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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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阿蘇くじゅう国立公園

161件の記事があります。

2016年10月21日秋色のくじゅう ~パトロールにいってきました!

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

みなさんこんにちは。すっかり秋めいてきましたね!

くじゅうでも「今年はいつもより紅葉が遅い」なんていわれつつも、標高の高いところでは紅葉が始まっています。

そして本日、高山植物パトロールに参加してまいりました!森林管理署や九重の自然を守る会、警察など、くじゅうの山に関わる人たちで年に数回、合同パトロールを行っています。

今回は牧ノ戸峠~黒岩山~泉水山のルートを歩きました。

上泉水山より眺めるくじゅう連山           ゴミ拾いをしながら歩きました

黒岩山や泉水山は、くじゅう連山をやまなみハイウェイで挟んだ向かい側にあります。標高は黒岩山1502.5m、下泉水山1296mとそこまで高いわけではありませんが、三俣山をはじめとするくじゅう連山やタデ原を一望でき、雲海の向こうには由布岳や阿蘇山の涅槃像(阿蘇五岳が雲海の上に浮かんでいるようすが、お釈迦様の寝ている姿に見える)が見えました。

阿蘇五岳(涅槃像)                タデ原を一望(奥に由布岳)

高山植物、といってもこの時季は花が少なくなってくるのですが、まだつぼみのリンドウや、暖かい日が続いたことから、うっかりしているミヤマキリシマが季節を間違えて咲いていました。また、紅葉は少しずつ斜面を染めていました。

黒岩山の紅葉

【紅葉情報】

昨日は大船山へ行きました。

大船山山頂付近、御池(おいけ)は紅葉が進んでいてきれいでした♪

↑御池(おいけ)

↑大船山山頂付近

長者原ビジターセンターでは随時情報を発信していますので、登山の前にチェックしてみてください。1020日の情報では、扇ヶ鼻や星生山でも色付いているようです♪

【長者原ビジターセンター(くじゅうファンクラブ) Facebookページ】

https://www.facebook.com/choujabaruvisitor/

なお、この時期は気温が下がりやすいので防寒着はしっかりと準備をしていただき、暗くなるのが早いので、時間には十分余裕を持って登山していただくようお願いします。

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2016年09月28日阿蘇山登山道一部開通~!【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさん、こんにちは!

阿蘇自然環境事務所の山口です。

阿蘇にうれしいニュースです。

熊本地震の影響で、不通になっていた阿蘇山登山道、坊中-草千里間(坊中-吉田線の一部)が

5ヶ月ぶりに開通致しました!

阿蘇駅前から草千里を通って山上広場(ロープウェー乗り場)まで行くことができます!

※中岳火口周囲1kmは火山活動活性化のため、立ち入り規制が続いています。

 

9月16日10:00 

この日を心待ちにしていた関係者の方々のあたたかいお出迎え。

『阿蘇山上に来てくれてありがとう』の想いと

来訪者の方々の『開通を待っていたよ~!』の想いが結ばれていきます。

(▲草千里駐車場前で歓迎のお出迎え。駐車場は現在無料開放中です。)

 

(▲みんなに大人気のあか牛くんもげんきいっぱい道路の開通をお祝い♫)

 

阿蘇山上に到着すると、目の前に広がる美しい眺めは草千里ヶ浜。

草千里ヶ浜は烏帽子岳の北麓に位置します。

中岳の噴煙を望み、大きな池や放牧中の馬たちの牧歌的風景をみることができる憩いの場所です。

※登山ルートは安全が確保されていないため、現在通行不可となっていますのでご注意ください。

 草千里ヶ浜内の駒立山には登れます。

(◀中岳の火口と大きな池も秋の風情です)

  

(▲草千里に咲く野花。凛と咲くリンドウ)  (▲広い草原のなかでそっと咲いているので

                        探しの気分です。可憐なサイヨウシャジン)

 

山上では、亀裂の入った道路を丁寧に舗装された跡が各所でみられます。

どれほど大きな揺れだったのか。地球の営みの大きさ、パワフルさを肌で感じる光景です。

こうして、たくさんの人の手でよみがえっていく阿蘇。復興の足取りをみつめながら、

この雄大な景色を見られるのもいまの阿蘇を感じる感動スポットのひとつです。

(▲草千里ヶ浜から山上広場へ向かう道)

  

山上で働く魅力あふれた笑顔をご紹介いたします。

現在、地震の影響で閉館中の【阿蘇火山博物館】。

館内の復旧に向けて、元気いっぱい作業されています。

再び、多くの方々に『生きている阿蘇』を知り、体験してもらいたい!という、

熱い情熱をもったスタッフのみなさんが力を合わせて再開を目指しています!

