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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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阿蘇くじゅう国立公園

161件の記事があります。

2017年03月14日『烏帽子岳・杵島岳ルート』点検と登山道状況①

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

阿蘇山遭難防止対策協議会が取り組んでいる毎年恒例の登山ルート『烏帽子岳・杵島岳ルート』の点検に参加しました。

どちらも、熊本地震やその後の水害により亀裂や崩落等が発生しており、通行不可となっていたルートです。3班に分かれて行いました。


【烏帽子岳ルート】

     西側ルートには亀裂多数         50cm程の段差があるところも

 

 

   数年前に整備した階段が左側に崩落している。右側も急斜面

 

    

   烏帽子岳山頂 標柱が傾き、周辺は崩落している

 

 

         山頂東側が崩落している

 

    

 地面が緩くなっているため、山頂は霧が発生するとより危険であるため、阿蘇山遭難防止対策協議会にて注意喚起の看板とロープを設置しました。

 

    

       西側、垂玉ルート合流地点

 

  

烏帽子岳登山については、東側ルートの往復コースが利用できます。

現在、立入禁止となっている西側ルートは、今後、補修工事を行っていく予定です。

 

 

      2015年5月の烏帽子岳

 

  

      2016年5月地震後の烏帽子岳南側崩落の様子

 

 

      2016年12月の烏帽子岳南側の様子

 今後も、崩落状況が広がったりしないか、定期的に監視を続けていきます。

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2017年03月03日春の訪れ~猪の瀬戸湿原野焼き~【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

先日、猪の瀬戸湿原の野焼きに参加してきました。ARとして参加したものでは今年初めてです。猪の瀬戸湿原では野焼きを毎年2月の終わり頃に行なっており、例年天気の心配だけでなく残雪の心配もあるのですが、今年は暖かく、好天が続いたおかげで、草はよく乾いていてよく燃えました。

たくさんのボランティアが持ち場につき、トランシーバーで連絡を取り合いながら作業を進めていきました。


夏に作った輪地がしっかりと防火帯の役目を果たします。燃え残った小さな火はボランティアによって消し止められます。その時に使うのが背中に背負ったジェットシューター(水の入ったリュック)です。


▲ものすごい炎があっという間に草を燃やしていきます。最初は無風だったのが、炎によって上昇気流が発生して風が吹いてきました。写真はありませんが、上空には猛禽類が飛んでいて、慌てて飛び出してくる小動物を狙っていました(去年はイノシシが飛び出てきたそうです)

みなさんは猪の瀬戸湿原をご存知でしょうか?

国道11号線・やまなみハイウェイ沿いの、由布岳と鶴見岳の山間にある小規模な湿原です。北西側に見える由布岳、北東の鶴見岳から水が流れ込んでいて、豊富な水量から湿原内にも何筋も川が流れています。湿原という繊細な環境で生息する貴重な植生を有するため、国立公園の中でも重要な場所として位置づけられています。

草原や湿原を維持するためには野焼きが重要なのですが、この場所での野焼きは一時中断されていました。


▲野焼きには多くの人の手が必要。事前に何度も話し合いをし、作業の確認を行います。一歩間違えれば死亡する可能性もある危険な作業だからです。

1960年代までは地域の住民らが放牧を行っていたため、昔から野焼きが行われていました。しかし様々な理由によって野焼きが行われなくなり、森林化がすすんでいました。

1995年頃に湿原の保全、野焼きの復活をしようという動きがあり、2005年から野焼きの実施に向けた調査や準備が進められてきました。その中心となっているのが「猪の瀬戸湿原保全の会」と「城島高原オペレーションズ」です。湿原内に進入してきた樹木の伐採、大量の不法投棄のゴミの撤去、外来種の駆除活動などに加え、植生調査、野鳥調査などを行い、野焼きを行うことの効果についてもデータとして蓄積、研究しています。

猪の瀬戸湿原で野焼きが復活して今年で6年目になります。少しずつ焼く範囲が広がっており、昔のような湿原の姿を取り戻しています。


▲野焼きのあとは真っ黒な大地となります。しかしよく見てみると、草の根までは焼けていません。

自然観察ができるトレッキングルートもあるので、野焼き後の湿原の散策をしてみてはいかがでしょうか。灰の下から新芽が顔を出しているかもしれませんね。

猪の瀬戸湿原保全の会では自然観察会を行っていますので、興味のある方はそちらもどうぞ!

