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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2020年9月16日

3件の記事があります。

2020年09月16日えびの高原の秋をお伝え♪

霧島錦江湾国立公園 えびの 池田美樹

えびの管理官事務所AR池田です。

久しぶりの投稿です。

みなさまお元気でしょうか。

コロナウイルス感染は、まだまだ油断できないです。

これからは、特に寒くなっていく季節なのでお互いに気をつけて行きましょう。

えびの高原にも秋が訪れました。

朝夕の気温も一気に下がり、日中との温度差を感じています。

つつじヶ丘には、ススキが穂を実らせております。

他には、テンナンショウの鮮やかな実や、ノカイドウの実、

葉にトゲがあるアザミなど。

また秋は、キノコもいろんなところで見つけることが出来ますよ。

えびの高原へ来られる際に、徐行しながら道路脇を見たり、池巡り探勝路コースで足下、地面をよーく見て歩いてみてください。ピクニック広場にもキノコは生えていますよ。

ぜひ、キノコや花・木の実を探して、見つけてみて下さいね。

↓↓↓花・木の実の写真はこちら↓↓↓

《ノカイドウの実》

リンゴをとっても小さくした実です。(実はリンゴ属なんですよ。)

この木の実、ぱっと見た感じがポケットモンスターのポケモンボールに見えませんか...??

《ツクシヒトツバテンナンショウ》

《ツクシアザミ(キリシマアザミ)》

この植物、葉っぱがトゲトゲしていて痛い!!

長ズボンを着ていても、チクチク。

ですが、パープル色でフワフワとした感じが可愛いです。

↓↓↓キノコの写真はこちら↓↓↓

《オオワライタケ》

オオワライタケはミズナラの朽木から時々発生。

↓↓神経系の毒で顔がひきつって笑っているようにみえるため、この名前が付けられています。

↓↓《苔とキノコ》↓↓

《ヒメベニテングタケ》

ヒメベニテングタケはミズナラの菌根菌。

↓↓地中でミズナラの根とつながり栄養交換しています。

キノコに関しては、えびのエコミュージアムセンター職員の方に

名前や由来をお聞きしました(+写真もご本人が撮影されたものです)。

昆虫にも詳しい方なんです。

秋を楽しむ、または気分転換に霧島錦江湾国立公園(霧島地区)へ

お越しください。

※えびの高原、高千穂河原周辺は駐車禁止エリアです。指定駐車場をご利用ください。

 なお駐車料金は、えびの高原・高千穂河原の施設のメンテナンスや美化清掃、自然の回復、ビジターセン

 ター・えびのエコミュージアムセンターの情報提供、駐車場の管理等に活用させていただいておりますの

 で、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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2020年09月16日市民の森で自然観察!(後編) 昆虫採集&自然のフォトフレームづくり【出水地域】

出水 本多孝成

出水自然保護官事務所の本多です。

今夏も、出水市青年の家よりご依頼を頂き、同所の主催事業である「わんぱくトライアル」及び「ファミリーキャンプ」において自然観察活動を実施致しました。こちらの様子を前編と後編に分けて紹介致します。

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今回は後編として、8月23日(日)に実施した、ファミリーキャンプにおける自然観察活動の様子をお伝えします。

ファミリーキャンプは、飯ごう炊飯やテントでの宿泊を通じて、家族の絆を深めてもらうイベントです。

出水自然保護官事務所では、わんぱくトライアルと同様に2日目の午前中に自然観察活動のお時間を頂き、①昆虫採集と②自然のクラフトづくりの二つを実施しました。

❚ ①昆虫採集 a.m.7:00~8:00

会場近くの林(市民の森)で昆虫採集を行いました。前日の夜に2種類のトラップ(バナナトラップ、落とし穴トラップ)を仕掛けておき、当日朝、それらを回収しながら捕まえた昆虫を観察しました。

 

▲ バナナトラップの設置・回収

前日の夜、ジッパー付き容器にバナナ、芋焼酎、砂糖、ドライイーストを入れて発酵させたものを、クヌギの幹に直接塗りつけました。翌朝、参加者の皆さんと一緒にトラップの様子を見てみたところ、発酵臭に誘引されたクロゴキブリを発見しました。今回は残念ながら、カブトムシやクワガタムシ等の人気種は見当たりませんでした。