(▲復旧したらぜひ訪れたい阿蘇火山博物館。HPをご覧ください。http://www.asomuse.jp/) 

  

国立公園では、みなさまが安心して楽しく利用できるようたくさんの人々が携わり日々作業をしています。

現在、登山道は坊中-吉田線間の一部開通ですが、今後の復興に向けて現在も作業が進んでいます。

公園で働く人々の笑顔も阿蘇の魅力のひとつです。

(▲いつも国立公園内を気持ちよく過してほしいと整備している自然公園財団の方々)

   

阿蘇。

山に登って見渡すと、ここでしかみられない圧倒的な大自然に魅せられます。

どこまでも広がる草原には多様な植物や生物が生息し、

カルデラに暮らす阿蘇の人々の自然と共生した暮らしを垣間見ることができます。

ぜひ、秋の阿蘇へお越しください。

 

(▲勢いよく吹き上げる噴煙 中岳火口)     (▲絶景の中で放牧中のあか牛)

  

◇◆阿蘇山上情報◆◇  

(2016年9月29日時点の情報です。随時最新情報をご確認ください)

 

◆登山道開通情報(阿蘇市)◆

http://www.city.aso.kumamoto.jp/kumamoto_eq/traffic/asotozandoro

登山道通行可能時間 7:00~19:00

 

◆阿蘇山登山情報(熊本県)◆

阿蘇山系の各登山路は、平成28年4月16日の熊本地震や豪雨の影響により、崩落及びルート寸断が発生し

危険で現在通行できないルートがあります。詳細及び最新情報はHPをご確認ください。

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_10328.html

 

◆レストラン・お土産◆

草千里駐車場内 一部カフェ・売店が営業しています。

ロープウェイ駅舎 売店が営業中です。(映像エンターテイメント スーパーリングも上映中!)

 

◆道路情報◆ 

アクセスルートマップ

http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess

 

◆阿蘇駅ー草千里・阿蘇山上 阿蘇火口線 産交バス(復興特別ダイヤ)

http://www.kyusanko.co.jp/sankobus/aso_sen/

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2016年09月12日春の野焼きに向けて ~その② 輪地焼き~

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

みなさんこんにちは!

タデ原や坊ガツル湿原は青々とした夏の色だったのが、アシやススキが穂を伸ばし、だんだんと秋色に染まっています。

つい先日、こんな光景を目にしました。

や、山際から煙が・・・。

「アクティブ・レンジャー!大至急、消火のため坊ガツルへ急行せよ!!


なんてことはなく、むしろ火をつけるために坊ガツルへ行ってきました。

そう、春の野焼きに向けた準備その②、「輪地焼き」です。

輪地とは、防火帯のことです。前回(その①)は輪地を作るために草刈りを行いました。今回はそのときに刈った草を燃やしました。春の野焼き本番で余計なものに飛び火して燃え広がらないために、先に今の時期に燃やしてしまおう、というものです。今の時期というのがポイント!夏の終わりだとまだ草が青く、湿原内に火が飛び移っても簡単には燃え広がらないので、消火が簡単なのです。









晴れの日が続いていたため、前回刈った草は乾いていてよく燃えそう。火付け役が火をつけていき、熊手やジェットシューター(水を噴射する道具。最大で18L入ります)を持った人たちが草を寄せたり、変なところに燃え移らないように水をかけたりして、草が燃えていくのを見守っていました。




















