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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2018年6月11日

3件の記事があります。

2018年06月11日屋久島国立公園パークボランティア外来種駆除!【屋久島地域】

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

先月実施した屋久島国立公園パークボランティアの外来種(アメリカハマグルマ)駆除活動in春田浜が、あいにく雨天の為途中で中止となったことから、再度駆除作業にご協力頂けるパークボランティアの方を募り、6月2日(土)に駆除を実施しました。

 

先月の駆除活動の様子はコチラ↓

【アクティブレンジャー日記】

http://kyushu.env.go.jp/blog/2018/05/post-459.html

 

梅雨真っ只中ですが、この日は良く晴れていました。

ボランティアさんと職員合わせて10名で駆除を実施しました。

春田浜の2箇所に群生しているため、二手に分かれて作業しました。

 

川沿いのアメリカハマグルマを駆除する様子

▲川沿いのアメリカハマグルマを駆除するボランティアのみなさん。

 

駆除の様子

▲草の上部を草刈機で刈り取り、引き抜きやすくしてから根から抜き取りました。

在来の植物はアメリカハマグルマの繁茂を抑制してくれるため、できるだけ残しながら作業をしました。

 

作業後アメリカハマグルマが無くなった川沿い

▲作業後。ぽっかりと土が露出している箇所がアメリカハマグルマが群生していたところ。

 

海岸奥のアメリカハマグルマを駆除する様子

▲海岸奥のアメリカハマグルマを駆除するボランティアのみなさん。

 

駆除したアメリカハマグルマ

▲2箇所で合計33袋のアメリカハマグルマを駆除しました。

アメリカハマグルマはつる状に伸びて地面を覆い尽くします。

途切れないように抜くと、人の背丈以上の長さに伸び、節から次々と茎を出していました。

 

引き抜いたアメリカハマグルマを持って人の背丈と比べる様子

▲人の背丈以上に伸びるアメリカハマグルマ。いくつも枝分かれして四方に伸びていました。驚異の繁殖力です。

 

時間内に全てを取り切ることはできませんでしたが、今後も地道に駆除を続けて数を減らし、最終的にはこのエリアのアメリカハマグルマを根絶できるよう頑張ります。

 

回収したアメリカハマグルマは枯死させるため天日干しすることに。

梅雨の屋久島なので太陽の出る時間が少なく枯らすのにも一苦労です。

 

天日干し中のアメリカハマグルマ

▲センター裏で天日干し中のアメリカハマグルマ。

 

集合写真

▲最後にみんなで、はい、チーズ!ご協力ありがとうございました!

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2018年06月11日雨の恵みと脅威 【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 梅雨真っただ中の屋久島です。

 雨はすべての生き物に恵みをもたらします。この時期に草木はぐんぐんと成長し、新芽や木の実をシカやサル、昆虫たちが食べます。サルは子育て中、シカも出産シーズンを迎えています。

 そんな恵みの雨も、時に脅威をもたらします。雨が多いことで有名な屋久島では、山間部の雨雲が発生しやすい場所で、年間降水量が10,000mmに達するとも言われます。1日に降る量も、大雨の時は数百mmに達することさえあります。

 大雨が降ると登山道が川のようになり、道の柔らかい部分を浸食してしまいます。場所によっては1回の大雨で数十cmも浸食されることがあり、登山道の整備が必要になります。放っておくとますます浸食が進み、登山道が周りの植生もろとも大きく崩壊してしまう恐れがあります。そのため環境保全の観点からも早めに手を打たなければならない場所も発生します。

▲水による浸食で1m以上も深く掘れてしまった登山道

▲登山道が沢のようになり、浸食が進む

現在、屋久島の宮之浦岳、永田岳周辺の登山道のうち、整備が必要な個所を調査しています。登山道の状態によって土砂流出を防ぐ工法を選定し、設計を行っています。

 ▲登山者に人気の永田岳。今後登山道整備を行う予定です。

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2018年06月11日特定外来生物ボタンウキクサ防除作業【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

 屋久島では、外来生物法で特定外来生物に指定されているボタンウキクサの防除作業を実施しています。ボタンウキクサは池や沼の水面に浮遊する水草の一種です。

 かつては金魚やメダカの飼育用や、ビオトープなどに利用され、安価な価格で市場流通していた外来植物です。別名ウォーターレタスで親しまれ、ペットショップやホームセンターの店先等で販売されていたので、どこかでご覧になったことがあるかもしれません。

 特定外来生物に指定された2006年以降はボタンウキクサの栽培や生きたままの運搬などが法律により規制されています。野外で増殖が確認された場合、分布拡大防止のためにも早めに防除する必要があります。

 昨年、屋久島の一部でボタンウキクサが生育している個所が見つかり、防除作業を進めています。ボタンウキクサをはじめ特定外来生物に指定されている植物は爆発的な繁殖力をもつ種類が多いため、除去には細心の注意を払い、隅々まで取り残しの無いようにします。通常は無性生殖で殖えるようで、小指の爪より小さな子株を出して殖えるので、見逃すと増殖が再開し大変なことになります。気温や水温が高くなり、越冬後の再発生を観察していますが、屋久島の生育地のうち1か所では再発生が確認されておらず、地域根絶できたようです。今後も再発生の無いよう経過観察を続けていきます。

 ボタンウキクサは水上に浮く草ですので、手で取るか網ですくうかして除去します。その後水分を切ってビニールのゴミ袋に入れてしっかり縛り、中で腐らせてから各自治体の処理法に従って処分します。大増殖してしまうと、回収するだけでも大変な重量となってしまうため、人力では難しい作業となります。早めの防除と、継続的な処分が必須です。

ボタンウキクサ防除について3つのポイント

★分布拡大前の早めの防除。

★夏前の防除。夏は爆発的に繁殖します。

★継続的な防除。できれば1か月以上間を空けずに経過観察してこまめな除去を。

特定外来生物に関して詳しい情報はこちらから

http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html

屋久島における特定外来生物オオフサモについての記事はこちら

http://c-kyushu.env.go.jp/blog/2018/02/post-416.html

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