 

▲ 落とし穴トラップ(ベイトトラップ)の設置

地面に小さな穴を掘り、そこへ餌を入れたプラスチックコップをはめ込みました。プラスチックコップは表面が滑らかであるため、餌のにおいに誘引されたターゲットが一度コップの中に落ちてしまうと、自力で這い上がることが困難になる...という仕掛けです。

餌の違いによって集まる昆虫にも差が生じるのではないかと考え、トマト、りんご、バナナ、にぼし、かつおぶし、魚肉ソーセージの6種の餌を使用しました。設置後、ポイントを俯瞰して眺めてみると、まるで繁華街の薄暗い路地裏のような、いかにも胡散臭い雰囲気が漂っていました。

 

▲ 落とし穴トラップで捕まえた昆虫

翌朝、昨夜の胡散臭さとは裏腹に、トラップの中にはアリ、チャバネゴキブリ、サツマゴキブリ等、地面を移動することに長けた昆虫が多数入っていました。また、トマトとかつおぶしのコップにはセンチコガネ(左の写真)が入っており、そのメタリックな輝きから、子供たちの熱視線と関心を集めていました。

※なお、自然観察活動プログラムの終了後、トラップを処分する際に中身を確認したところ、本番よりも多くの昆虫が入っていました。特に昆虫からの人気が高かったのはトマトとかつおぶしで、トマトにはカブトムシ、ヒラタクワガタ等の発酵臭を好む昆虫が入っており、かつおぶしにはマイマイカブリ(右の写真:肉食性の強い昆虫)が入っていました。餌が異なると、捕まえられる昆虫も異なるようです。

 

▲ その他、昆虫の解説

アブラゼミの雌雄の見分け方について紹介したり、落ちていた大型のヒラタクワガタ雄の頭部を観察したりしました。また、アクティブレンジャーがクレインパーク周辺や市民の森で事前に捕まえておいた昆虫(カブトムシ、コクワガタ、ノコギリクワガタ、ニジゴミムシダマシ)を持参し、それぞれの生態について解説しました。

❚ ②自然クラフト(森と海のフォトフレームづくり)a.m.9:30~11:00

昆虫採集の後、自然クラフトとして森と海の素材を使ったフォトフレームづくりを行いました。

 

▲ 使用した森と海の素材

フォトフレームと、森の素材(出水市内でとれたフウ、ジュズダマ、ヤシャブシの実等)は青年の家にご用意いただきました。海の素材はアクティブレンジャーが個人の趣味で集めた貝殻やシーグラス、流木(すべて北薩地域で拾ったもの)などを用意しました。

 

 

▲ フォトフレームづくりの様子と完成した作品(一部)

フォトフレームづくりでは、子供たちが率先して素材を選んだり、保護者の方々へ(まるで映画監督のように)「指示」を出したりする姿が印象に残りました。完成作品は、キャンプ中に撮影した家族の集合写真を入れる思い出のフォトフレームとしてそのままお持ち帰り頂きました。

今回のフォトフレームづくりのように、その地域内で採れた素材のみを使用したクラフトづくりは、「身近にこのような魅力的な自然があったのか!」と、地域の自然の魅力や価値を捉えなおす良いきっかけになると思いました。今後も、様々な企画を通じて、出水の自然の魅力を再発見するお手伝いができればと考えています。

▲ ご参加いただいた子供たちとの記念写真

青年の家の皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。

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2020年09月16日市民の森で自然観察!(前編)森のお弁当箱づくり【出水地域】

出水 本多孝成

出水自然保護官事務所の本多です。

今夏も、出水市青年の家よりご依頼を頂き、同所の主催事業である「わんぱくトライアル」及び「ファミリーキャンプ」において自然観察活動を実施致しました。こちらの様子を前編と後編に分けて紹介致します。

※青年の家・市民の森とは

青年の家は、出水市の小原地区にある社会教育施設です。子供たちの宿泊学習や研修等に利用されています。周囲にはシイ・カシ類、クスノキなどの常緑樹の他、スギ・ヒノキ、モウソウチク等の人工林を主とするフィールド(市民の森)が形成されており、市中心部からもほど近いことから、出水市民の憩いの場となっています。

