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2010年9月7日

福岡大学による、自然環境保全活動【くじゅう地域】

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 8月17~18日、9月1日~2日に、福岡大学スポーツ科学部の学生延べ200人が、くじゅうでのキャンプ実習の一環として、坊ガツルを中心とした自然環境保全活動を行いました!

 これは、昨年から行われている取り組みで、自然環境保全を意識し、その意識を具体化することを目的に、九重の自然を守る会や法華院山荘の協力を得て行われているものです。

 私も9月1日~2日の、登山道保全整備作業及び外来植物駆除活動に同行させていただきました!


左上:平治岳のぬかるみに入れる石をバトンタッチ! 右上:法華院~鉾立峠の保全作業後
左下:坊ガツル一帯の外来植物駆除活動 右下:法華院での講義の様子

 作業は、登山道保全整備の土嚢班、石の運搬班、外来植物駆除班の3班に分かれて行われ、翌日はまた違う班の作業にとりかかるという流れで行われました!

 人間活動による、自然への影響は大きく、それを保全しようとする取り組みが、全く追いつかない状況です。
 くじゅう地域においても、登山道の浸食や外来植物の繁茂など、取り組まなければならない問題がたくさんあります。

 そういった状況の中、このような大学の活動は、くじゅうの自然環境に元気と活力を与えてくれました!


福岡大学の皆さん、お疲れさまでした!

2010年9月1日

高島地域の魅力①【瀬戸内海国立公園 大分県地域】

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 以前、高島の生物多様性として、高島に生息する生きものの紹介をしました。
 今回は、瀬戸内海国立公園に指定されている、高島地域の海域の魅力を紹介したいと思います。

 高島本土はもちろん、国立公園に含まれていますが、高島とすぐ近くにある牛島の汀線から沖合1kmの海域も、実は国立公園に含まれているのです。

 高島は、大分県佐賀関半島と愛媛県佐多岬の間に挟まれた、「豊予海峡」上にあります。
 豊予海峡は、豊後水道の中で水路が最も狭くなるために、潮の流れが集中し、流速が速くなっていることから、別名「速吸瀬戸」(はやすいせと)と呼ばれており、好漁場として知られています。

 高島本土からも、とても速い潮の流れを、はっきりと目にすることができました!


虹の出た豊予海峡
写真の海の上部に見える濃い青い線が潮の流れです!

 潮の流れが速いために、魚は身が引き締まり、脂がのっているといいます。
 全国的にも有名な高級魚「関サバ」「関アジ」は、このような環境で水揚げされているのですね。

 高島の海岸から見る海の水は、透明度が高く、とても美しかったです!
 少し潜ってみると、イシダイと見られる群れに出会いました♪


美しい海
左上がイシダイの群れ

 残念ながら、海岸には漂着ゴミが多数見受けられました。
 特に多いのが、空のペットボトルです。
 高島は無人島なので、ほとんどが九州本土から流れてきたゴミと考えられます。
 これらは皆、佐賀関半島周辺に住む、ボランティアの人達が、年に数回ゴミ拾い活動をしてくださっているそうです。


高島の海岸線

 美しい高島の自然を守るために、私たち1人1人にできることを考えてみませんか?

2010年8月30日

「夏の長者原探険!」を行いました!【くじゅう地域】

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 8月27日(金)、地元の飯田小学校3・4年生が加入している、飯田高原お宝探検隊で「夏の長者原探険!~タデ原散策と冷泉体験~」を実施しました!

 まずはタデ原散策を、ゲームを交えながら行いました。

 ルールは簡単で、最初にタデ原湿原にて、湿原の植物や昆虫、タデ原から見える風景など、各自気に入った「宝もの」を1つ、絵に描いてもらいます。
 それを参加者の間でランダムに交換して、他の人の書いた宝ものがどこにあるのかを探し、発見したら「お宝発見!」と言って、みんなで確認をするものです。


お宝発見!

