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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2019年10月23日

2件の記事があります。

2019年10月23日秋を感じながら大浪池を歩こう~今週土曜日10/26開催~ 【霧島地域】

霧島錦江湾国立公園 池田美樹

霧島錦江湾国立公園(えびの高原)では、10月26日の土曜日に

歩こう月間イベント「秋を感じながら大浪池を歩こう」を開催予定です。

今回開催予定のイベント前に先週、環境省パークボランティアの方々と

一緒に大浪池巡視、清掃活動を行いました。

〈活動の様子〉                   

先週くらいから、ツタウルシなどが色づき始め、すこしずつ緑の葉っぱが

赤色、オレンジ色、黄色に染まってきてます。

大浪池巡視中に、咲いていた花を紹介します。

〈アキノキリンソウ〉

〈ホソバリンドウ〉

〈ダイモンジソウ〉

今回は、この植物を写真に収めることが出来ました。

みなさんも、大浪池登山に来られたときには足下に育つ植物や、岩場に育つ植物を

探しながら、楽しみながら登山をしていただければと思います。

10月26日(土)のイベントの様子も、アクティブレンジャー日記でお届けいたしたいと思います。

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2019年10月23日与那国島の希少な動植物たち

西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本

これから全国各地では、葉が色づき始め、紅葉シーズンが到来しますね。沖縄は年間を通して温暖な気候が続くため、紅葉を楽しむことはできないですが、ちょっとした秋の訪れを感じられる絶滅危惧種のイソマツの開花が与那国島の鳥獣保護区で観察することができました。

▲イソマツの開花〈環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

▲海岸一面に開花したイソマツ

与那国島は、ヨナグニカラスバトやキンバトなどの希少な鳥類や動植物が生息し、野生動植物が生息しやすい環境を保全するため、国指定鳥獣保護区に指定されています。今回は、与那国鳥獣保護区を巡視し、また、国内希少野生動植物種(種の保存法)の自生地を確認してきましたので、与那国島の希少な動植物についてご紹介をしたいと思います。

まずは、ウスイロホウビシダと呼ばれるシダ植物。国内希少野生動植物種に指定され、採集や譲渡などは法律で禁止されています。国内で与那国島のみに分布し、石灰岩の岩上などに生えます。葉の平らな部分を葉身(ようしん)と呼び、ウスイロホウビシダの葉身は鳥の翼のような形なのが特徴的です。

▲ウスイロホウビシダ〈国内希少野生動植物種:平成29年指定〉

ヨナクニトキホコリは多年草で、与那国島と石垣島のみに分布し、国内希少野生動植物種に指定されています。うす暗い湿った環境を好みますが、近年の台風によって、林内が明るくなり、環境の悪化によって、生育する環境もかぎられ、絶滅が心配されています。

▲ヨナクニトキホコリ〈国内希少野生動植物種:平成29年指定〉

鳥獣保護区内にある東崎灯台付近からの景色は雄大です。岬は断崖絶壁で風が強く、度々大きな白波が岸壁を打ち付け迫力があります。岬は放牧地となっているため、子を連れた馬や牛がのんびりと草をむしゃむしゃと食べている姿は癒やされ、すてきな風景が広がっていました。

▲東崎灯台付近からの眺め

今回は、国内希少野生動植物種に指定されているヨナグニマルバネクワガタの密猟防止合同パトロールも実施しました。ヨナグニマルバネクワガタは、法律で禁止する以前は、乱獲によって数が減少しましたが、最近では、度重なる台風の接近によって、立派に成長して大きくなった生息木が倒れるなどして、林内が明るくなり、林内の乾燥化が進み、生息環境の悪化が心配されています。

▲ヨナグニマルバネクワガタ(メス)

また、保護区内の小川には国内では与那国島のみに分布しているアオナガイトトンボを観察できました。春から秋にかけて観察することができます。オスは鮮やかなコバルトブルーの体色が特徴的です。メスの体色は、薄オレンジ色です。

▲アオナガイトトンボ〈環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

与那国島は面積28.95㎢と大きな島ではないですが、世界にここだけの生き物がたくさん生息している自然豊かな島です。自然環境をおびやかす要因はさまざまですが、たくましく生息している希少な動植物を確認することができ、改めて与那国島の生物多様性の高さを感じ、これからも私たちみんなで生息地に目を向けて大切に守っていかなければならないと感じました。

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