黒い大地に、緑が増えていく、これからの季節が楽しみですね♪

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2017年02月23日阿蘇中岳噴火警戒レベル1へ引き下げについて【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

 201727日、阿蘇中岳の噴火警戒レベルが2年半ぶりにレベル1に引き下げになりました。それに伴い、環境省や関係市町村がつくる阿蘇火山防災会議協議会は中岳火口周辺の調査に向かいましたが、

火口広場や駐車場には大量の火山灰や大小の噴石が堆積しており、噴火の威力を伺い知ることができます。

 

  

【現状の様子】

 

ロープウェイ山上駅舎は噴石により天井に穴が開き、窓ガラスも割れ、駐車場には50cm程の火山灰が積もっている。

   

以下、噴火以前の写真と比較して掲載します。

 

        今回噴火後                    以前の様子                                            

 火の国橋は、元の姿も分からないほどになっている。

  

 

        今回の噴火後                   以前の様子

 火口縁の仮設安全柵、支柱だけが残る   

 

       今回の噴火後                  以前の様子

 退避壕とガス検知器 噴石で天板がへこみ、パトライトも潰れている

 

 

これまでの経緯として、2014年8月30日に約20年ぶりに噴火し、福岡管区気象台が噴火警戒レベル2の火口周辺1km圏内の立ち入り規制を発令。その後、2016年10月8日の爆発的噴火では、噴火警戒レベル3の火口周辺3km圏内の立ち入り規制が発令されました。この時の噴出物の総量は60~65万トンと推定され、海抜11,000mまで噴煙が上がり、阿蘇山の北東側約5km内では降灰の量が3,800g/㎡に達する甚大な被害が発生しました。

 

昨年10月の噴火以降、新たな噴火はなく今年の2月時点では火山性微動の振り幅も小さな状態で経過しており、湯だまり量も中岳火口底の約8割を確認、色も灰白色から緑色に戻っており、火口底への熱や火山ガスの供給が弱まってきていると推測されます。

 

昨年12月20日、気象庁より新たな噴火警戒レベルの判断基準の公表に伴い、阿蘇山中岳の状況を照らし合わせ、今回噴火レベル1への引き下げに至りました。

 

しかし、活火山であることから、火口内では土砂や火山灰を噴出や火山ガスの発生の可能性もあるため、阿蘇火山防災会議協議会では山上一帯の安全確認を行うとともに、観光客等の安全が確保されるまでは車や登山者の入山について、これまでの自主規制と監視体制を継続していく方針です。

 

※気象庁では、火山観測データをホームページに掲載し、随時更新されています。

 《各火山の活動状況》

   http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/volcano.html

 《阿蘇山火山観測データ》

   http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/open-data/open-data.php?id=503

 

これから安全対策を図りつつも、大量の火山灰の搬出や安全柵、火山ガス検知器、電源ケーブル、避難シェルター(退避壕)の整備など、関係機関とともに早急な復旧を進めて参ります。

 

阿蘇山上広場・ロープウェイ駅前までは通行可能です。噴火後の阿蘇中岳の息づく様子が見られますよ!

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2017年01月26日冬山くじゅう【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

寒波襲来によりどこも冬らしい寒さを感じていると思いますが、寒さに負けてはいませんか?

くじゅう自然保護官事務所の兒島です。

くじゅうもこの度の寒波により、雪景色につつまれております。

そして待ちに待った青空!

さっそく山の様子を見に巡視へ行ってきました。御池(みいけ)の様子も気になります......!