本焼き(野焼き本番)ほどではなかったけれど、やっぱり炎の近くは熱かったし、火を扱うので緊張感がありました。

数時間で坊ガツル湿原周囲約4kmの輪地が完成しました。








(左)輪地焼き前
(右)輪地焼き後

春の野焼きはしばらく先。

その前にススキがきれいな季節、そして紅葉がきれいな季節がやってきます。坊ガツルのススキももうそろそろ見頃。今はアケボノソウ、シラヒゲソウといった秋の花が見頃ですよ♪

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2016年09月02日草原再生なるか!? 学生たちと植生調査【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

 こんにちは、阿蘇事務所の藤田です。8月末から一気に気温が下がり、ここちよい風が吹いてきました。

草原にはススキの穂が出始め、秋の風景に変わりつつあります。

 

 草原再生の一環として、阿蘇中央高校グリーン環境科の生徒たちが取り組んでいる植生調査に同行しました。野焼きや採草、放牧などの手入れをされず『放棄地』となっている草原を借りて、草刈りをし、植生の変化などを調査されており、今年で3年目になります。今回は2~3年生から10名の参加がありました。

 

◆◇◆調査の様子◆◇◆

 専門家の方に教わりながら、1m×1mの調査区の中にある植物を探します。はじめは見分けや違いなどが分からないようでしたが、丁寧に教えてもらいコツを掴むと次々に見つけられるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

群落の平均の高さを図っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

群落の密度を測っています

 

 

 ◆◇◆見られた植物◆◇◆

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲンノショウコ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルマバナ

  

  

 その他に、コオニユリやナデシコ、ネジバナなども見られ、草原性の植物も増えており、「3年で植生が変わってきた!」と歓喜の声が聞かれました。成果が見られたことで、これからも続けて行くことが大事なんだと気づきが芽生えた生徒もいたようです。

 生徒たちは、輪地切りや野焼き、野草堆肥づくりなど経年で学んでいます。真剣に取り組む姿を見て、とても頼もしく感じました。

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2016年08月29日春の野焼きに向けて ~その① 輪地切り~

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

こんにちは。

春の色は?の問いに、「くじゅうの春の色は黒なんです」と投稿して早4ヶ月。

なぜ黒なのかというと、「野焼き」を行うからでしたね。(413日の投稿参照!)

その野焼きをするために、実は、今の時季から準備が始まります。

野焼きでは山すべてが燃えず、草原として維持したいところだけ焼くことができるのはなぜでしょうか?
考えたことはありますか?

私もくじゅうに来たばかりの頃は不思議でたまりませんでした。

・草原との境で人が火を消しているから?

・森は燃えにくいから火が燃え移らない?

・風向きが森や道路に向かない日に野焼きを行うから?

春の野焼き風景

いえいえ。野焼きはこの時季に「防火帯」を作ることで、延焼を防いでいるのです。防火帯のことを「輪地」と言います。

野焼きを行うところと行わないところの境を、幅510mほど、草を刈ります。それも、野焼きを行うところの周りをぐるりと1周。燃えるものが無ければ、火は広がりませんよね。ぐるりと1周、輪を描くから「輪地」と言うのだそうです!

今回は坊ガツル湿原の輪地切り(輪地を作るために草を切ること)を、総勢140人のボランティアの方々と行いました。坊ガツル湿原は約53haある、ラムサール条約に登録されている湿地です。

↓ボランティアのみなさん。気合い十分!      ↓坊ガツル湿原










ロープで幅を計りながら、湿原を切りすぎないように...











昔は鎌で刈っていたのかもしれませんが、現代は刈払い機で刈っていきます!!!

坊ガツル湿原は広いため、140人で刈払い機を使って2時間半かかりましたが、おかげさまで無事作業終了しました。

野焼きは人の手がかかっているというのを、ひしひしと感じます。


さて、今回は【春の野焼きにむけて ~その① 輪地切り~】でした!

その②に乞うご期待ください♪

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2016年08月23日地とうきびタネまき農業体験イベント開催!【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 山口佳子

今年度から阿蘇自然環境事務所のアクティブレンジャーになりました山口です。

4ヶ月経っての初投稿です。勢いにのって連投めざします!