 どの絵も植物や風景の特徴をよくとらえており、子ども達は全員、他の人の書いたタデ原の「宝もの」を発見することができました♪


子ども達の書いた絵の1つ「ススキ」 力作です♪

 その他には、タデ原の名の元となった「タデ」を始めて味わってみたり、ルーペで観察したりと、楽しい観察会となりました。

 タデ原散策の後には、長者原名物の「寒の地獄温泉」に行き、冷泉体験を行いました!

 まずは寒の地獄旅館で、寒の地獄の歴史や冷泉の効能などについて、説明をうけました。
 「ここには、マラソンランナーなどのスポーツ選手が、運動後にほてった体を冷やしによく来るんだよ。」という話を聞くことができました!
 

寒の地獄の冷泉体験

 当日外は蒸し暑いくらいだったのですが、冷泉に入ってみると、みんな「冷たい!」と言って、ぶるぶる震えていました!
 冷泉は14℃程度とのことですが、冷泉の成分の関係で、体感温度はかなり低く感じるそうです。

 今回は、長者原にあるたくさんの「宝もの」にふれることができました!!

2010年8月27日

【日本のいのち、つないでいこう!COP10まで50日前】

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
九州いきものリレー ~くじゅうの生物多様性(11)高島の生物多様性

 先日、瀬戸内海国立公園(大分県)の高島の巡視に行ってきました!
 高島は、大分県の佐賀関半島の沖合約3,5kmに位置する、周囲5,5kmの無人島です。
 高島についてはこちらもご覧下さい↓↓
http://kyushu.env.go.jp/blog/search.php?year=2010&month=6&day=15

 高島周辺は、豊後水道を北上する温かい黒潮分流の影響で、年平均気温が16℃程度と暖かく、高島地域を分布限界とする暖地植物も、数多く見ることができます。
 今回は、そんな暖かい「高島」ならではの生きものを紹介したいと思います。

 海岸に咲く、ハマカンゾウです。常緑の多年草で、葉は冬になっても枯れないそうです!

【種名】ハマカンゾウ 【科名】ユリ科
【撮影日】8月25日 【撮影場所】高島

 同じく海岸付近に多く見られるハマオモトです。
 年平均気温15℃の等温線をハマオモト線とし、ハマオモトはそれ以南に分布するといわれているそうです。(「豊の国 大分の植物誌」著:荒金正憲 参照)

【種名】ハマオモト 【科名】ヒガンバナ科
【撮影日】8月25日 【撮影場所】高島

 海岸付近では、たくさんのアオスジアゲハが飛んでいました。
 日本では東北以南に分布する蝶で、日本は分布の北限とされています。

【種名】アオスジアゲハ 【科名】アゲハチョウ科
【撮影日】8月25日 【撮影場所】高島

 高島では、阿蘇くじゅう国立公園くじゅう地域の山岳地帯と、全く違う生きものたちに出会うことができました!
 大分県は、多様な自然にあふれています♪

2010年8月24日

九州いきものリレー ~くじゅうの生物多様性(10)ヒゴタイ~

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 今回は、この時期見頃を迎える、「ヒゴタイ」を紹介します。
 ヒゴタイは、高さが高いものだと1、5m以上になり、草原からひょっこり頭を出しているのを目にすることができます。

 ヒゴタイは、草原性の植物です。
 近年、野焼きの範囲が減少すると共に生息環境が減少しており、環境省のレッドリストにも記載されています。


【名称】ヒゴタイ 【科名】キク科 【撮影日】8月18日 【撮影場所】タデ原  【環境省レッドリスト】絶滅危惧Ⅱ類(VU)


 花は瑠璃色の小さな花が集まって、全体がまん丸く見える、ユニークな形をしています。
 ちょうどお盆の時期あたりから見頃となることから、地元では「盆花」として親しまれていたようです。


ヒゴタイの球花

 ヒゴタイは、「大陸系遺存植物」と言われております。
 「大陸系遺存植物」とは簡単に言うと、※1万5千年~2万年前の最終氷河期に、海水の水位が下がり、日本と中国大陸や朝鮮半島などが陸続きだった頃、季節風に種子を飛ばされて、日本に入ってきたであろうと言われている植物のことをいうそうです。(※時期については諸説あります。)

 阿蘇くじゅう国立公園においては、ヒゴタイの他、エヒメアヤメやキスミレなども大陸系遺存植物の代表的な植物です。

 これらの植物が、1万年以上も前の出来事を今日に伝える、「生き証人」だというふうに見ると、尊敬の念がわいてくるのは私だけでしょうか?

