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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2017年8月28日

3件の記事があります。

2017年08月28日根子岳登山道ルート点検【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

阿蘇山遭難防止対策協議会が取り組んでいる登山ルート点検の『根子岳ルート』に参加しました。今回は、合同パトロールの第2回目、前原牧場登山口から東峰までは全員で登頂し、登山道ルートの判別や、登山道沿いの草が繁茂して被さっていることから草刈りと、ルート上を被圧している枝打ち、ロープ等の補修を行いました。平成24年の水害や昨年の熊本地震などにより崩落した箇所が見えるよう注意しながら行いました。

前原牧場登山口は森林の中を進む      草が伸びていると崩落箇所が見えにくい

山頂から登山入り口近くまで大きく崩落している

 

   

  東峰山頂から見る天狗のコル(熊本地震により一部崩落している)

  東峰山頂で休憩後、3ルートに分かれた

 

 

【箱石釣井尾根ルート】

 看板や過去のピンクテープを辿って進みましたが道が分かりにくく、野焼き放棄地の雑木や、水害後の倒木に行く手を阻まれると、迷いやすいことが想定されます。森林や草原の手入れの必要性を感じました。

また、遭難したことを想定し、携帯のGPS機能と登山ルートマップを見て現在地を確認し、現在地の位置情報を担当者に送ろうと試みましたが、電波が弱く送信できませんでした。

 箱石方面から登るルートは数年前から草刈をされていないため、あまり使われていないようで背丈以上のススキが生い茂っており、入り口も分かりにくくなっていました。

 

   

 

   

 

 

【大戸尾根ルート】

このルートは、佐保国立公園管理官以下4名が同行されました。急傾斜場所が多く、降雨後であったことから足下が滑りやすく、林内の歩道は洗掘が目立ったようですが、通行には問題ないとのこと。

【東峰→天狗のコルルート】

天狗コル周辺は、熊本地震の影響で大規模崩落がありますが、途中までは通行可能であるとの判断でした。

 

☆大戸尾根ルート、天狗のコルルートは、地震、降雨による崩落場所もないことから使用可能と判断されました。箱石釣井尾根ルートは、同協議会で検討し通行不可としていますが、今後対応予定です。

 

通行可能なルートも、崩落や亀裂により足場が悪くなっている場所もあるため、十分注意が必要です。また、天候が急変することが多く、雷や降雨対策もご準備ください。

 

詳しくは、熊本県 県北広域本部 阿蘇山登山情報

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_10328.html)をご確認ください。

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2017年08月28日五島の夏休み企画パートⅡ:ぼくたちわたしたち「福江川探索隊」

西海国立公園 五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。7月30日(日曜) 、大円寺公園近くを流れる福江川で開催した「福江川探索隊」にスタッフとして参加しました。川でのふれあい事業は昨年度にはない企画のため、子供たちに興味を持ってもらえるのか心配でしたが、広報誌へ掲載してすぐ問合せが殺到し数日で定員に達しました。残念ながら前日数組の家族のキャンセルがありましたが、スタッフによるSNS等での呼びかけで急遽当日参加可能としたところ、ほぼ予定していた人数で開催することができました。

 福江川は、福江島の東部に位置する笹岳(標高390m)の南側斜面を水源とし、内闇ダム、福江ダムを経て東へと蛇行しながら流れ、福江港へと注ぐ2級河川です。福江島では3番目に長い川(延長8.1km)で今回の観察場所はその下流域にあたります。

左)安全確保のため草刈り

右) 福江川について説明するスタッフ

 開催に先立ち参加者の安全確保のため通路周辺の草刈りを行いました。参加者に集合してもらい、スタッフから福江川の特徴と注意事項を説明し、階段を下りて観察場所へ移動します。

 川の流れは緩やかで、小さな子供でも安心して歩けるぐらいの水深です。遠くから見るとどこに生きものがいるのか分かりませんでしたが、じっくりと見ているといろんな生きものが見えてきました。我を忘れて魚を追っかけていた参加者も、魚のすばしっこさにはなかなか勝てなかったようです。