おつきあいのほどよろしくお願い致します。

 

熊本地震で被災し、6月の豪雨でも追い打ちをかけるようにダメージを受けた阿蘇ですが、

『復興』の思いでひとつにつながる農業体験イベントが7/23(土)に開催されました。

阿蘇の草原の野草を刈り取り、野草堆肥でお野菜を育てている

阿蘇草原再生シール生産者の会の市原会長の畑をお借りして、

広い畑にみんなで一斉にまいたのは、阿蘇で受け継がれてきた、地とうきびのタネ!

品種改良されていない在来種で、収獲しては一部を残して保管し、まいてはまた保管、を繰り返しながら

長い年月阿蘇の農家さんに守られてきた貴重なタネを使わせて頂くことができました。

   

(▲10日間畑に泊まり込み、イノシシに食べられてしまわないよう見守ってこの日を迎え、

  今回のイベントで使用させて頂いた地とうきびのタネです。)

  

 

(▲(左)地とうきびのタネまき & (右)お土産のスイートコーンを収獲したようす

     34名の方が参加されました。福岡県や大分県からもご参加いただきました。

     農業体験初めての方が多く暑い中慣れない作業でしたが、みなさん楽しそうな表情です!)

 

まいたタネの間に堆肥をかけていきます。

草原で刈り取った野草を発酵させて3年間熟成させた堆肥です!

美味しいお野菜を届けたい!という農家さんの想いがた~っぷり詰まっています。

この堆肥が、土をふかふかにして、土壌内の善玉菌が野菜の病気を抑え、

安全でおいし~~~~~~~~~お野菜にしてくれるのです♫

 

    

(▲(左)使用した野草堆肥 &(右)開催にご協力いただいた阿蘇地域世界農業遺産のロゴマーク)

 

阿蘇の草原を刈り取り、野草堆肥の活用が進むことで、

刈り取られた草原の大地まで太陽の光が届くようになり、

草原景観や地下水保全につながっていきます。

阿蘇の草原、人、動植物、農業、文化の循環がひとつの環となる阿蘇の営みがここにあります。

参加者のみなさんが、暑い中での農作業でキラキラと汗を光らせている間に

阿蘇草原再生シール生産者の会の女性陣がおにぎりを作ったり、

バーベキューの準備をしてくださいました。

 

  

(▲(左)あか牛や阿蘇で採れたお野菜 & (右)シールの会の安心採れたて野菜販売会も大好評!)

 

阿蘇のめぐみでバーベキュー!ヘルシーでおいしーあか牛や

なんといっても、阿蘇草原再生シールの会の野草堆肥で育ったお野菜が

新鮮で甘くてジューシーでおいしいのです!

こどもたちも「おいしー!」とお野菜をパクパク食べる姿に、

参加者のお母さんもびっくりニッコリ。

 

 

今回まいた地とうきびは、秋に収穫を迎えます。

次回の農業体験は10/22(土)となります。

実った地とうきびを収穫してお天気が良ければ草原のなかで調理していただきます!

参加ご希望の方は、メールもしくはFAXにて事前にお申し込みください。

 

▷▷▷お申し込み先◁◁◁

●阿蘇自然環境事務所(阿蘇草原再生シール生産者の会事務局 山口)

 mail: NCO-ASO@env.go.jp   fax: 0967-34-2082

○阿蘇草原再生シール生産者の会

http://www.aso-sougen.com/producer/index.html

○阿蘇地域世界農業遺産推進協会

http://www.giahs-aso.jp/

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2016年08月03日フィールドサインを探せ!くじゅう子どもパークレンジャー

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

こんにちは!

毎日暑い日が続いていると思いますが、みなさん元気ですか?

くじゅうは標高が高いため、夏でも涼しくて過ごしやすいです♪

事務所前の園地では、木陰で本を読んでいる人や、お昼寝をしている人、ピクニックをしている家族がいたりします(^^

さて、先週は久住高原の沢水(そうみ)キャンプ場で「子どもパークレンジャー」が開催されました!