ちなみに昨日(1/25)の長者原の朝の気温は-12℃。肌を刺すような寒さです!

こんなに寒いというのに、たくさんの方が登山に来られていました。九州にいながらにして、手軽に雪山登山ができるのもくじゅうの魅力のひとつではないでしょうか。みなさん、ちゃんと軽アイゼンをつけてらっしゃいます(^^)b

登山道を歩いていると様々な冬の芸術作品に出会います。繊細なものからダイナミックなものまで。暖かくなって消えてしまう前に、自分のお気に入りの作品を見つけてみてはいかがでしょう?

 









         ↑樹霜                         ↑霧氷

さてさて登山道の様子はというと、積雪が約30cm、深いところは50cmくらいあると思いますが、すでにトレース(踏み跡)があり、足元さえしっかりしていれば歩けるといった感じでした。





そして目的の御池(みいけ)はというと...............
              じゃーーーーーーーん!全面凍結していました!

最初は恐る恐る、ちゃんと凍っているか確認しながらでしたが、端から端まで歩ききりました。

1/25時点では凍っていましたが、気温の変化により氷が薄くなる場合があります。よく確認してから足をのせるようにしましょう。

この御池(みいけ)はすぐ下にある空池よりも標高が高いのに、水をたたえているのは御池だけであり、昔から不思議がられています。
 

       空池(奥は久住山)            御池(人が渡っています)

 
         中岳                   ペンギン岩(冬期限定)

これからまだ寒い季節が続きます。寒い日でも、勇気を出して外へ出てみると色んな景色に出会えます。歩き回っていると体もポカポカしてきて、とっても気持ちが良いですよ!

そして阿蘇の山口ARの日記にもあるように、外へ出た後の温泉も最高です(*^o^*

※雪山へ行かれる際は、軽アイゼン、防寒具などをしっかりと準備してください。また路面凍結のためチェーン規制がかかっている場所があります。車でお越しの際はチェーンや冬用タイヤの準備と、道路の情報収集を行ない、安全運転でお越しください。




***くじゅうの情報発信中!***

くじゅう地区の様々な団体からなるくじゅう地区管理運営協議会(くじゅうファンクラブ)は、くじゅうの自然環境を守るために様々な活動をしています。

【くじゅうファンクラブ】

http://kujufanclub.com/

また長者原ビジターセンターも随時情報発信しているので、情報収集の参考にされてください。

【くじゅうファンクラブ(長者原ビジターセンター)Facebookページ】

https://www.facebook.com/choujabaruvisitor/



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2017年01月25日自然がつくりだす氷の芸術 古閑の滝【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさんこんにちは~!阿蘇自然環境事務所の山口です!

阿蘇は本格的な冬の季節となり、室内で過ごすことも多くなりましたが、

実は冬にしか見ることができない、阿蘇の美しい景色が色々あるんですよ~

今回ご紹介するのは、阿蘇市坂梨地区の古閑(こが)の滝です。

駐車場から少し坂を登って林を抜けると、突如大きな岩山と凍った滝がみえてきます。

近くで見ると迫力があります!

(▲ダイナッミックな氷の芸術 古閑の滝) 

古閑の滝は阿蘇カルデラの東部外輪山に位置します。絶壁はカルデラが形成された約27万年~9万年前の火山活動以前の地層がむき出しの姿となっています。滝の上流の大地は火砕流などが蓄積して平らになっており、あまり水があつまりません。そのため水量が少なく、氷の柱が100mもの高さになることもあります。

見上げるとふたつの滝が流れており、左側が雄滝(おだき)80m、右側が雌滝(めだき)100mです。

先阿蘇火山の溶岩崖を流れ落ちるままの凍滝(いてたき)は、寒さがもっと厳しくなると、

氷瀑の姿になることもあります。

地球温暖化が進んでいくと古閑の滝に流れる水量が多くなり、氷の柱がみれなくなってしまうことも

危惧されています。

太古に形成された表情豊かな岩、そして氷にあたる陽の光の輝き。

日中、気温の上昇によって谷に落ちる「カーン」という氷の音も趣があります。

春には、その音が冬の終わりを告げる風物詩として、地元の方に親しまれているそうです。

例年では12月下旬から2月末までが見頃です。

 

