2017年3月 3日
2件の記事があります。
2017年03月03日出前授業に行ってきました!【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
突然ですがみなさん、日本最大のサンゴ礁はどこにあるか知っていますか?
日本最大のサンゴ礁は、西表島と石垣島の間にあります。
その名も"石西礁湖(せきせいしょうこ)"と呼ばれており、
世界的にもとても貴重な場所と言われています。
※ちなみに日本は世界のサンゴ礁の北限にあたります。
そんな石西礁湖ですが、昨年の夏、大規模なサンゴの白化現象が起き、
環境省の調査の結果、石西礁湖内の約7割のサンゴが死亡してしまいました。
この事は、沖縄県内だけでなく、
全国のニュースや新聞等で大きく取り上げられました。
そんなニュースや新聞を見て、石垣島内にある、とある小学校より、
「サンゴやサンゴの白化現象について知りたい」「自分たちに何かできることはないか」との声が多数あがったということで、出前授業の依頼をいただき、先日、子どもたちの前でお話させてもらいました。
授業の中で、まずはサンゴについてどれだけ知っているか、
テストとしてサンゴクイズを行いました。
クイズは大盛り上がり!
~どれくらい知っていますか?~
【クイズ一覧】
-
サンゴは石?いきもの?
-
サンゴは動物?植物?
-
サンゴは浅いところに住んでいる?深いところに住んでいる?
-
サンゴは温かい海が好き?冷たい海が好き?
-
サンゴはクラゲの仲間?ウニの仲間?
-
サンゴは卵で増える?分裂で増える?それとも両方?
-
サンゴは動き回る?岩にくっついて動かない?それとも両方?
-
サンゴ礁とは?サンゴがたくさんある場所のこと?それとも地形のこと?
※ここでのサンゴは「造礁サンゴ」を指します。
【答え】
-
いきもの
-
動物
-
浅いところ
-
温かい海
-
クラゲ
-
両方
-
両方
-
地形
クイズの後は、サンゴの白化現象のお話。
今年度環境省で行った、サンゴの白化調査の結果をお話しました。
少し難しいかな・・と思いきや、真剣にメモを取り、熱心に聞く子どもたち。
子どもたちの想いになんだか心打たれました。
出前授業の様子
昨年、石西礁湖のサンゴの7割は死亡してしまいました。
しかし、裏を返せばまだ3割は生き残っています。
生き残った3割を左右するのは私たちです。
みなさん、"島の宝"を残してくために、まずは節電(地球温暖化防止)、節水(生活排水抑制)など、身近にできることへのご協力をお願いします。
そして、何より大切なことは、
サンゴについて知ること、興味を持つことだと思います。
私たちもこれまで以上に連携し合い、
サンゴを守る方法や対策を考えていきたいと思います。
石垣島内で出前授業をご希望の学校は、
国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター(環境省石垣自然保護官事務所)までご連絡下さい。
TEL 0980-82-4768 (平日8:30~17:15)
先日、猪の瀬戸湿原の野焼きに参加してきました。ARとして参加したものでは今年初めてです。猪の瀬戸湿原では野焼きを毎年2月の終わり頃に行なっており、例年天気の心配だけでなく残雪の心配もあるのですが、今年は暖かく、好天が続いたおかげで、草はよく乾いていてよく燃えました。
たくさんのボランティアが持ち場につき、トランシーバーで連絡を取り合いながら作業を進めていきました。
夏に作った輪地がしっかりと防火帯の役目を果たします。燃え残った小さな火はボランティアによって消し止められます。その時に使うのが背中に背負ったジェットシューター(水の入ったリュック)です。
▲ものすごい炎があっという間に草を燃やしていきます。最初は無風だったのが、炎によって上昇気流が発生して風が吹いてきました。写真はありませんが、上空には猛禽類が飛んでいて、慌てて飛び出してくる小動物を狙っていました(去年はイノシシが飛び出てきたそうです)
みなさんは猪の瀬戸湿原をご存知でしょうか?
国道11号線・やまなみハイウェイ沿いの、由布岳と鶴見岳の山間にある小規模な湿原です。北西側に見える由布岳、北東の鶴見岳から水が流れ込んでいて、豊富な水量から湿原内にも何筋も川が流れています。湿原という繊細な環境で生息する貴重な植生を有するため、国立公園の中でも重要な場所として位置づけられています。
草原や湿原を維持するためには野焼きが重要なのですが、この場所での野焼きは一時中断されていました。
▲野焼きには多くの人の手が必要。事前に何度も話し合いをし、作業の確認を行います。一歩間違えれば死亡する可能性もある危険な作業だからです。
1960年代までは地域の住民らが放牧を行っていたため、昔から野焼きが行われていました。しかし様々な理由によって野焼きが行われなくなり、森林化がすすんでいました。
1995年頃に湿原の保全、野焼きの復活をしようという動きがあり、2005年から野焼きの実施に向けた調査や準備が進められてきました。その中心となっているのが「猪の瀬戸湿原保全の会」と「城島高原オペレーションズ」です。湿原内に進入してきた樹木の伐採、大量の不法投棄のゴミの撤去、外来種の駆除活動などに加え、植生調査、野鳥調査などを行い、野焼きを行うことの効果についてもデータとして蓄積、研究しています。
猪の瀬戸湿原で野焼きが復活して今年で6年目になります。少しずつ焼く範囲が広がっており、昔のような湿原の姿を取り戻しています。
▲野焼きのあとは真っ黒な大地となります。しかしよく見てみると、草の根までは焼けていません。
自然観察ができるトレッキングルートもあるので、野焼き後の湿原の散策をしてみてはいかがでしょうか。灰の下から新芽が顔を出しているかもしれませんね。
猪の瀬戸湿原保全の会では自然観察会を行っていますので、興味のある方はそちらもどうぞ!
黒い大地に、緑が増えていく、これからの季節が楽しみですね♪