2010年8月19日

泉水山の草原登山【くじゅう地域】

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 8月17日(火)、地元の九重町の小学校4~6年生の14名で、長者原から泉水山登山をしました!(「ここのえ夢クラブ」主催)

 泉水山では毎年、地元の飯田高原野焼き実行委員会が中心となって野焼きを行っており、草原の風景や、草花や虫など草原性生態系が守られています。
 今回は、そんなくじゅうの山を、地元の子ども達により深く知ってもらうため、行事の実施に協力をしました!

 出発時に、ここ(阿蘇くじゅう国立公園くじゅう地区)が全国で29カ所しかない国立公園のうちの1つであることや、草原がどのようにして保たれているのかなどの話をしました。


左:草原登山の様子 右:オミナエシ

 今まで山に全然登ったことがない参加者も多く、休み休み山頂を目指しました!
 登山中は、眼下に広がる飯田高原の風景を楽しみながら、草原で生きる花を観察しました!

 山の上では、オミナエシやマルバハギなど、秋の七草に登場する草花が咲き始め、ゆっくりと秋が山の上から降りてきていることを感じました。
 環境省の絶滅危惧種に指定されている、希少な草原性の花も見ることができました。


左:アセビのトンネル 右:下泉水山山頂

 アセビのトンネルにびっくりしたり、山頂では、涌蓋山や上泉水山、星生山などの絶景を目にして、疲れていた子ども達も大興奮♪

 行事の終了後、また来年も参加したいかと質問をすると、全員が手をあげてくれたそうです!!
 地元の子ども達に、国立公園に指定されている地元のすばらしい自然を知ってもらう機会が増えるよう、これからも、このような取り組みを応援していきたいと思います!



飯田高原をバックに集合写真♪

2010年8月16日

大分大学とのタデ原の外来種駆除活動!【くじゅう地域】

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 8月12日(木)、大分大学の「里山と里海」の授業の一環で、大分大の学生と教員合わせて44名が、タデ原のオオハンゴンソウ駆除活動に参加してくれました!(九重ふるさと自然学校協力)

 最初にタデ原湿原の生態系が、野焼きにより維持されていることや、どんな生きものが住んでいるのかを説明し、外来種駆除活動の意義を理解してもらいました。


タデ原の説明の様子

 オオハンゴンソウは、7月25日に九重の自然を守る会やくじゅう地区パークボランティアによる引き抜きによる駆除活動を行ったばかりです。
 しかし現在も、次々に開花しており、結実して種になる前に急いで駆除活動を行わないと、湿原の奥深くまで、野生動物が種を運ぶ恐れがあります。


上:駆除活動の様子
左下:駆除前 右下:駆除後

 駆除活動は1時間程度でしたが、元気いっぱいの大学生のおかげで、オオハンゴンソウがほとんど見当たらなくなりました。
 また、若さみなぎる大学生と共に活動したことで、こちらも活力をもらったような気がします!

 今回関わってくれた大学生の1人でもまたここに来て、さらにタデ原を好きになって、タデ原の保全活動にも関わりたいと思ってくれればいいなと思いました!


大分大の皆さん、お疲れさまでした!!