子どもパークレンジャーとは、未来を担う子どもたちにレンジャーの仕事を知ってもらおうという事業です。国立公園の保護管理を行うレンジャーはさまざまな仕事をこなしますが、そこに生息する生きものを調べるのも仕事のひとつ。ということで、くじゅうに生息している動物を調査してもらおう!と子どもたちと森の中を歩き、動物の痕跡(「フィールドサイン」といいます)探しをしました。

山道を歩くのも初めてという子もいました。森の中では何がみつかるかな?



早速何か見つけました!何だろう~?

タゴガエルでした!森の中で生活する、小さなカエルです。

イノシシのお風呂も見つけました!

「ヌタ場」といって、イノシシはこのような泥の中を転げ回ることで体についた寄生虫を落とします。

子どもたちは熱心に調査していて、ネズミやモグラの穴、シカのフンや足あとなど、色んなフィールドサインを見つけました!

森の中を歩く。ドキドキ。  (中)シーボルトミミズ    (右)シカの足あと

夜ご飯は自分たちで作りました。

材料を切るだけではなく、火を起こすところから自分たちで行いました。それも、ライターやマッチは使わず竹や火打ち石を使った火起こしです!竹をこすりあわせることで火がつけられるのには私もびっくりしました!(竹を使った火起こしは難しくて、最終的にはみんな火打ち石を使って火を起こしました)

キャンプで食べるカレーはやっぱりおいしい!みんなで作ったおかげだね!

翌日は、登山道や沢水キャンプ場周辺に設置したセンサーカメラで撮れた動物の説明をアクティブ・レンジャー兒島が行い、さらに動物についてのもう少し詳しいお話を専門家の方にしてもらいました。森の中を歩いたときは実際に動物を見ることはなかったけれど、動物はたしかに棲んでいると感じてもらえたと思います。

たくさんの生物が生息しているくじゅうや、国立公園をこれからもずっと守っていくために、この中から将来レンジャーになる人が出てくれたら嬉しいです。



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2016年06月29日Let's外来種駆除!オオハンゴンソウの駆除活動

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

こんにちは!梅雨に入り毎日雨続きですね。

そんな中、梅雨の晴れ間となった6月19日(日)に、くじゅう地区パークボランティアの会が主催する外来種駆除活動があり、くじゅうのパークボランティアをはじめとするボランティアの方々と一緒に、タデ原湿原横の湿地に生育している【オオハンゴンソウ】という特定外来生物の駆除活動を行いました。

このオオハンゴンソウ、鑑賞用や緑化のために導入されたのですが、繁殖力と生命力がとても強く生態系に悪影響を与えるため、栽培、飼育、保管、運搬、販売が原則禁止されている「特定外来生物」に指定されています。もともとは北アメリカ原産の多年生草本(キク科)で、畑、道ばたや水路沿い、河川敷など湿った場所を好み、一度定着してしまうと根絶がとても難しいです。

タデ原の上流部にオオハンゴンソウの大群落があり、水の流れによって種がタデ原湿原内部にも広がってしまうかもしれない、という心配があるため、毎年駆除活動が行われています。

オオハンゴンソウの生命力は非常に強く、2.4gの根の破片から再生します。

本来ならば根っこから引き抜いてしまうのが一番良いのですが、今回作業に当たった場所はものすごい数のオオハンゴンソウが生育していたため、根の引き抜きではなく花芽(花になる部分)の摘み取りを行いました。

花芽を摘み取ることで種ができるのを防げるので、分布拡大を防ぎます。また次に実施する予定の草刈りで、刈られた個体に種がつく心配がなくなります。











(左)オオハンゴンソウの花芽  (右)もくもくと作業が進みます

みなさん何度も外来種駆除活動に携わっていることもあり、手慣れた様子で次々に摘み取っていきました!

休憩してからは一列に並んで一気に攻めていきました!! いざ進め!オオハンゴンソウバスターズ!