日に日に姿を変える古閑の滝。

一瞬一瞬の奇跡のアートを、ぜひ皆さんにも見ていただきたいとおもいます。

■古閑の滝 (阿蘇ユネスコジオパーク内33カ所あるジオサイトのうちのひとつです)

http://www.aso-geopark.jp/geosites/geosite10.htm

さらに、古閑の滝から南(高森方面)に向かうと箱石峠があります。

峠の上から景色を見渡すと冠雪した阿蘇山の稜線が映え、美しく雄大な姿を眺めることができます。

(▲草小積みと雪景色の阿蘇山 箱石峠)

手前の草原にあるのは、農業の機械化とともに見られることが少なくなった草小積み。

刈り取った野草を乾燥させて稲の茎で結び積み上げ、雨から守るためにススキを上から被せたもので、

冬の間の牛のえさなどに利用されてきました。

草小積みの牧歌的な風景は、通気性がよく草が傷みにくい貯蔵法として、

阿蘇に暮らしてきた先人たちの文化的草原資源の知恵が守られている姿なのです。

 

季節ごとに、新しい発見と感動を与えてくれる阿蘇の自然。

ちょっとコタツから抜け出して、防寒具を身にまとったら、

冷たく凛とした阿蘇の空気と冬の魅力を感じに遊びにきてみませんか?

雄大な冬の景色を堪能した後の温泉はまた、格別ですよ~♫

■阿蘇温泉町村湯マップ

http://onsen.aso.ne.jp/map/index.html

http://minamiaso-onsen.jp/access.html

■阿蘇地域アクセスルートマップ

http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess

 

■阿蘇地域の積雪・凍結に伴う道路情報

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_8808.html

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2017年01月23日野草堆肥づくりのための採草・草集め ~草原に暮らすカヤネズミ発見!~【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさんこんにちは~!阿蘇自然環境事務所の山口です!

今回は阿蘇の草原が、人々の暮らしにどのように利用されているのか、

集草作業に参加してきましたので、みなさんにご紹介したいとおもいます。

 

(▲刈った草を大鎌で集めて運ぶ様子 photo by Yuki Iwanami 2016.12.6)

 

阿蘇の草原は昔から牛馬の放牧地として利用されたり、堆肥として農業に利用されていました。

また、茅葺き屋根の材料になるなど、草原と人の暮らしのつながりのなかで草原を維持するために危険を伴う野焼きを行ってきました。

現在は化学肥料の普及に伴い、野草堆肥の利用が減るとともに、茅葺き屋根の家もなくなるなど、

農業形態や生活様式の変化とともに草原の草の利用されなくなってきています。

農業も畜産業も後継者不足や高齢化、また兼業化により、採草や放牧が行われることなく、

野焼きや輪地切りといった草原維持の作業もされないまま放置される草原が増えてきています。

さらに、阿蘇は年間2500mmの以上も雨が降るので、草原をそのまま放置していると数年で藪(やぶ)となり、植生が推移してその後森林へと移り変わっていきます。

 

このような状況から、草原面積の減少・草原の変容が進んでいます。

 

今回は阿蘇草原シール生産者の会員の方が、土づくりの堆肥として利用している牧野へ行ってきました。

前の週に草刈りに参加し、数日そのまま天日干しさせて、この日に集草作業を迎えました。

束にして平地まで運び、マウントカッターという肥料切断機で草束を細かくしていきます。

 

(▲ダイナミックな集草風景&集めた草を運ぶ様子 photo by Yuki Iwanami)

 

(▲マウントカッターで野草を裁断しトラックに積む&カットして堆肥になる草)

 

そしてこの日集草作業の撮影のため参加していたフォトグラファーの岩波友紀さんが見つけたのは、

小さくてつぶらな瞳がとってもかわいい『カヤネズミ』!!!