2010年8月13日

九州いきものリレーくじゅう生物多様性(9)キュウシュウエゾゼミ

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 夏になると、あちらこちらでセミの鳴き声が聞こえます。
 今回紹介するのは、広島地方以西の西日本に分布する、「キュウシュウエゾゼミ」です。

 キュウシュウエゾゼミは、「ギィー」と連続して鳴きます。今の時期、くじゅう地域では、登山道沿いのアセビ等にもはりついて、鳴いている姿を見ることができます。


【名称】キュウシュウエゾゼミ 【科名】セミ科 【撮影日】8月6日 【撮影場所】沓掛山

 セミの声は、その種類によって異なります。

 代表的なものとして、アブラゼミの「ジージリジリジリジリ」や、ミンミンゼミの「ミーンミーンミーン」、クマゼミの「シャアシャアシャアシャア」などは、よく聞いたことがあるのではないでしょうか。
 鳴くのはオスのセミだけで、メスを呼ぶために鳴くそうです♪

 一説では、セミの幼虫は2~5年、地中で育ち、羽化してからわずか2~3週間でその命を終えます。

 くじゅうでは、短い夏を惜しむかのように、オスのセミたちが精一杯鳴いています!

2010年8月12日

坊ガツルで外来植物の駆除活動を行いました!【くじゅう地域】

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 8月5日(木)、九州電力大分支店の呼びかけで、九電社員、九重の自然を守る会、環境省くじゅう自然保護官事務所の計19名が参加して、坊ガツルで外来植物の駆除活動を行いました!

 坊ガツルでは、32年間野焼きが途絶えていましたが、九州電力や法華院山荘や地元の方々が中心となって野焼きを復活させ、今年で11周年になります。

 野焼きが再開されて、湿原の植物や、それを利用する昆虫などの動物たちが少しずつ増えてきたという声を聞きます。しかし近年では、もともとそこにはなかった「外来植物」が侵入し、在来動植物の生態系に影響を及ぼす恐れが高まっています。


美しい坊ガツル湿原とくじゅう連山

 今回の駆除対象植物は、「アメリカセンダングサ」「セイタカアワダチソウ」「ヒメジョオン」などです。
 まずは、坊ガツルにどんな生きものが住んでいるのか、どうして外来植物を駆除する必要があるのかを説明して、作業にとりかかってもらいました。


左上:アメリカセンダングサ 右上:駆除活動の様子
左下:駆除した外来植物 右下:当日駆除活動を行った人達

 最初は、皆さん「どれが外来植物??」という感じでしたが、作業終了間際になると、「あ、ここにも!これも!」と積極的に見つけられて、時間ぎりぎりまで引き抜きを行っていました。
(駆除した外来植物は、ビニール袋の中で蒸し殺し、野焼き時に焼却する予定です。)

 自然の変化するスピードは本当に速くて、力強くて、外来種駆除活動をしても、登山道保全整備活動をしても、「人間は自然にはかなわないな」と思うことがよくあります。
 しかし、このような地道な活動を通して、1人でも多くの人に「自然を大切にしたい」と思ってもらえたら、それだけでも活動をする意義があるのではないでしょうか。

2010年8月10日

九州いきものリレー ~くじゅうの生物多様性(8)「ノリウツギ」~

著作者:アクティブレンジャー 種村 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
 今回紹介するは、野焼きをやめると真っ先に草原に侵入し始める、「ノリウツギ」です。

 ノリウツギは、切っても切っても、根元の横から側枝が出てきて再生する、生命力のある木です。
 近年では温暖化により、ノリウツギなどの灌木類の成長するスピードが速まっているとも言われており、ミヤマキリシマなど背の低い、高山植物の被圧が見方によっては問題視されています。


【名称】ノリウツギ 【科名】ユキノシタ科 【撮影日】8月6日 【撮影場所】久住山周辺

 今、そのノリウツギの花が、九重連山一帯で見頃を迎えています!山肌をピンク色に染めるミヤマキリシマの花もいいけれど、山肌を真っ白に染めるノリウツギの花も見事だと思いませんか?


久住山山頂付近(8月5日撮影)

 昔は、久留米の方からくじゅう地域へ養蜂家がノリウツギの蜜を採りに来ており、黒っぽいノリウツギの蜂蜜を売っていたと言います。
 また、ノリウツギの内皮からベトベトした粘液をとって、それを和紙を作るときの糊料(ノリ)として利用していたそうですよ♪

 昔の人は、私たち以上に植物達の性質をよく知っており、利用していたのですね!

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