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今回は前編として、8月7日(金)に実施した、わんぱくトライアルにおける自然観察活動の様子をお伝えします。

わんぱくトライアルは、出水市内の小中学生が青年の家における共同生活(1泊2日)及び自然観察等のアクティビティを通じて、仲間づくりを行ったり、ふるさとの良さや魅力を学んだりするためのイベントです。

出水自然保護官事務所では、2日目の午前中に「自然観察」のお時間を頂き、市民の森の魅力を知って頂くためのアクティビティとして、「森のお弁当づくり」を実施致しました。これは、自然の中にある様々な素材を集め、それらを食材に見立てたオリジナル弁当を作るという自然遊びのひとつです。

参考:NATS 自然大好きクラブ「森のお弁当屋さん」

https://www.env.go.jp/nature/nats/tryandsearch/pdf/0508b.pdf

❚ お弁当の素材集め&市民の森の自然観察

昨年同様、マウンテンバイクで市民の森を移動しつつ、いくつかのポイントでお弁当の素材集めを行いました。

 

▲ マウンテンバイクと素材集めの様子

市民の森は勾配が多く、特に上り坂は過酷な試練となりました。一方で下り坂や木陰の道は、森の涼しい空気を感じながら(上り坂の苦しさも相まって)気持ちよく走行することができました。右の写真は素材集めの様子です。フィールドの隅々にまで注意を払い、様々な色や形をした素材を集めました。

❚ お弁当づくり

各ポイントで集めた素材を持ち帰り、お弁当づくりを行いました。

 

▲ お弁当づくりと展示会・投票の様子

集めた素材を広げて全体像を考えたり、テープやはさみを使って素材をアレンジしたりしていました。一人一人が自分の作品と真剣に向き合うまなざしが印象に残りました。

完成後は、お弁当の展示会&投票を行いました。自分以外の作品に投票し、上位3位までを表彰しました。入賞作品を以下で紹介いたします。

☆第二位(同票2作品)

▲ 「緑の弁当」(7票)

蝶(ゴマダラチョウ?)や鳥の羽等、奇抜な素材が目を引くお弁当です。

▲ 「キノコ入り!いろいろ弁当」(7票)

黄色いキノコを使った色彩豊かなお弁当です。右側の松かさや、左上のコケなど、素材同士の大きさのバランスも良いと思いました。

☆第一位(13票)

▲ 「兵児(へこ)弁当」

第一位に輝いた兵児(へこ※)弁当です。木の皮を唐揚げ、栗をゴマ団子、枝を折って長さを揃えたものをウインナーに見立てたようです。見た目がとても華やかです。また、捨てられた容器のキャップに梅干しという役割を与えたところも素晴らしいと思いました。

※兵児(出水兵児)とは、かつて出水に存在した青年団のことです。出水は旧薩摩藩と肥後藩との境に位置する国防の要所であったため、武士の「卵」である出水兵児にはとりわけ熱心な教育が施されたそうです。(詳しくは記事の最後のURLを参照ください)

☆特別賞(青年の家の所長より、特別賞を一つ選んで頂きました)

▲ 「葉っぱのカレーべんとう」

落ち葉(枯れ葉)をちぎり、敷き詰めたものをカレーに見立てたお弁当です。森の素材からカレーにまで発想を飛ばすセンスに加え、シダの葉を切りそろえたものに木の実を貼り付けて彩りのアクセントにする等、細部にまでこだわりが感じられるお弁当です。

「森のお弁当づくり」では、自然の中の多様な素材と子供たちのみずみずしい感性が融合した、多種多様なお弁当が出来上がりました。今回のように、「自分で集め、自分で作る」ことは、自然環境の細部にまで関心を向けたり、自らの感性を以て自然の魅力・価値を見出したりする良いきっかけになると思いました。

<参考URL>

出水ナビ「小原山市民の森(出水市青年の家)」

https://www.izumi-navi.jp/spots/detail/43

出水市「わんぱくトライアルに関する活動報告」

https://www.city.kagoshima-izumi.lg.jp/page/page_01846.html

出水市「出水兵児修養掟 解説」

https://www.city.kagoshima-izumi.lg.jp/page/page_40057.html

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