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報道発表資料

那覇自然環境事務所報道発表資料>2007年度

【通知】石垣島におけるシロアゴガエルの生息状況と今後の対策

2007.10.22 那覇自然環境事務所

石垣島に定着した特定外来生物シロアゴガエルについて、これまでの調査結果をとりまとめましたのでお知らせします。

これまで生体やオタマジャクシが確認された場合には捕獲を行ってきていますが、今年生まれのオタマジャクシを成体になる前になるべく多く排除するため、オタマジャクシが確認された沈砂池などでは、プールなどで使用されている塩素剤を利用してゆくことなども計画しています。

石垣島におけるシロアゴガエルの防除対策にご理解ご協力をお願いします。

1.シロアゴガエルの生息状況

発見当初、石垣島におけるシロアゴガエルの生息域は、石垣空港周辺の範囲に限定していると考えられていました。中心的な生息地はこの範囲に集中していると考えられますが、調査が進むにつれて生息地は東西8km、南北3kmほどに渡って点在していることが明らかになってきました。主に夜間の鳴き声確認調査によって、およそ100地点を調査し、38地点でシロアゴガエルの生息が確認されました(添付地図参照[PDF])。

また、これまでの調査の中で、繁殖場所は小規模な集水マスから数百メートルに及ぶ排水路まで様々な水辺環境が含まれていました。これらの水辺環境のうち、複数個体のシロアゴガエルが利用し、沈砂池1カ所では、多数の幼生(オタマジャクシ)が見つかっています。

2.今後の対策

シロアゴガエルの分布拡大を防ぐためには、今年の繁殖期間中に可能な限りの対策を実践することが何より重要です。今後もこれまで分布調査とともに実施してきたオタマジャクシ、生体や泡巣の除去を繁殖期間中継続していきます。また、繁殖のためにシロアゴガエルが集まってきているような水場では、繁殖を阻害する作業を効率よく行うことができるような、あるいは、産卵しにくいような環境整備に取り組んでゆく予定です。既に、重要な繁殖地と確認されている沈砂池では泡巣を効率よく除去できるよう、シロアゴガエルが好んで産卵しそうな樹木を残しつつ、視界を遮りそうな灌木を伐採するとともに、カンムリワシリサーチらの協力を得て、沈砂池内の水をポンプアップした上で、オタマジャクシ約1000匹を除去しました。この沈砂池に関しては今年生まれた幼生を、変態を終え上陸してしまう前に排除する必要がありますが、その広さや地形から手作業による全捕獲が困難です。現在可能な限りのポンプアップを行い、沈砂池を干上がらせることを計画していますが、これが困難である場合、専門家の意見も踏まえ、プールの消毒に利用する塩素剤を投入することも予定しています。

塩素剤を投入する場合、沈砂池内において、飲料水(0.1mg/L〜1.0 mg/L)やプールの水(0.4mg/L 〜1.0mg/L)程度の塩素濃度を一定期間(数日〜1ヶ月程度)維持することを目標とします。この塩素剤の使用により、人間に対する影響はほとんどないと考えられるものの、沈砂池に残された小動物はほぼ全滅することになります。このため、塩素剤投入により駆除するシロアゴガエルの幼生以外の小動物の死亡を極力回避するために、9月16日に沈砂地内で発見されたヤゴなどを近接する水場に移動しました。

この沈砂池以外においても、類似の繁殖水場が他に発見された場合等には、必要に応じて同様の操作をすることも検討することとしています。

実際に塩素投入を実施する場合には、改めてお知らせいたします。

3.協力のお願い

引き続き10月末頃までの繁殖期間中、島内の多くの方々にシロアゴガエルについて注意を払っていただくとともに、鳴き声や樹上等に生み付けられる泡巣を発見したら、石垣自然保護官事務所(電話:0980-82-4768)まで連絡をお願いいたします。

添付資料

連絡先

環境省那覇自然環境事務所
所長 中島 慶二
担当 石垣自然保護官事務所
自然保護官 落合 三郎
TEL:0980-82-4768 FAX:0980-82-0279