースの生息が確認される結果となった。
ただし、捕獲によるモニタリングでは、生息密度が推定できるほどの捕獲努力の投入は困難と考えられる。一方、今回初めて適用したヘアトラップ法では、カラスやイノシシによる妨害の防止等の課題はあるものの、マングースの生息確認方法としては簡便で有効であると考えられた。