九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
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やんばる自然保護官事務所の皆藤です。
台風が通過し、一気に肌寒くなってきました。
今回はヤンバルクイナのプレイバック調査の様子をご紹介します。
プレイバック法とは、鳥類が同種の声に対して鳴き返す習性を利用し、野外でスピーカーから鳥類の鳴き声を流すことで、特定の種の在・不在を判定する手法です。
国頭村立北国小学校では、児童の皆さんと一緒に、毎月学校周辺でヤンバルクイナのプレイバック調査を行っています。鳥類の専門家が通常行っているのと同じ作業を生徒さん達自ら行っております。計画作りからデータのとりまとめまで、基本的に生徒さん達が主体です。
▲プレイバック調査の光景。子供達が地図係、記録係、時計係に分かれて作業する(2017年9月6日撮影)。
毎月1回の調査を2年間継続して行っており、これまでの調査によって学校周辺のヤンバルクイナの生息状況がかなり詳細にわかってきました。ヤンバルクイナについて毎月プレイバック調査がなされている地域はおそらくここだけではないでしょうか。今後データを蓄積していけば、鳴きやすい日の傾向や、なわばりを張りやすい場所に関しての新しい知見が得られるかもしれません。
調査と平行して、やんばるの自然を学ぶための環境学習を、「やんばるの自然と遊ぶワークブック」を用いて行って頂いております。このワークブックの特徴は、デスクワーク課題と野外で行う課題がバランス良く盛り込まれており、しかもそれが全てやんばるに関することであるという点です。自分の地元に強く焦点を当てられた環境教材を用いて勉強できる機会は、なかなかないのではないでしょうか。
▲一緒にテキストを読み進め、課題に取り組む児童たち(2017年4月26日撮影)。
▲学校にいる生き物を探してみようという課題に取り組む児童たち。校庭でも意外にたくさんの生き物を見つけることができます。この日は校庭を一周して生き物を探すつもりだったのですが、芝生の上の小さな虫や花に興味津々で、熱心に記入しているうちに1講時終わってしまいました(2017年5月31日撮影)。
また、やんばる野生生物保護センターでは、やんばる地域を概説する資料や、野外では見ることの難しい希少種の映像、実物の標本を見る機会を提供しています。いざ展示物を前にすると、子供たちも矢継ぎ早に疑問を投げかけてきます。
▲展示物に興味津々の子供たち(2017年5月31日撮影)。
やんばる地域の面積は、日本国土全体の0.1%ほどしかありませんが、数多くの固有種が生息する貴重な地域です。自分たちの多様な環境学習を通してやんばるで育った彼らが、将来のやんばるを担って頂けると嬉しいですね。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園、奄美群島国立公園があります。
やんばる自然保護官事務所の皆藤です。
台風が通過し、一気に肌寒くなってきました。
今回はヤンバルクイナのプレイバック調査の様子をご紹介します。
プレイバック法とは、鳥類が同種の声に対して鳴き返す習性を利用し、野外でスピーカーから鳥類の鳴き声を流すことで、特定の種の在・不在を判定する手法です。
国頭村立北国小学校では、児童の皆さんと一緒に、毎月学校周辺でヤンバルクイナのプレイバック調査を行っています。鳥類の専門家が通常行っているのと同じ作業を生徒さん達自ら行っております。計画作りからデータのとりまとめまで、基本的に生徒さん達が主体です。
▲プレイバック調査の光景。子供達が地図係、記録係、時計係に分かれて作業する(2017年9月6日撮影)。
毎月1回の調査を2年間継続して行っており、これまでの調査によって学校周辺のヤンバルクイナの生息状況がかなり詳細にわかってきました。ヤンバルクイナについて毎月プレイバック調査がなされている地域はおそらくここだけではないでしょうか。今後データを蓄積していけば、鳴きやすい日の傾向や、なわばりを張りやすい場所に関しての新しい知見が得られるかもしれません。
調査と平行して、やんばるの自然を学ぶための環境学習を、「やんばるの自然と遊ぶワークブック」を用いて行って頂いております。このワークブックの特徴は、デスクワーク課題と野外で行う課題がバランス良く盛り込まれており、しかもそれが全てやんばるに関することであるという点です。自分の地元に強く焦点を当てられた環境教材を用いて勉強できる機会は、なかなかないのではないでしょうか。
▲一緒にテキストを読み進め、課題に取り組む児童たち(2017年4月26日撮影)。
▲学校にいる生き物を探してみようという課題に取り組む児童たち。校庭でも意外にたくさんの生き物を見つけることができます。この日は校庭を一周して生き物を探すつもりだったのですが、芝生の上の小さな虫や花に興味津々で、熱心に記入しているうちに1講時終わってしまいました(2017年5月31日撮影)。
また、やんばる野生生物保護センターでは、やんばる地域を概説する資料や、野外では見ることの難しい希少種の映像、実物の標本を見る機会を提供しています。いざ展示物を前にすると、子供たちも矢継ぎ早に疑問を投げかけてきます。
▲展示物に興味津々の子供たち(2017年5月31日撮影)。
やんばる地域の面積は、日本国土全体の0.1%ほどしかありませんが、数多くの固有種が生息する貴重な地域です。自分たちの多様な環境学習を通してやんばるで育った彼らが、将来のやんばるを担って頂けると嬉しいですね。