左) 子供はずぶ濡れになりながら魚を追いかけるのに夢中

右) 大人は繁みをかき分けてナマズを探索中

 網の使い方にも慣れいろんな生きものを採集できたので、川から上がってスタッフから生きものの名前や特徴について説明をしました。中でも一番大きかったのは、テナガエビ。バケツの中でひと際目立っています。お父さんたちは、50cmほどの白色のナマズやコイ、カワムツを見つけたものの、残念ながら逃げられてしまったそうです。

左)参加者全員で見つけた川の生きものたち

右)水槽に一匹ずつ入れて生きものを紹介

 見つけた生きものの名前がわかったところで、どの生きものが川のどのあたりにいたのか?「生きものマップ」をつくってもらいました。スジエビ・テナガエビ・メダカ・フナ・ヨシノボリ・イシマキガイ・アメンボ等12種類の生きものを見つけましたが、見つけた場所を子供たちもしっかりと覚えていて、生きものの姿を描いたシールをすぐに貼ってくれました。

 今回観察した場所は五島市の中心部に近く、この辺りには生息していないと思っていたメダカを見つけることができました。ボランティアによる毎年の福江川の清掃活動等の取り組みもあり、福江川の環境が少しずつ改善しているかもしれません。

左)生きものマップの作製

右)観察した生物を放流する参加者

 今回の講座がとても楽しかったようで、「次はいつ?」と聞いてくる子供もいました。観察地の下流域周辺は五島市の人口が集中する市街地が広がり、商業施設、学校、官庁などがありますが、川の中にはヒメガマやヨシなどの植生がみられ、川辺にはコサギやハクセキレイ、カワセミなど水辺の鳥の生息地となっており、環境学習の場としては最適な場所です。

 あなたも探索隊のメンバーになって川の中にどんな生きものが暮らしているのか、冷たい水の心地よさを感じながら石の裏や砂の中を探ってみませんか!

福江川探索隊の記念写真

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2017年08月28日今年も実施しました人工島オオヒキガエル捕獲活動【石垣地域】

西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本

台風シーズンになりましたが、昨年に引き継き、今年も八重山諸島はなかなか台風がやってこない年となっています。これからたくさんやってくるのか心配になる今日この頃です。

さて、平成24年度から石垣港にある人工島でオオヒキガエル捕獲活動を行っており、今年も西表石垣国立公園パークボランティアや港湾工事関係者のみなさんにご協力いただきながら活動を実施しましたので、報告したいと思います。

▲ご協力いただいたみなさん

この活動は、八重山諸島の離島交通などの中心である石垣港において、まだ周辺離島には分布していないオオヒキガエルが、資材等に紛れて西表島をはじめとする各離島へ侵入するリスクの高いエリアであることから、少しでもオオヒキガエルが侵入するリスクを減少させようと取り組んでいる活動です。オオヒキガエルは、現在も石垣島全域で多く生息しています。

▲フェリー等が行き交う石垣港(左下:人工島)

2017年5月には、西表島東部においてオオヒキガエルのメス1個体が捕獲され、2007年に捕獲されて以降、約10年ぶりに西表島で確認されました。侵入した経路は不明です。

こういった現状を踏まえて、今年はオオヒキガエルが活発的になる7月~8月の2ヶ月間に月2回のペースで集中的に、計4回の捕獲探索を行い、延べ人数75名のみなさんにご協力いただき、実施することができました。

▲オオヒキガエルが石積みの間に潜んでいないか確認

▲広い人工島内を探索中

当初は、日没後約2時間の捕獲作業で約200個体のオオヒキガエルを捕獲することができ、年間約1,200個体を捕獲することができましたが、翌年の平成25年度からは格段に捕獲数が減少し、年々オオヒキガエルを発見することがきわめて難しいほどになっています。

▲人工島で捕獲した個体数

今回も4回の捕獲活動を実施しましたが、オオヒキガエルは発見できませんでした。とても良い傾向のため、今後もこの状況を維持していけるよう監視を続けていきたいと思います。

石垣港付近で、全身真黒なオタマジャクシ(オオヒキガエル)が繁殖しているなどの情報がありましたら、石垣自然保護官事務所(TEL:0980-82-4768)へご連絡ください。ご協力よろしくお願いします。

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