(▲草原で暮らすカヤネズミ photo by Yuki Iwanami)

かや(茅)という名前の通り、阿蘇の草原等に生息している日本で一番小さなネズミです。

カヤネズミの体長は6、7cm 体重は500円玉くらいの重さ(5~7g)です。

このような稀少な生き物が暮らす草原も、採草や野焼きなど、人の手で守られています。

植物も生き物も多様な草原をみんなで力を合わせて後世へつなげていきたいですね。

 

※野生の生き物は、鳥獣保護管理法により、捕まえたり家に持ち帰ったりすることは禁止されています。

 たいせつに見守っていきましょう。

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2017年01月04日穏やかな初日の出と阿蘇の道路状況【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

謹んで初春のお慶びを申し上げます。阿蘇事務所の藤田です。

今年の元旦は、阿蘇山上にも雲がかからず、スッキリ快晴!

現在、唯一阿蘇山上(草千里)に登ることができるパノラマライン『県道111号線』は、通常7:30~18:00までとなっていますが、元旦のみ6:00から通行が可能だったので、草千里まで登ってみました。

この日は、中岳火口からの噴煙も少なく、風もなく穏やかだけどキーンとする冷たさの中、日の出の瞬間を待ちました。

左手に中岳火口 右手に草千里

昨年、熊本では甚大な震災が発生し、復興に向けて進んでいる中、このように穏やかなご来光を臨むことができ、「今年は穏やかな1年になるように・・・」と、多くの方が手を合わせられたことと思います。

また、『阿蘇神社』には毎年お参りをしていますが、熊本地震により倒壊した拝殿は撤去され、普段見ることができない『神殿』を拝むことができるまたとない機会となっています。

元旦の阿蘇神社

しかし、道路状況を懸念される方も多いのか、参拝者も例年よりもやや少なめのようです。ミルクロードも渋滞が心配されていましたが、年末の俵山トンネルの開通や二重の峠の交差点の左折ラインができたことが功を奏したのか、正月3ヶ日は大きな渋滞は見られませんでした。

こんなあたたかい正月はめったにありません。どうぞお気軽に阿蘇にお越しくださいね。

私たちも阿蘇の復興に向け、志も新たに取り組んでいきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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2016年12月13日日の出の雲海 日暮れの草原 【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさん、こんにちは!

阿蘇は朝晩冷え込む季節となり、毎朝霜が降りるようになりました。

冬の早朝に出かけよう、と私が心待ちにしていたこと。

それは、『阿蘇の雲海』です。

夜霧が出ていた夜、地元の方が「明日は雲海が出るよ」と教えてくれました。

そこで次の日朝早く北外輪山へ向かい、出逢った景色がこちら~

(▲12月6日 朝7:30頃 二重の峠から撮影した雲海)

How beautiful...

金色に輝く太陽がカルデラ内を覆う雲海を照らし、五岳がシルエットで映し出されます。

一刻一刻と変わっていく雲海と陽の光。自然が作り出す幻想的な一期一会の景色です。

阿蘇に来て初めての雲海は忘れられない光景となりました。

朝からこのような美しい日の出をみたら、1日良いことがありそう~!

阿蘇の雲海が発生しやすいポイントは、寒暖差、放射冷却、風がない、晴れているなどです。

雨が降った次の日の晴れた朝なども、雲海で出逢える好条件のようですよ。

そして夕方。

草原のススキが光を受けて赤く染まり風に揺れています。

阿蘇に太陽が昇り、沈んでいく。

噴火や地震などを繰り返しながら、太古の昔から繰り返されてきた自然の営み。

阿蘇くじゅう国立公園に来られる方々の心を魅了しているこの草原は

千年もの間、人の手で草を刈り、野を焼くという大変な作業で守られてきました。

先人の方々と草原の深いつながりを感じながら、

感謝の思いで米塚の向こうにゆっくりと沈む太陽を見つめました。

http://aso-sougen.com/now/index.html ← 草原のことをもっと知りたい方はコチラ

阿蘇ではサイクリングツアーやナイトハイクなど楽しいレジャーがいろいろ!

