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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

サンゴのモニタリング調査【石垣地域】

2017年10月02日
西表石垣国立公園 神保彩葉

風が少し涼しくなり、石垣島でも秋を感じています。

(と言っても気温は32度。まだまだ日差しは強く日焼けします・・。)

さて、石垣自然保護官事務所では、

例年、石西礁湖にてサンゴのモニタリング調査を行っています。

石西礁湖調査地点(35地点)

今回はそんな調査の一部をご紹介します。

コドラートを使った調査

この調査は、タンクを背負っての作業となります。

調査地点に1m×1mの枠(コドラートと呼ばれています。)を並べ、

枠の中のサンゴがどのくらいあるか、どんな種類なのか等、サンゴの状態を把握する調査です。

赤ちゃんサンゴ、発見!

それぞれの調査地点には、下の写真のような板が沈めてあります。

サンゴ幼生の定着量調査

この板は「定着板」といって、サンゴの産卵シーズン(初夏の満月あたり)が始まる前に

海底に沈め、板にどのくらいのサンゴの赤ちゃんが着床したかで、その年のサンゴの加入量を知る手がかりとしています。

白化調査

こちらの写真は、サンゴの白化調査の様子です。

この調査は、15分間のスノーケリング遊泳から、サンゴの白化率を記録しています。

去年に引き続き、残念ながら今年も白化現象は起きてしまっているようです。

色が薄いコモンサンゴ(6月撮影)

調査結果を詳しく知りたい方は、下記のURLをご覧下さい。

<石西礁湖自然再生ニュースレターVol.21>

http://sekiseisyouko.com/szn/entry/newsletter21.html

石西礁湖のサンゴはもうないの?とよく聞かれますが、

そういう訳ではありません。

調査地点によって、まだ良好なサンゴたちが残っている場所もあります。

地点S27の海中景観

こうして毎年サンゴの状態をモニタリングすることで、

見えてくるものがあり、それがサンゴを守る手がかりになるかも知れません。

守るには、まず知るところからですね。

【本日の一枚】

夢中でサンゴの写真を撮っていると、

じっと動かず隠れている(つもり)のヒトヅラハリセンボン君を発見。

バレてないという自信があったのか、かなり近付くまで、じっとしていました。