なんとこの日は2時間ちょっとの作業で、ゴミ袋51袋分のオオハンゴンソウを摘み取りました。

1袋に600~700本入っていたので、3万本以上ものオオハンゴンソウを摘み取ったことになります。

このように軽トラいっぱいになりました。一作業終えてみなさん良い笑顔♪

まだ余力があるということで、別の場所に移動し、【オオキンケイギク】という特定外来生物の駆除もおこないました。

オオキンケイギクもオオハンゴンソウ同様に繁殖力が強く、大群落を形成して在来種を駆逐します。

今回は範囲が狭かったため、オオキンケイギクは根っこから引き抜きました。











梅雨が明けると、ヒゴタイを始めとするたくさんの夏の花が見られるようになります。

外来種はその旺盛な生命力と繁殖力でどんどん増えていきますが、在来種や特にその地域特有の種はそうはいきません。今ある景色をこの先ずっと守っていくためにも、外来種駆除活動のような地道な活動がとても大切になります。

今回作業に参加してくださったみなさん、どうもありがとうございました!

一人でやるには大変なことでも、大人数でやると早いし楽しいと思います。これからもたくさんのみなさんのご協力をお願いします!

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2016年06月07日くじゅう山開き!

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

こんにちは。

65日にくじゅう山開きが行われました。

前日は雨風が強く、中止にならないか心配でしたが、5日当日は雨が弱まり、霧雨の中、無事山頂祭が開催されました。

5日の山頂祭(大船山山頂で行う神事)に先立ち、4日の前夜祭では遭難者追悼慰霊祭が行われました。

くじゅうでは毎年数多くの遭難事故が報告されています。

夏山シーズンの到来、また、今年から山の日(811日)が施行されることから、登山者が増えることが予想されます。くじゅうの山は登り口やコースも多く、気軽に登れる分、油断すると大惨事になりかねません。また、地震の影響もあります。少しでも多くの方に「楽しかった、また来たい」と思って帰ってもらいたいです。

そのためにも、みなさん、装備はしっかりと準備し、十分に計画して行きましょう!登山届けを忘れずに!

前回の投稿では青空に映えるミヤマキリシマをお届けしましたが、霧の中のミヤマキリシマもなかなか幻想的でした。



大船山山頂で行われた山開きは、例年よりも人が少なかったとはいえ、雨の中たくさんの人が来てくださいました。


神様に今シーズンの山の安全を祈念し、最後は万歳三唱!!



ミヤマキリシマは今月中旬頃までが見頃です。

この時季だけ見られるピンクの絨毯を、ぜひ見に来てくださいね~!

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2016年06月03日満開のミヤマキリシマ!!

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

ミヤマキリシマは今、こんなにきれいに咲いています!



平治岳のミヤマキリシマは日本一の群落密度を誇り、

大船山のミヤマキリシマは国の天然記念物に指定されています。

大船山とミヤマキリシマを拝む

平治岳のミヤマキリシマ

なぜ、一面ピンクに染めるほどたくさんミヤマキリシマが生育しているのでしょうか。

それは、霧島地域の橋之口アクティブレンジャーも触れていたように、火山が関係しているといわれています。

火山活動が活発になると、発生した火山性ガスによって多くの植物は枯れてしまいます。しかし、ミヤマキリシマはそんな厳しい環境に耐え生き残ります。競争相手がいなくなることで、ミヤマキリシマはこんなにもたくさん増えることができたのですね。



ところが、火山活動が沈静化すると、他の植物たちが勢いを取り戻します。生長の早いノリウツギ、アセビをいった他の植物はすぐにミヤマキリシマより大きく育ち、ミヤマキリシマの上に陰を落とします。そうすると光を得られなくなったミヤマキリシマは次第に元気をなくし、枯れていきます。

火山性ガスに耐えることができても、他種との競争には弱い。火山と深く関係のあるミヤマキリシマなのでした。

ちなみに英名はKyushu Azalea、学名はRhododendron kiusianumです。

お気づきでしょうか?

どちらにも「九州」とあります!(kiusianum →「キュウシアナム」と発音)

実は、九州の、火山のあるところにしか自生していないんです。

雨が心配されますが、5日はくじゅう山開きがあります。

前夜祭が4日夜、法華院温泉山荘で、5日の山頂祭は大船山山頂にて執り行われます。

山頂祭は、雨天の場合5日朝5時半に判断が下されますので、心配な方は、

【竹田市役所久住支所0974-76-1111】までお問い合わせください。



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