2018年11月 2日
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2018年11月02日身近な野鳥の観察会を実施しました!【出水地域】
出水 本多孝成
出水自然保護官事務所の本多です。
出水では各地でジョウビタキが見られるようになり、一足早い冬の便りが届きました。
また、ツル・カモ類の飛来が本格化し、野鳥観察にぴったりの季節になりました。
今回は、出水自然保護官事務所の普及啓発活動として、9月22日(土)に出水市教育委員会との
共催のもと実施したクレインパーク周辺の身近な野鳥観察会の様子をお伝えします。
【当日の様子】
今回の観察会では、7名の地元住民の方にご参加頂き、また鶴荘学園(旧荘小学校・荘中学校)の
8年生3名に運営ボランティアとしてご協力頂きました。
▲左上:観察を始める前にボランティアの皆さんより、双眼鏡の使い方の説明がありました。
▲右上:双眼鏡やスコープを使ってサギ類の識別に挑戦。
▲左下:鳴き声をたよりに野鳥の姿を確認。
▲右下:周辺の水辺でコガタノゲンゴロウやコマツモムシ等の水生昆虫を観察しました。
【当日観察できた野鳥】
▲左上:カワセミ/右上:ミサゴ/左下:キセキレイ/右下:セイタカシギ
およそ90分の観察時間で、合計21種の野鳥を記録しました。
また、今回新たな試みとして、クレインパーク周辺の多様な環境や野鳥の生息状況をより深く知って
頂くために、観察会の記録結果を反映した野鳥マップを作製しました。
▲クレインパーク周辺の野鳥マップ。
野鳥のイラストは、おもに鶴荘学園のボランティア3名に手書きで制作して頂きました。
クレインパーク周辺は、河川(米ノ津川)、小規模な森林・池、ヨシ原、田園地帯などの多様な環境が
コンパクトにまとまっており、各環境を好む様々な野鳥を観察することができます。
出水ではこれまでにツルをはじめとする様々な野鳥の飛来が確認されており、「野鳥の宝庫」として
市内外から知られるようになりました。
こうした出水ならではの自然の魅力を、これからも観察会等を通じて積極的に発信していきたいと思います。
屋久島も秋の気配が濃くなってきました。森では恋のシーズンを迎えたヤクシカ、ヤクシマザルたちが活発に動いている様子を見かけることができます。
ヤクシカのオスは、メスやほかのオスに対して自分の居場所を主張したいのか、独特の鳴き声を発しています。百人一首にも一句ありますね「奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」
これは秋のオスシカの習性をうまく表しています。
▲繁殖期のオスシカ。首の回りに泥が付着し、整髪料を塗ったかのようになっていることが繁殖期の印。
いっぽうヤクシマザルはというと、オスもメスも顔やおしりなど、皮膚の赤味がグッと増してきます。体格のいい強いオスは短い尻尾を背中につくまで反り上げて、堂々とメスたちの前を歩いていきます。サルを1頭見つけたら、その周りに2、30頭ほどの群れでいることが多いようです。交互にグルーミング(毛づくろい/シラミ取り)をしている様子や、木の実などを採食している様子を見ることができます。
動物観察の楽しい季節です。特に島の西側、西部地域と言われるエリアではシカとサルに遭遇しやすく、おすすめの場所です。
そんな動物たちにストレスを与えないよう観察するために、屋久島ではいくつかのルールを定めています。
ルールその1★絶対にエサをあげない※
サルやシカは野生動物。「ちょっとミカンをあげるくらい、いいでしょ・・・かわいいし。」そんな軽い気持ちが彼らの野生の本来の姿を壊すことになってしまいます。
野生動物にエサをあげてはいけない2つの主な理由
◆行動への影響
人の食べ物の味を覚えた動物は、餌をもらうために人に近づき、時には食べ物を奪うために人に襲い掛かることもあります。
◆健康への影響
自然のものを食べて生きる野生動物にとって人の食べ物は有害になる場合があります。
※「屋久島町猿の餌付け等禁止条例」により。違反者は5万円以下の過料となっています。
ルールその2★近づきすぎない
観察や写真撮影をしようと、つい近づきたくなるものですが、野生動物は人との距離を保ちたいものなのです。近づきすぎると、逃げたり威嚇行動をとる可能性もあります。野生動物にはできるだけストレスを与えないことが大切です。目安として10m、車2台分以上は離れて観察しましょう。
とくにサルの場合、人の持っている風邪などの病気がサルにうつってしまう可能性があります。くしゃみやせきなどでサルに病気をうつさないためにも、一定の距離をおいて観察しましょう。
ルールその3★車での観察はきちんと停車してから
西部林道や、山間部へ通じる道路などでは他の車の通行の邪魔にならないように駐停車して観察をしましょう。動物たちの横を通り過ぎる際は徐行し、驚かさないように気を付けましょう。
また、わき見運転は大変危険です。屋久島ではレンタカーが側溝へ脱輪するケースや、岩や樹への衝突事故が後を絶ちません。観察をする際は車を安全な場所へ停止させてください。
ルールその4★サルの目を見ない
サルは目線をとても気にする動物です。サルの目をじっと見ることは、サルを興奮させ、威嚇や攻撃行動を引き起こすきっかけとなります。絶対にやめましょう。
ルールその5★大きな声を出さず、ゆっくり動く
どちらもサルやシカを驚かさないためです。道端でグルーミングや採食をしてリラックスしているようでも、人間の行動はしっかり観察されています。特に人の子供がはしゃいで騒ぐことをサルはとても嫌います。小さなお子様連れの方はとくにサルの観察時にご注意ください。
屋久島は動物観察にとても良い状態を保っている奇跡の島です。この状態を維持するためにも観察ルールを必ず守りましょう。
こうした観察ルールをまとめた「屋久島西部地域ルールガイド」冊子を、観光協会の窓口などで入手できますので、動物観察にお出かけの際はぜひご利用ください。