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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

イリオモテヤマネコ調査体験会

2017年02月08日
西表石垣国立公園 関東準之助

みなさん、こんにちは。西表自然保護官事務所の関東です。

昨年の12月17日にイリオモテヤマネコ調査体験会・~フンを調べてヤマネコの食べ物を探ろう~と題して、ヤマネコのフン分析をおこないました。

フン分析とは動物の食性調査のひとつで、フンの内容物からその動物が何を食べているのかを簡単に知ることができます(ただし、ここで分かるのは未消化物だけ)。

手順はフンを水洗いして余分なものを取り除き、羽毛や骨など内容物ごとに仕分けます。仕分けたものを図鑑等で調べて種を同定します。きれいにかみ砕かれているものが多いので、仕分けはかなり根気のいる作業です。

イリオモテヤマネコは島内全域に生息しているのでフンもいろいろな場所に落ちています。今回は、水田や海岸近く、道路際、山にある林道など季節や環境の違う6地点から回収したフンを使いました。

今回は、あらかじめ水洗いして軽くほぐしたフンをしました。ほぐしたフンをバットの中へ広げて同じ物だと思う種類ごとに仕分け作業をしていきます。集中力が必要になるため、慣れていないと少しつらい作業ですがうろこや細かい骨、羽毛などさまざまな物が出てきました。ある程度、種類が分かったところで地点ごとにフンから出てきた物を発表してもらいました。

ヤマネコのフンから出てきた物は・・・・。テナガエビと思われる甲殻類の破片・アオバズクやコノハズク、オオクイナなど鳥類の羽毛や足・クワガタやコオロギ、バッタなど昆虫の破片・トカゲの足やヘビのうろこ・カエルの骨・ネズミの臼歯やオオコウモリの爪など、6地点調べただけでも様々なものが出てきました。これだけでもイリオモテヤマネコのグルメぶりが分かりそうな感じです。

最後にヤマネコはいろいろな生き物と関わりがあることや人里近くにも出てきていること、今年は事故件数が最多になった可能性があることをお話しして会を閉めました。参加した子どもたちにアンケートを取ったところ、フンがくさいというのが一番の感想でした・・・・。