ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2018年2月27日

3件の記事があります。

2018年02月27日屋久島国立公園パークボランティア 普通救命講習受講

屋久島国立公園 池田 裕二

屋久島自然保護官事務所の池田です。

屋久島国立公園パークボランティアの会員の皆様と普通救命講習を受講いたしました。

パークボランティアは山間部や海岸部での活動を行うため、安全管理のうえで普通救命講習の定期的受講は大事なことです。

心肺蘇生法は繰り返し練習をしないと動作の一連を忘れてしまいがちですので、ひとりひとり、1から順に実技講習を受けました。

特に人工呼吸は息の吹込みが難しく、苦手な人はなかなかうまくいきません。練習用人形を相手にコツを覚えるまでしっかり練習しました。

会員の皆さんは熱心に受講されており、さまざまな場面での対応処置について、消防隊の講師の方々に質問をしていました。AED(自動体外式除細動器)の使用法や、屋久島島内での設置場所の確認など細かなところまで指導を受けました。屋久島は携帯電話から119番通報すると、一度種子島の中継所につながるため一刻を争う場面では時間ロスとなります。北と南の消防分遣所の直通の電話番号を携帯電話に入れておくように、という重要なアドバイスもいただきました。


▲練習人形を使って心肺蘇生の一連の動作を習得します

私たちアクティブレンジャーにとっても救命法は登山道や海岸巡視などでの、いざというときのために必要な技術です。習得した技術は忘れないように、普段からの復習、確認を心がけて活動してまいります。

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2018年02月27日特定外来種オオフサモ防除作業【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

外来生物法により特定外来生物に指定されているオオフサモの防除作業を実施しました。

オオフサモは湿地に生える南米原産の外来植物で、水草の一種といえばイメージがわくでしょうか。

南米原産とはいえ低温に強く繁殖力も高いため、国内のあちこちで増殖し、水路を塞いだり、在来植物を追いやったりと生態系に被害を与えている植物です。

特定外来生物は栽培や移動などが法律により禁止されておりますが、分布拡大防止のためにも早めに防除する必要があります。

屋久島の一部でオオフサモが生息している個所が見つかり、経過観察しながら防除作業を進めています。

島の低地は冬でも比較的温暖な気候のためか、オオフサモは冬の間ずっと葉をつけたままで、2月から成長を早める様子が確認されました。放置すると春から急成長してしまう恐れがあります。

★オオフサモの解説★

【和名】オオフサモ 【学名】Myriophyllum aquaticum

【分類】アリノトウグサ科フサモ属

【別名】パロットフェザー

【原産地と侵入地】南アメリカ原産、北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニアに分布する。

日本では全国に分布し、特に九州の筑後川水系に多い。

【形態的特徴】

茎:水中を枝分かれしながら、長さ1m以上にもなって横に伸びるのは、根茎と呼ばれる部分で、直径4~5mm、やや赤紫色を帯びる。根茎の各節から数本の根を出すとともに、長さ~30cmの緑色の茎を水上に出す。

葉:鳥の羽のような形の葉(羽状葉)が、茎の節に5~6(時に3~7)枚づつ、車輪状につく。空気中に広がった葉(水上用)は、1~3cm間隔につき、粉っぽい白色を帯びた緑青色で、長さ1.5cm~5cm。羽状葉は、10~15(時に20)対の細長い羽片から構成されていて、一つ一つの羽片は長さ3~5mm、幅約1mmで、先はとがっていない。水中に広がった葉は茶緑色で、長さ6cmに達し、羽片はひげのように細かく裂ける。

屋久島では近縁の似た植物が分布していない。

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見た目はとてもきれいな植物なのですが、持って帰ったり育てたりしてはいけません。

外来種対策で、まずあなたにできることは、今以上に外来種を増やさないようにする事です。

例えば、ペットや植物を野外に逃がしたり、捨てたりしないで最後まで育てること。

ひとりひとりの心がけが、自然と人間との共存できる世界を作っていきます。
外来種被害予防三原則 "入れない" "捨てない" "拡げない" の3つを心がけてみてください。

オオフサモをはじめとする特定外来生物を見つけたら、まずはその場所の管理者や行政機関にご相談ください。

外来生物については環境省のホームページに詳しい資料が掲載されております。

(環境省HP外来種問題についてhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/

(パンフレットhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/05_rist_zentai_c.pdf

身近な生き物の中にも、農業や生態系、生活環境に被害を及ぼすおそれのあるものも存在するかもしれません。日本の美しい自然生態系を後世に残すためにも、今私たちが取り組むべき課題の一つとして、外来生物の対策を実施していくことが重要です。

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2018年02月27日バードセイバーで野鳥にやさしい環境づくり【屋久島地域】

屋久島国立公園 池田 裕二

屋久島自然保護官事務所の池田です。

事務所がある屋久島世界遺産センターの周りの森には、ヤマガラやジョウビタキなど様々な野鳥が訪れます。中にはさえずりの美しいサンコウチョウや、尺八のようなさえずりで緑色の羽毛をもつズアカアオバト、そして天然記念物のカラスバトなど珍しい野鳥も確認されています。

本日は、屋久島世界遺産センターの大型ガラス面に張り付けてあるバードセイバーのステッカーを新調しました。

空や景色が写りこむガラス面に、猛禽類など大きめの鳥の影を模したバードセイバーを貼ることで、鳥たちが誤ってぶつからないようにする仕掛けです。

少しでも衝突事故を減らせるよう、野鳥にもやさしい環境づくりに取り組んでいます。

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