体を動かした後は美味しい阿蘇の郷土料理や、草原で育ったあか牛グルメ、ゆったり温泉を堪能♫

そして、朝の雲海や草原の夕陽など阿蘇には絶景ポイントもたくさんあります!

ぜひぜひ、あなただけの阿蘇の楽しみ方を見つけてみてください!

草原にいる稀少な植物や動物に出逢えるかも!

そのときはそっと見て思い出だけ持ち帰ってくださいね!

※ご注意

太陽の光を直接見たりカメラのレンズを覗く際に、紫外線や熱線で目を傷つけてしまうことがあります。

太陽を見るときは遮光板を使うなど、安全に留意して行ってください。

阿蘇のレジャーはこちらにお問い合わせ

■阿蘇ネイチャーランド

http://www.aso.ne.jp/~natureland/

■アウトドアクラブ 南阿蘇knot

http://minamiaso-knot.jimdo.com/

阿蘇の情報(交通機関や火山火口規制等 最新情報をご確認ください)

■阿蘇地域アクセスルートマップ

http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess

■阿蘇火山火口規制情報

http://www.aso.ne.jp/~volcano/

■阿蘇山登山状況

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_10328.html

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2016年11月29日九州特産物リレー11月 ~おいしい温泉の恵み~ 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

こんにちは。

くじゅうでは先週霧氷が観測され、霜も降りるようになり、すっかり冬です!

今回の特産物リレーでは、阿蘇くじゅう国立公園・くじゅう地域の、温泉が豊富なこの土地ならではの恵みについて紹介します。

みなさん、温泉料理といったら何を思い浮かべますか?

温泉卵?

温泉まんじゅう?

もちろんこの2つもおいしいのですが、実は江戸時代から行われている温泉を使った料理方法があります。その名も、地獄蒸し。

「地獄」といっても「あの世」のことではありません。火山地帯、温泉地などで噴煙や湯気が絶えず立ち上っている場所のことです。別府の地獄巡りは有名ですよね。

小松地獄(九重町)。地面から蒸気が出ています。卵を持って行けば蒸し卵が作れます。

地獄蒸しとはズバリ、地獄で蒸した料理のこと。

くじゅう地域には地獄蒸しのできるところがいくつかあるので、私も、家にあった食材で地獄蒸しを体験してみました!


別府・鉄輪温泉の蒸し場

今回利用したのは涌蓋山山麓の「岳の湯」という地域の共同蒸し場(熊本県小国町)。

この岳の湯、地面からもうもうと蒸気が上がっていて、地域一帯がゆけむりに包まれていました。大地のエネルギーを感じずにはいられない場所です。

岳の湯  そこかしこから湯気が吹き出ています

受付を済ませ、蒸すために必要な道具を借ります。蒸し場に食材を入れたカゴを置き、上にむしろで蓋をし、待つだけ・・・。


暖かい蒸気に当たりながらしばらく待っていると・・・・・・

10分後には蒸し卵が、30分後にはホックホクのふかしイモができました!!!

大分県特産のしいたけもぷりぷりに♪ イモはとっても柔らかくて最高でした!

手軽に体験できるのも魅力ですが、筋湯という地域(九重町)はこの地獄蒸し料理が有名です。「極楽温鶏(ごくらくおんけい)」といって、鶏まるごと一羽を地獄で蒸すのです。脂が落ち、水溶性ビタミンなどの栄養素はとじこめられるので、とってもヘルシー!

今回話を伺った方によると、筋湯では戦後の食料の少なかったときから、特別な日の「ごちそう」として食べられていたそうです。(ちなみに別府では地獄蒸しは江戸時代から食べられていたという記録があります)

極楽温鶏。鶏の中には野菜が詰まっている (写真提供:九重町)

特産「物」ではありませんでしたが、浸かるだけではない温泉の恵み、みなさんも味わってみてください!!


【くじゅうへお越しの方へ】

標高約1000mの長者原ではすでに霜が降りるようになり、天候によっては路面が凍結する季節となりました。運転の際には事前に道路情報を確認し、チェーン等の準備をお忘れなく。また登山の際はアイゼン(軽アイゼン)を忘れずに!

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2016年10月31日九州特産物リレー 10月 ~地トウキビ~【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさん、こんにちは!

10月7日21時52分に中岳第1火口で噴火、8日1時46分には爆発的噴火が発生し

阿蘇山噴火規制レベルが3にひきあげられました。

今回の噴火で噴石や降灰の影響を受け、農業や観光に影響が出た地域も一部ありましたが、

噴火後も草千里まで行くことができ、変わらぬ美しい景色を魅せてくれています。

わたしも阿蘇で暮らしてから中岳からの煙を見るのが日課となっていますが、
実際に噴火を経験し活火山のパワフルさを肌で感じる貴重な体験となりました。
阿蘇はほんと、地球は生きている、ということを実感できる土地ですね。

はてさて、お題の九州特産物リレーですが、バトンが霧島錦江湾国立公園から渡されましたので阿蘇から、在来種の地トウキビをご紹介したいと思います。

 

地トウキビは阿蘇で昔から食べられていたトウモロコシです。

軒先に吊して保存食として焼いて食べたり、粉にしてご飯と混ぜて炊いたりしていました。
スイートコーンのような甘さはなく、ほのかな甘さと実が固いのが特徴です。
噛むとじんわりうまみを感じる、素朴なおいしさの地トウキビ。
時代の移り変わりとともに、スイートコーンが主流となり、地トウキビを栽培する農家さんは少なくなりました。現在は、主に飼料用として一部の農家さんが育てています。

▼下の写真のように地トウキビの実を効率的に取る手動の機械も昔は使われていました。

参考写真:阿蘇地域世界農業遺産推進協会(http://www.giahs-aso.jp/

  

この地トウキビは今が旬を迎え10月22日(土)に阿蘇草原再生シール生産者の会(草原の再生を目的とし、野草堆肥を使ってお野菜を育てる農家さんの団体)が阿蘇地域世界農業遺産の助成を受け、

地トウキビ収穫農業体験を阿蘇市坂梨地区で開催しました。

 

阿蘇で繋がれてきた、貴重な在来種の地トウキビの種を7月にみんなで蒔き、すくすくと大きく育ち

たわわに実っていたのですが、、、

なんと!!!収穫前にイノシシにすべて食べられてしまいました!!!

 

広い畑に地トウキビが、、、なんにもない!!!

  

台風や噴火を乗り切り、農家さんが一本一本大切に育ててきた地トウキビ。

このように動物に全て食べられてしまいとてもとても残念でしたが、

農家の方の日頃の努力をまたひとつ知ることができる機会にもなりました。      

      

   (▲イノシシに食べられる数日前の畑。)   (▲イノシシに食べられた無残な姿の畑)

 

参加者の方たちと、イノシシに食べられた様子を見た後は、別の地トウキビ畑に移動して

美味しい地トウキビの見分け方を教わり収穫をし、その後炭火で地トウキビを焼いて食べました。

    

阿蘇の草原の野草を刈り取って堆肥にし、育てた採れたて野菜を使った阿蘇の郷土料理を

シールの会の農家の方たちが振る舞ってくれました。だご汁も野菜の天ぷらも大好評でした!
なかなか生産が少なくなってきている在来種の地トウキビ。
この日初めて口にした方も『おいしい』と笑顔いっぱいでした。

これからもつなげていきたい、魅力いっぱいの阿蘇の特産品です。 

機会がありましたら、ぜひ一度お試しください♫

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